ポートフォリオ理論

投資の世界でよく言われる言葉に、「複数の卵を一つのかごに盛るな」という言葉があります。それは、複数の卵を一つのかごだけに盛ってしまうと、そのかごを落としたときに全ての卵が台無しになってしまうということを意味しています。これがポートフォリオ理論の考え方で、投資対象を一つに絞るのでなく、複数に分散させることが大事であるということを指しています。

 ポートフォリオ理論は、投資の基本中の基本の理論であり、このポートフォリオ理論の基礎を築いたのは、アメリカのプリンストン大学教授のハリー・マーコビッツであるといわれています。ハリー・マーコビッツは、投資理論の世界にリスク(不確実性)という概念を取り入れ、個々の証券を個別に見るのでなく、集合体「ポートフォリオ」としての考え方を考案しました。ポートフォリオ理論はリスクを統計学を応用して計量的に捉えた画期的な理論です。以下にハリー・マーコビッツの投資理論の考えを示します。

ポートフォリオの評価:個別の証券の集まりであるポートフォリオの評価はリスクとリターンで評価する。

ポートフォリオのリターンとリスク:個々の証券のみではなく、全体としてのリターンとリスクを捉える。

異なる動きをする証券を分散して組み合わせることによって、ポートフォリオ全体のリスクを低減することができる。

投資家は、同じリスクであれば最もリターンの多い組み合わせを選び、同じリターンであれば最もリスクの少ない組み合わせを選ぶ。

投資家のリスク許容度が分かれば、その投資家に最適なポートフォリオが一つ存在する。

 投資家は、運用の目的、年齢、経験、資産状況などによって、どの程度のリスクを許容できるか(リスク許容度)、どの程度のリターンを求めるべきかがそれぞれ異なってきます。それらを考慮したうえで、リスク、リターンのバランスを考えるためにも、ポートフォリオ理論が必要になってきます。投資において重要なのは「リスクの回避」と「運用の効率性」であり、そのためにポートフォリオ理論が存在するのです。


メールマガジン「メールDE投資レッスン」を無料購読する


投資についてへ戻る

トップページへ戻る