第154回

居間で御門と栗毛の少年が踊っています。
「……壬生、居間にいる子だれ?」
「御門さんの友達らしいよ」
「なんで二人して初音ミクにあわせて踊ってんだ?」
「えっと……御門さんとその友達だから?」
「……ああ、まあ、そうか」
御門であるというだけですべて納得です。
「で、お前はなにをしとるんだ?」
携帯片手に居間を隠し撮りしております。
「うん。あの栗毛の子がきた後すぐに見たことない番号からメールがきて……」
「名前:白いほう
 件名:ビデオとって
 内容:末っ子がそっちにいってると思うから、ビデオとっておくって。ひみつでね」
「って内容だったから」
「知らんメールにしたがうな!」
「そうなんだけど」
壬生はいい子です。
「……というかこの世界のつながりはどないなっとんねん」
色々と多方面につながってるようです。
「それより龍麻はどこか行くの?」
よく見ればお出かけルックの龍麻です。
「ああ、ペルソナ4の世界に召還されたから行ってくる」
「ペルソナ4?」
「知らんうちにペルソナになってんだよ。黄龍にならんとあかんから面倒じゃ」
ぶつぶつ言いながらも律儀に向かいます。
「いってらっしゃい。帰るのはいつごろ?」
「そのうち合体材料にされるやろうから、そしたら帰ってくるわ」
「……気をつけてね」
「おう」
ワームホールをあけて行きました。

その頃の如月。
「よい商談ができて大変有意義でした」
「いえいえ、こちらこそ」
「御社とはこれからも良い関係が築けますように」
シャフトの内海と商談をまとめてました。

そしてポケモンの世界では、
「クダリ。どうしました?」
「あのね、知らない人にトウヤの動画おくってもらった」
画面では踊ってるトウヤが写っています。
「わたくしにも送ってくださいまし!!」
「大丈夫。ニコにあげとくから」
後でトウヤに知られてものすごく怒られます。


ちなみに、御門とトウヤが何を踊っているかはご自由にご想像ください。
ただ、書いてる間横ではLat式ミクがWAVEFILEを踊ってました(ねこみみスイッチとかでも可)
これのスカートを長くした動画が好きです
なので、御門とトウヤもそんな話しながら踊ってると思います。ついでに歌ってます。
御門は誰に見られようと平気ですが、トウヤはまだその領域まで到達してないので、兄たちに見られると叫ぶ


後日。またトウヤが如月宅へとやってきました。

「ハルたんさん。ちょっと相談にのっていただけますか」
ハルたん=御門のハンドルネーム
「どうしました?」
「この間ミクで踊ったじゃないですか」
「ええ、あれは楽しかったですね」
楽しかったようです。
「その動画がなんでか兄の手元にありまして……おまけに愚兄がニコにアップしよったようなんです」
「私は別にかまいませんが」
流石は御門。動じません。
「いえ、ハルたんさんは写ってなくて僕だけなんですけど……ニコから削除する条件に、兄達の目の前で踊ってくれと言われまして……」
ちなみにこういった条件を出してくるのは白いほうです。
「ニコ動を破壊するコンピュータウイルスとかおもちじゃないですか」
「破壊すんなや!」
横で聞いてた龍麻が突っ込みました。
「なんかすごい再生数のびてんですよ!!「黒の英雄なにやってんですかwww」みたいなコメントつくし!!」
「兄貴と交渉しろ!ニコ運営には迷惑かけんな!!あげられた動画で楽しんでるだけやねんから!!」
龍麻の言ってる事は正論です。
「別に兄の前で踊ってあげればいいだけではありませんか?」
いつの間にかvitaで問題の動画を見ながら御門が簡単に言います。
「僕はハルたんさんみたいに悟りの局地までいってないから恥ずかしいんです!」
まあ、それはそうだな、と龍麻も同情します。普通の人間ではなかなか御門レベルになるのは難しいのです。

