祇園祭はハモ祭り

ご注意:この文章は、1997年6月に書いたもので、ハモの相場などは、現在とは違います。ご了承下さい。


祇園祭を前にして、京都中央市場には、ハモの入荷量が増加してきました。
この時期(6月中旬)、ハモの入荷量は、通常の月の5倍程度に上昇しています。
これが、祇園祭の直前になると、10倍程度になります。


このところの相場は、一番食べやすいサイズの70センチくらいので、kg4000円ほどです。
ちょっと小さめになると、kg2000円くらいからあります。
祇園祭直前になると、kg6000円から質の良いものはkg10000円にもなるといいます。
なお、この価格は、いわゆる「活ハモ」と呼ばれる「生きたまま入荷したハモ」の価格で、中央市場で「トロハモ」と呼ばれている東シナ海で漁獲された(当然、死んでる)ハモは、kg1500円前後です。
「活ハモ」はもちろん「焼き物」にもされますが、「ハモのおとし」も主な利用法の一つです。
「トロハモ」は死んでますので「おとし」にはできません。「焼き物」「フライ」「てんぷら」などに利用されます。


祇園祭りはハモ祭り
7月17日です。
「活ハモ」は、韓国からの輸入物が中心です。値段も、韓国ものが一番高いそうです。
中国からの輸入物もあります。中国ものは皮が固いとかで、評判は「今いち」です。
もちろん、日本のものもあるのですが、この時期は量も少なく、質も良くないのだと、大京魚類の大橋さん(活魚のボス)が言っていました。

昔、ハモは、瀬戸内や紀州から、生きたまま京都へ運ばれてきました。
ハモは生命力が強いので、水をはなれても、長時間生きていられるのです。
「麦藁タコに祭りハモ」といって、麦の穂が色つく頃に、京都に生きたまま運ばれる魚は、タコとハモだけだったのです。
それで、祇園祭(夏祭り)には、ハモは欠かせない魚になったのです。
ハモは、秋が産卵期なので、ちょうど梅雨が終わった頃から旬に入ってくるので、祇園祭の頃に一番美味しくなるというわけです。
したがって、本来は瀬戸内か紀州の「活ハモ」でなければいけないのですが、現実には「地のハモ」は漁が少なく、韓国産に頼っているのが現状です。
日本では、西南部・瀬戸内・四国・九州に多く、北海道・東北にはいません。
東北で「ハモ」と呼ぶ、形態は「ハモ」と似た黒い魚がありますが、あれはこちらでいう「ハモ」ではありません。
先日、香住に行ったときには、あちらでは「あなご」を「ハモ」と呼んでいました。福井県の小浜もそうです。
「あなご」を「ハモ」と呼ぶところは多いようで、地方へ行ったときの「ハモ」料理には注意が必要です。
まあ、アナゴもハモも同じ形で、どちらも美味しいのですが。
消費者の方が、ハモとアナゴを見分けるのには、顔を見ればいいです。
男性的な顔で、キバがあるのがハモ、女性的で可愛い顔をしているのがアナゴです。
色も少し違います。灰色っぽいのがハモで、茶色っぽいのがアナゴです。

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