家庭教育誌「ないおん」は、教育・子育ちをテーマに毎月こころのお便りをお届けしています

ないおん4月号(2023年4月1日発行)は

「子どもたちの診療をする時にね、まず初めに考えるのは、名前の意味」
これは、金曜ナイトドラマ「リエゾン こどものこころ診療所」(2023年2月3日放送)の中で、心療内科「りえ・こども診療所」を開いている小児科医・佐山りえ医師の台詞です。そして、
「花の名前に意味があるように、子どもたちの名前にもたくさんの意味が込められているでしょ。でも、その意味や願いが叶えられないこともある。ここにはそういう子どもたちが集まってくる。でもその悲しみや苦しみを乗り越えた時に、新しい何かが得られることもある」
と続け、その手助けをするのが児童精神科医の仕事だと言われていました。
名前に込められた意味や願いが叶えられない悲しみや苦しみを、乗り越える(引き受ける)ことが出来た時、名前の意味や願いが、また新しい大切なものとなるような気がします。

NHK・Eテレ「テレビ放送70年『おかあさんといっしょ』から見るこども番組」(2023年2月11日放送)の中で、第19代目うたのおねえさん・はいだしょうこさんのコメント。
「童謡・唱歌って日本語がとてもきれいな歌詞が多いので、子どもには少し難しい歌詞だったとしても、心からその歌詞を伝えるっていう気持ちを込めて歌って練習したなっていう……。やっぱり、子どもだましではダメで、子ども番組は。お兄さんもお姉さんも、作っている方たちも、みんな本気で本物のものを見せてあげたいって思って、一生懸命皆さんにお伝えできるようにしているので、何となくうわべで『子ども番組だからこうでしょ』っていうことではないなっていうのを、お姉さんになって、改めて感じましたね。」
子ども番組だからといって手を抜かず、本物を見せてあげたい。そんな熱い思いによって作られた番組だったからこそ、多くの子どもたちが夢中になったのだと思います。
飯田匡さん(ブーフーウーの生みの親となった脚本家)も、『権力と笑いのはざ間で』という書籍の中で、「子どもには最高級のものを与えなくてはいけない」と述べておられます。
「子どもに本物を見せてあげたい」「最高級のものを与えなくてはならない」。大切にしなければならないことだと思います。

映画俳優として有名になった中国武術家ブルース・リーさんの言葉に、次のようなものがあります。
「私が恐れるのは、一万通りの蹴りを一度ずつ練習した者ではない。たった一つの蹴りを、一万回練習した者だ」
一つのことをコツコツと続けるところに、とんでもない世界が開けてくることを教えられたような気がします。
新しい年度が始まる四月。私にとって、一生続けていく一つのこととは何か、考えてみたいと思います。
(小池秀章)

育心

「ごめんなさい」が言えるまで    ほうりんこころ幼稚園長/武田修子

武田修子先生の『育心』のエピソードを拝読しながら、「うんうん」「わかるなぁ」と何度も頷きました。
私は度々、目の前にいる子どもの心を、様々な経験値で予測することはできても、すべてを理解することは難しいと感じています。むしろ、その経験値が邪魔をして、「本当はそうだったのか」と反省させられることがよくあります。
子ども同士のトラブルが起こると、先生たちは両者の話にじっくりと耳を傾け、話し合いの手助けを一生懸命してくれています。
お互いの気持ちに気づき、すぐに仲直りできる子もいれば、エピソードの中のW君のように、相手の気持ちや自分の気持ちに向き合うことが苦手な子もいます。
「ごめんなさい」を急がずに、「苦しいね」と、W君の歯がゆさや悲しみを受け止める園長先生、W君の小さな背中を摩るK先生の姿勢に頭がさがります。
「親(先生)が涙を流した分だけ、どんな子どもにもその思いが通じます。まさに慈雨だと思います。慈しみの雨が子どもに降り注いで、子どもが立ち直っていくように思うのです」と、外松太恵子先生におことばをいただいたことがあります。
お母さまや先生たちの慈雨に包まれた安心の中で、W君が力強く歩んでいかれますように。

SDGsと保育 保育だからこそできること 1

SDGsを自分ごと化する保育   
社会福祉法人檸檬会 副理事長・大阪総合保育大学非常勤講師/青木一永

2ページ目は、青木一永先生の「SDGsを自分ごと化する保育」です。
「SDGs」という言葉をよく聞くけれど、どのように取り組んだらよいのかと、思っておられる方も多いのではないでしょうか?
青木先生のお話の中に、私たち保育者は、「これからの社会を担う子どもたちが、どうしたら身の回りのことを自分ごと化し行動できるようになるか、考えることが求められている」とあります。
大切に育てている夏野菜が枯れてしまう経験を通して、「なんで枯れちゃったの?」と疑問を持ったり、外国から来たクラスメートと自分の習慣の違いを不思議に思ったり、まずは、日常の保育の中で、子どもたちの「どうして?」「なんで?」を敏感に受け止め、「じゃあ調べてみようか」「試してみようか」と、共に学び合う保育者の姿勢が大切なんだと感じました。

私の雑記帖

「なるほどなあ」   月刊誌「御堂さん」編集長・大阪市北区光明寺住職/菅 純和

今月の『私の雑記帖』は、『御堂さん』編集長の菅純和さんが、外松太恵子先生とのエピソードをつづってくださいました。
お話の中の外松先生は、やはり、世間のニュース解説とは違った受け止め方で、「親」「子ども」を見つめていらっしゃったんだと改めて感じました。
一直線に易々とできる子育てはないけれど、「阿弥陀さまのお慈悲に包まれて、親も子も安心して、共に育ち合っていきましょう」と、外松先生の声が聞こえてくるような気がします。
貴重な原稿をありがとうございました。

お話の時間 つきみとほし17

あっという間におともだち   文・絵/三浦明利

今月の『お話の時間』は、進級したほしくんが、優しいお兄ちゃんぶりを発揮して、皆があっという間にお友達になりました。

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新しいスタート、ウキウキの毎日が待っています。
(鎌田 惠)

令和5年3月23日 ないおん編集室(〜編集室だよりから抜粋〜)

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