2025年11月29日「情報7daysニュースキャスター」より。『僕には鳥の言葉がわかる』の本を書かれた東京大学准教授・鈴木俊貴さんに、「動物の言葉が分かることで、こんなふうに役立つ未来がくるかも、みたいなのあったりしますか?」と質問されました。それに対して鈴木さんは「その考えは僕はよくないと思うんです。申し訳ないけど。てゆうのは、何でかって言うと、何でもかんでも人の役に立つっていうことを最初に考えてしまうと、研究がつまらなくなるんです。研究してみると、あっ、こんなに豊かな言葉の世界が見つかった。それを皆、知っているのと知らないのだったら、知っている方が絶対楽しいわけ。僕はだからあえて役に立つなんて考えないで、ずっと研究をしています」
私達はすぐに「役に立つか立たないか」という物差しで物事を見てしまいます。そのような物差しを離れたところに、豊かな世界が開けてくるのだと感じました。
2月には、冬期五輪で盛り上がりましが、実力を発揮できなかった選手もいます。その中の一人が、「4回転の神」の別名を持つ男子フィギュアスケート、アメリカ代表のイリア・マリニン選手です。ジャンプのミスを連発し、8位に終わりました。
私は、元アメリカ代表のネイサン・チェン選手が、2018年平昌五輪で、信じられないようなミスを重ねたのを思い出しました。その後、2022年北京五輪では金メダルを獲得するのですが、なぜ精神的に安定したのかという質問に対して、(こけなくなったのではなく、)「こけた時、どうしたらいいか分かっている」と答えたのが印象に残っています。
2026年1月25日「朝日新聞(折々のことば)」の中で、沢村澄子さんの「雨ニモ負ケソウ 風ニモ負ケソウ」という言葉が紹介されていました。
そして、「弱いことをちゃんと『弱い』と言い、苦しいことを、『苦しい』と言えるのは、実は強い人かもしれない。300枚の牛乳パックをつないで『雨にも風にも負けない傘』を作ろうとした東北の書家は、突風に煽(アオ)られそうな傘を見て書いた」と解説が加えられていました。
また、宮西達也『おしえてウルトラマン』の中で、「強くなるにはどうしたらいいの?」という質問に対して、次のように答えています。「弱いより強い方がいい。そうかな? 弱さや痛みを知っている人は思いやることができる。やさしくなれるんだ。負けを知らない人、弱点のない人はいない。弱いってことは悪くないんだ。大事なことは自分の弱さを素直に認める勇気を持つことなんだ」
弱さを認めるということは、勇気のいることです。弱いことを否定される世界では、なかなか、自分の弱さを認めることは、できません。弱い自分を、そのまま受け止めてくれる仏さまのお心に出遇った時、初めて自分の弱さを、素直に認めることができるのだと思います。
(小池秀章)
どれくらい、すき? 瑞祥寺住職/黒田義道
今月の『育心』は、黒田義道先生がご執筆くださいました。
絵本『どんなにきみがすきだかあててごらん』は、娘が幼い時によく一緒に読んだ絵本です。久しぶりに開いてみたページの中に、そのころの風景が浮かんできました。
絵本を読み終えた後、きまっていつも、「これぐらい大好き」「もっとこれぐらい大好き」と絵本の中のチビウサギとデカウサギのように言い合って、そのうち、大きくふくらみすぎた「大好き」の気持ちを表現するのが難しくなり、最後は「これぐらい大好き!!」と、ギュッとハグして幸せ気分を味わったものでした。
黒田先生のお話の中に、「相手を『大好き』と思う気持ちは、はかることができるものではない」とありました。
様々な関わりの中で思い思われる気持ちは、はかることができないぐらい深く大きなものですが、だからこそ温かく安心に満ちた感覚なのかもしれないですね。
そして、さらに深く壮大な阿弥陀さまからの、「大好き」というやさしさに包まれた安堵の中で生かされていることに喜びを感じました。
ゆっくり育つ、ゆっくり慣れる 社会福祉法人檸檬会理事長/青木一永
2ページ目は、青木一永先生の『子育ちフォーラム』です。
ドキドキの新年度がやってきました。新しい環境に不安を感じ、泣きながら登園してくる子や、激しく泣く子どもを無理やり保育者に預けて、心配そうに仕事に向かうお母さんの目にも、涙が浮かんでいたり、新しく担任する子どもたちを迎えるために、あれこれと緊張した面持ちで準備に忙しい保育者たちの姿など、本当にこの時期特有の空気感が漂います。
青木先生のお話の中に「育ちは、できなかったことではなく、できたことの連続で形づくられていきます。大きな変化がなくても、昨日と同じように見えても、その一日は確実に次へとつながっています」とありました。緊張で凝り固まった気持ちが、このことばで、緩まっていくように感じます。
青木先生の「この春は、どうぞ『ゆっくり』を許してみてください」をこころに留めながら、肩の力を抜いてゆっくり慣れていきましょう。
ご縁のありがたさを感じて 俳優/重松りさ
『私の雑記帖』は、俳優の重松りささんが、7年の俳優活動を通して出会い、感じてこられたお話です。
特に、新型コロナウイルスの影響を受けられた際に、立ち止まってしまうことなく、お芝居を「演じる」だけでなく、「作る」ことにも目を向けられたことは、大きな転機になられたんだなと感じました。
出会いとご縁を大切に、様々なことにチャレンジして、これからも益々ご活躍されますように。
貴重な原稿をありがとうございました。
春のお花のお名前は 文・絵/三浦明利
今月の『お話の時間』は、ほし君が進級式で自己紹介です。新しいお友だち、仲良く遊べるようになるといいですね。
暖かい春の日差しの中で、子どもたちとゆっくり外遊びを楽しみたいと思います。
(鎌田 惠)
令和8年3月16日 ないおん編集室(〜編集室だよりから抜粋〜)

