家庭教育誌「ないおん」は、教育・子育ちをテーマに毎月こころのお便りをお届けしています

ないおん11月号(2022年11月1日発行)は

「仏心とは大慈悲これなり」(『観無量寿経』)
仏さまは広大な慈悲の心をお持ちであると、お経には説かれています。「慈悲」の「慈」は、「マイトリー」というインドの古い言葉の訳語で、「純粋なる友愛」を意味しています。「悲」は「カルナー」の訳語で、他者の悲しみや痛みを共に痛んでいく、痛みの共感を意味していました。
仏さまは私たちの抱える苦悩をご自身の痛みとして受け止め、響きあう心をお持ちだからこそ、見返りを求めることなく私たちのしあわせを心から願い続け、本当の安らぎと豊かさを与えていこうとはたらき続けてくださるのです。阿弥陀さまという仏さまは、まさにこの慈悲の心をもって、私のいのちの痛みを共にしてくださり、「南無(まかせよ)阿弥陀仏(わ れに)」とはたらき続けてくださっている仏さまなのです。

昨年の10月、大切な親族を1人失いました。病気が判明してからの2年半、懸命に病と向き合ってきた彼女は、与えられたいのちを精一杯輝かせながら、眼を閉じていきました。47歳の生涯でした。彼女には3人の子どもがいました。一番下の子は、小学6年生。悲しみのなかで行われたお通夜で、彼は今にもこぼれ落ちそうな涙を、必死にこらえながら座っていました。
そんな姿に気づいた彼の友人たちは、お通夜が終わると彼のもとへ駆けより、彼の悲しみに寄り添うように涙を流して泣くのでした。自らを抱き寄せ、涙する友人たちの想いに気づいた彼もまた、大粒の涙を流し声を張り上げて泣きはじめたのです。ひとしきり泣いて少し落ち着いたのか、こわばっていた彼の表情はどこか安堵しているようにも見えました。

私たちは自身にそそがれる想いに、力や安心を与えられることがあります。私のことを分かってくれる存在がいる、そのことが私のいまを支えてくれるからです。
阿弥陀さまは私がどんな状況にあろうとも、それがたとえ誰にも分かってもらえないような悲しみのなかにあったとしても、「つらいね、悲しいね」と私のいのちを丸ごと抱いてくださり、「南無(まかせよ)阿弥陀仏(われに)」と、浄土への人生をご一緒してくださっています。
阿弥陀さまから慈悲の心をそそがれているわが身であったことを知らされる時、私たちはこの苦悩の人生を歩んでいく、確かな力と安心が与えられます。そのような温かな心が、いま私にそそがれていることに想いを馳せながら、今日という一日を大切に過ごしていきたいと思います。
(赤井 智顕)

育心

親子の年齢は同じ?!   龍谷大学非常勤講師/小池秀章

小池秀章先生の『育心』を拝読しながら、ある親子の姿が浮かんできました。
2歳の男の子ぶんちゃん(仮名)は、もうすぐお兄ちゃんになるのですが、ママは切迫早産で赤ちゃんが生まれるまで入院することになりました。そしてぶんちゃんとパパの生活が始まりました。
パパは、今までママに子育てを頼り切っていた分、てんやわんやの毎日です。
チャイルドシートからぶんちゃんを降ろすのも、布団や着替えの荷物を抱えて玄関にたどり着くのも靴を片づけるのも、第1反抗期真っ只中の、不機嫌なぶんちゃん相手に一苦労です。
私はある日、ぶんちゃんのパパに聞いてみました。
「お父さん一人で大変ですね」
するとパパは「はい、いろんなぶんちゃんを発見しています。」なんと素敵な言葉でしょう。
それからしばらくして、妹のはるちゃん(仮名)が誕生し、「お兄ちゃん」のぶんちゃんも誕生しました。
ぶんちゃんは、今年で1歳の「お兄ちゃん」になりました。
ぶんちゃんとパパの姿を思い出しながら、小池先生の「お互いがお互いを成り立たせている」「関わり合いの中で、親であり、子供なのです」という言葉を味わわせていただきました。

かんたんふれあい遊び 手遊び歌!! 9

「草 生えた」ってどういうこと?   あそび歌作家/鈴木 翼

今月の2ページ目は、鈴木翼先生の『かんたんふれあい遊び 手遊び歌!!』です。
「ww」の表示が「笑うこと」を表しているということを初めて知りました。
園でもご家庭でも、「笑うこと」はとても大切なことですね。
周りの雰囲気が明るくなり、みんながウキウキと温かい気持ちになります。
今月ご紹介くださいました「くさはえた」も、YouTubeの動画に合わせて実際にやってみると、とても楽しい気分になりました。
歌も動きも簡単なので、すぐに覚えることができました。ぜひ、子ども達と一緒に遊んでみてくださいね。楽しいひと時になると思います♪

私の雑記帖

笑顔と喜びをテーマに   
フルート奏者 パシフィックフィルハーモニア東京フルート契約首席奏者 
株式会社サウンドテラス代表取締役代行/荒川 洋

『私の雑記帖』は、フルート奏者の荒川洋先生のお話です。
フルートは、ピアノやギターと違って、私たちの日常の中では、身近に触れることが少ない楽器ですが、先生が活動されている、音楽と絵本の読み聞かせを鑑賞させていただくと、その優しい音色と美しい世界を、身近に感じることが出来ました。
子ども達も、目をキラキラさせて、音楽とお話の世界に引き込まれていました。
美しい生の音楽に触れて、子ども達の豊かな感性が培われる機会が、どんどん広がっていくと素晴らしいです。
貴重な原稿をありがとうございました。

お話の時間 つきみとほし13

栗は山の宝もの   文・絵/三浦明利

今月の『お話の時間』は、つきみちゃんとほしくんと、おじいちゃんの栗拾いです。山の宝物の栗、秋の恵みを感じられるお話です。

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芸術の秋を満喫していきましょう。
(鎌田 惠)

令和4年10月14日 ないおん編集室(〜編集室だよりから抜粋〜)

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