試 薬 溶 液 の つ く り 方
 
 1.酸・塩基試薬
試薬(分子量・式量) %濃度 モル濃度 つ く り 方   (15℃水溶液の密度)
濃塩酸(劇物) HClaq=36.5 36% 12mol/L 市販品(1.18g/cm)そのままを使用。

希塩酸 HClaq 
 
20% 6mol/L 濃塩酸に等体積の水を加える。(1.1g/cm)
10% 3mol/L 濃塩酸1体積に水3体積を加える。(1.05g/cm)
5% 1.5mol/L 濃塩酸1体積に水7体積を加える。(1.02g/cm)
濃硫酸(劇物)H2SO4= 98.1 98% 18mol/L 市販品(1.84g/cm)そのままを使用。

希硫酸 H2SO4 aq ※1 
 
20% 2.3mol/L 水7.5体積に濃硫酸1体積を加える。(1.14g/cm)
10% 1.0mol/L 水17体積に濃硫酸1体積を加える。(1.07g/cm)
5% 0.5mol/L 水35体積に濃硫酸1体積を加える。(1.03g/cm)
濃硝酸(劇物)HNO3aq= 63 61% 13.5mol/L 市販品(1.38g/cm)そのままを使用。

希硝酸 HNO3 aq ※2 
 
20% 3.6mol/L 濃硝酸1体積に水2.8体積を加える。(1.12g/cm)
10% 1.7mol/L 濃硝酸1体積に水7体積を加える。(1.06g/cm)
5% 0.8mol/L 濃硝酸1体積に水16体積を加える。(1.03g/cm)
氷酢酸 CH3COOH = 60 99% 17mol/L 市販品(1.06g/cm)そのまま使用。

希酢酸 CH3COOH aq

 
30%
 
4.9mol/L
 
氷酢酸1体積に水2.5体積を加える。(1.04g/cm)
 または、氷酢酸30gに水70gを加える。
5%
 
0.8mol/L
 
氷酢酸1体積に水20体積を加える。(1.01g/cm)
 または、氷酢酸5gに水95gを加える。
食酢  CH3COOH aq 4.2% 0.7mol/L 市販品(穀物酢や米酢)4.2〜4.5% (1.00g/cm)
濃アンモニア水(劇物)NH3aq 28% 15mol/L 市販品(0.90g/cm)そのままを使用。
希アンモニア水
 NH3aq = 17
10.7% 6mol/L 濃アンモニア水1体積に水1.5体積を加える(0.957g/cm)
1% 0.55mol/L 濃アンモニア水1体積に水24体積を加える(0.996g/cm
石灰水 Ca(OH)2 aq = 74
 

0.17%
0.02mol/L
 
水酸化カルシウムの飽和水溶液
20℃の水100gに対する溶解度は、0.165gである。
水酸化ナトリウム(劇物)
  NaOH aq = 40 ※3 
 
20% 6.2mol/L 水酸化ナトリウム20gを水80gに溶かす。(1.22g/cm)
10% 2.7mol/L 水酸化ナトリウム10gを水90gに溶かす。(1.11g/cm)
5% 1.3mol/L 水酸化ナトリウム5gを水95gに溶かす。(1.06g/cm)
※  上記の酸やアンモニア水の市販品の濃度が正確ではないので、希釈した溶液の濃度も正確にはできない。モル濃度も同様に正確な値ではなく、概算の数値である。
※1 水を撹拌しながら少しずつ濃硫酸を加え、冷却後、試薬びんに保存する。
※2 光によって分解するので、褐色びんに保存する。
※3 ゴム栓をする。すり合わせのガラス栓だとくっついて開かなくなることがある。
   NaOHの固体は潮解性があるため、空気中のCO2などを吸収するので正確な濃度の溶液はつくりにくい。
 