「だいたい誰ですか勝手に動画とったの!!!」
トウヤの言葉に壬生の肩がビクッとなりました。
「……ゼクロム。クロスサンダー」
「バリバリダー!!」
「やめたれ!壬生は打たれ弱いんや!死んだらどうする!ノックバックで死ぬ男やぞ!!」
「復活にもアイテムを使うからな。無駄使いはやめてくれ」
相変わらず守銭奴はひどい事を言います。

「話を戻しますが、上手に踊れてますよ。何が恥ずかしいんです?」
一人お茶を飲みながらくつろいでた御門が言います。
「確かに、お前御門より踊り上手やぞ。何が恥ずかしいん?」
「コメントは草もはえてるが大部分は賛美だな」
「お兄さんもただ見たいだけじゃないのかな」
壬生がみんなの分のお茶を入れてきました。
「……だって女性モーションじゃないですか。16歳の身では恥ずかしいんですよ」
「よっしわかった!」
龍麻がそう叫んでどこかへとんで行きました。
戻ってきた時には女装グッズ一式を持っておりました。
「女装しろ!そしたら恥ずかしくないぞ!」
「女装するほうが恥ずかしいです!!!!!」
「女装すれば女性モーションで踊ってても恥ずかしくない!安心しろ!お前女顔だから違和感なくいけるって!」
傷口を広げてる気もしますが、龍麻は善意で言ってます。

「トウヤくん。動画を送ってしまったお詫びに女物の服を作らせてもらうよ」
「ウィッグ。茶髪のがあっただろ」
「そういえばありましたね」
「というか、僕の実家に中学時代の女装グッズ全部残ってるからやるわ。セーラー服もあるぞ」
「セーラー服があるならあとは猫耳ですね」
「あ、僕が作ります」
「おい、ウィッグあったぞ」
「…………」
目の前で着々と自らの女装計画が進むのをトウヤは、
(なんで三十路ちかい男は人の話を聞かんのだ……)
自分とこの兄達もそうだよなーと絶望した気持ちで見ておりました。


数日後。ニコから動画は削除され、
(ああ、女装して踊ったんだな)
と魔人メンバーは優しく思いました。


で、ポケモンの世界では、
「トウヤ!つぎこれ!これ着て!」
「いえ!むしろこちらのほうを!」
「一回つーたでしょうが!!!」
大量の女物を前に兄二人がフィーバーして弟は頭をかかえておりました。


ウチの龍麻は「男とばれると悪魔がよってくる」的な迷信を信じる家出身なので、高2までずっと女装してました
現在も女装趣味は残っています

ウチのごちゃごちゃした多面世界↓

魔人世界。現実世界に近いが妖怪やら狼男やらがいる。風水の力が強い。龍麻とかがいる世界。リアル時間と連動してるので龍麻達は年をとっていってる
ポケモン世界。BWのみの世界なので狭い。トウヤだけ他世界に出かける事ができる(ゼクロム&キュレムの力)続編が出たので2年ばかし年はとったが、基本サザエさんワールド。トウヤと御門はネットフレンド。主にミクの話でつながってる
パトレイバーの世界。シャフトの人(というか内海と黒崎)しかいない。一番狭い世界。如月がシャフトの株もってたり、内海と(武器を)取引してたりで結構謎のつながり
ペルソナ4の世界。いなか。龍麻はペルソナとして召還されてる
九龍の世界。魔人と同じ世界。なんで新宿であったもろもろの事は知ってる。魔人と同じ広さがあるはずだが、学園内から出られないので狭い。九龍と龍麻は従兄弟
ミスフルの世界。正月とかによくつながる。連載終了とともに時が止まるので永遠の高校生。文庫になったけど読んでないから停止状態
遥か3の世界。ここだけえらい昔。源平合戦て……。たまにつながるけど、基本独立世界
真メガ3の世界。同じく時々つながる。ダンテが居るのでマニアクスの世界。ここが確立すると魔人の世界(東京)が壊れてる事になるので、ここも独立世界

全部の世界は正月SSとかでよくつながります

(拍手151〜153)