平成22年度には、『民国珍稀期刊』シリーズの収集・整理と共に、日本と中華圏の接触を双方向から確かめるために、日本語文献の組織的収集にも力を入れる。たとえば、『文化人の見た近代アジア』(ゆまに書房)など、日本人の目に映った中華圏の記録など、無論当時のものも含めて収集・整理の対象となる。これらの資料を中心とした読書会と「制度」分科会のメンバーによる報告からなる研究会を隔月に一度行うほか、三年間の総括として、国際シンポジウムを開催し、各人が共同研究の成果を発表すると共に意見の交換をしたい。
現在予定しているスピーカーは以下の通り。
「制度」分科会のゲストスピーカーとして孫歌教授(中国社会科学院)に日中相互の文化イメージに関する基調講演をお願いする。
その他、呉暁東副教授(北京大学・文学テクスト生成)、齋藤希史准教授(東京大学・日中文学地理比較)、黄英哲教授(愛知大学・台湾における研究状況)の参加を予定している。
最終年度のシンポジウムは、本研究の最終的な統括を目指すもので、過去2年間の蓄積をシンポジウム予稿集として出版準備を進める予定である。予稿集には日本語版のほかに大学院留学生などの協力を得て中国語版も作成しシンポジウム会場での議論に資する予定である。