トリオ信号発生器AG-201の故障

そのためと思うのですがゲートの1kΩは空中配線になっています。

 トリオのAG-201は平成20年頃にハムフェアのフリーマーケットで入手しました。当初は順調に動作していましたが、そのうちに5バンドのうち×10Kのバンドしか動かなくなり、最終的には全て動作しなくなりました。
 1972年頃に生産されたものなので半世紀近く経過しており寿命と言えなくもありませんが、半導体をメインにしていますので部品劣化は少ないと思い修理にチャレンジしました。
 ネットで回路図を入手しました。しかし、その画像の解像度が悪く、読み取るのに苦労しましたが、なんとか全容を描くことができました。
 まず疑ったのは3回路5接点のロータリースイッチですが、接点復活剤でクリーニング後チェックしましたが導通に問題ありませんでした。

トップページへ戻る

電源電圧はプラスーマイナスの2電源で値は問題なさそうでしたので、発振回路を中心に検討することにしました。
 

 2SK49のゲートとドレイン間の絶対最大定格は20Vと低く実電圧に対するマージンがほとんどないので無理があったようなので元に戻して正解だったようです。
 

NPNは外形が2-4EIAで電極の位置が左からベース、コレクタ、エミッタとなっておりデータブックと逆になっていて戸惑いました。

電解コンデンサは発振回路、電源回路については全て交換しました。取り外し後容量チェックをしましたが、規格内に入っていました。
全てエルナー製でした。

 FETを2SK30に戻したところ正常に発振するようになりました。

 
 発振回路はディスクリートでFET1個とトランジスタ4個で構成されており、回路はウイーンブリッジ型のようです。ウイーンブリッジ型はオペアンプのICを使用したものが圧倒的に多いですが、この頃は高価だったのかもしれません。
 発振回路はFETの2SK30、PNPの2SA561、NPNの2SC458、2SC1213です。
劣化はないと思いつつFETは2SK49、PNPは2SA561、NPNは2SC372に換えておきました。
 これらの処置の後電源を入れると発振波形が現れました。
ただし10MHz位の寄生発振があり、×10Kバンドでは高域で発振がストップしました。

 負帰還回路にトリマコンデンサと半固定抵抗があるのですが、これで帰還量が決まり増幅度に大きく影響していました。ロータリースイッチのLOW BANDの抵抗値は非常に大きく20Mと18Mが直列になっています。