 
 2.酸・塩基指示薬
試    薬 濃度 つ く り 方 (変色域pHと色)
フェノールフタレイン
(phenolphthalein)
1%
 
フェノールフタレイン1gを95%エタノール(市販のものそのまま)90mlに溶かし、水を加えて100mlにする。(無8.0〜9.8赤)
メチルオレンジ
(Methyl Orange)
0.1%
 
メチルオレンジ0.1gを温水100mlに溶かし、冷えてからろ過する。(赤3.1〜4.4黄)
リトマス
(litmus)
1%
 
リトマス1gを粉末にし水100mlを加えて煮沸し、ろ過する。
(赤5.0〜8.0青)
BTB
(Bromothymol Blue)
0.1%
 
ブロモチモールブルー0.1gを95%エタノール20mlに溶かし、水を加えて100mlにする。(黄6.0〜緑〜7.6青)
 
 
3.塩類試薬
    1%水溶液・・・・・・・・・・試薬1gを99g(99ml)の水に溶かす。
    5%水溶液・・・・・・・・・・試薬5gを95g(95ml)の水に溶かす。
    10%水溶液・・・・・・・・・・試薬10gを90g(90ml)の水に溶かす。
    C%水溶液・・・・・・・・・・試薬Cgを100−Cg(100−Cml)の水に溶かす。
 
  モル濃度への換算表 (概算値)
試 薬(式量) モル濃度 硝酸銀(劇物)AgNO3 =170 
 
2% 0.12mol/L
亜硝酸ナトリウム(劇物)NaNO2 =69 10% 1.45mol/L 5% 0.30mol/L
無水塩化カルシウムCaCl2 = 111 1% 0.09mol/L 無水炭酸ナトリウムNa2CO3 =106 5% 0.46mol/L
塩化ナトリウムNaCl = 58.5 
 
3% 0.5mol/L ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウムK3[Fe(CN)6] =329 (フェリシアン化カリ・赤血カリ) 1%
 
0.03mol/L
 
10% 1.7mol/L
無水塩化バリウム(劇物)
   BaCl2=208
5%
 
0.24mol/L
 
硫酸カリウムアルミニウム・12水和物(カリウムみょうばん)AlK(SO4)2・12H2O = 474 5%
 
0.1mol/L
 
無水塩化マグネシウムMgCl2=95 5% 0.53mol/L 硫酸銅(U)・五水和物 (劇物)
 CuSO4・5H2O = 249.5
1% 0.04mol/L
酢酸鉛(II)・三水和物 (劇物)
Pb(CH3COO)2・3H2O =379
1% 0.03mol/L 10% 0.40mol/L
10% 0.26mol/L 無水硫酸ナトリウムNa2SO4 = 142 5% 0.35mol/L
 
 
 
 4.特殊試薬
試  薬 つ  く  り  方
ヨウ素溶液(ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液) ヨウ化カリウム2gを100mlの水にとかし、これにヨウ素1gを溶かす。
褐色びんに保存。
デンプン水溶液
 
デンプン1gに水10mlを加えてよくかき混ぜ、これを熱湯200mlにかき混ぜながら加えて透明になるまで煮沸する。

フェーリング液

 
使用するときに、次のA液とB液とを等量混合する。
A液:硫酸銅(U)五水和物CuSO4 ・5H2O 70gを水に溶かして1Lにする。
B液:酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(ロシェル塩)KNaC4H4O6・4H2O 346gと水酸化ナトリウムNaOH 130gとを水に溶かして1Lにする。ゴム栓をする。(劇物)
5%ピロガロール水溶液
 C6H3(OH)3
ピロガロール(焦性没食子酸)(劇物)5gを水95mlに溶かし、6mol/L塩酸を2〜3滴入れておく。褐色びんに入れゴム栓をすれば、数日間保存できる。
1% ニンヒドリン水溶液 ニンヒドリン1gを水100mlに溶かす。
0.2% ニンヒドリン溶液 ニンヒドリン0.1gをアセトン50mlに溶かす。(クロマトグラフィー噴霧用)
 
 
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