藤野真子、西村正男、三須祐介は「メディア」分科会を担当する。
藤野は、伝統演劇の受容とその広がりについて、上海で刊行されていた演劇専門誌や芸能新聞などを直接の分析対象としながら、受容史に迫る。
西村は、レコードや映画といった音声を伴う媒体が、文学とどのようなかかわりを持って展開してきたか、について明らかにする。
三須は、演劇、映画といったメディアが生まれる具体的な「場」としての劇場や演芸場に着目し、その役割の全体像を明らかにする。
以上、活字化された文学と、文字化されない文学を相対化して見つめることによって、40年代に顕著な文学の商品化とそれをめぐる文学の変容とを新たな視点を導入して見極めようとするものである。