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三国志関連の本の書評

 

羅貫中 (らかんちゅう)作

立間祥介 (たつま しょうすけ)訳

 
(プロフィール)
(前者)名は本(ほん)、貫中は字(あざな)。中国山西省太原の生まれといわれる。
14世紀中ごろ(元末から明初頭)の代表的小説家であるが生没年は不詳。
『三国志演義』のほか『隋唐両朝史伝』、『残唐五代史演義』、『北宋三遂平妖伝』などの著書がある。
(後者)1928年東京に生まれる。善隣外事専門学校卒業。専攻は中国文学。
現在、慶応義塾大学教授。
 
  
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三国志演義

三国志演義

おススメ度:(5点満点)

本体価格:350〜427円
発行所  :徳間文庫
発行日  :1983年
形態   :文庫

ジャンル:歴史小説、中国文学

目次
第1回 桃園に宴して三豪傑義を結び黄巾を斬って英雄始めて功を立つ

第120回 杜預を薦めて老将新謀を献じ孫晧降って三分一統に帰す
 内容
 後漢末期(180年ごろ)から晋建国(280年ごろ)までの中国の100年の歴史をまとめた歴史書「三国志」をベースとして、小説風にアレンジされたもの。 「三国志」は魏を中心に記されているのに対し、「三国志演義」では劉備をはじめとする蜀の人々を主人公にして記されている。 劉備や関羽、張飛、孔明をはじめ数百名の人物が登場する歴史小説の定番であり傑作。 本書の表紙を飾るのはNHKの人形劇の人形たちである。

 感想
 光栄のシミュレーションゲームから「三国志」に興味を持ち、本書を読んだ。 はじめのうちは漢字や人名の多さに戸惑っていたが、途中から夢中で読み進んでいった。 中国の歴史に興味がもてるだけでなく、いろんな性格のリーダーが登場するので理想の上司像などを考える上で役立つ(実際に三国志の登場人物にスポットを当てたビジネス書も多い)。 自分にとって一番のお気に入りの本かもしれない。
(書評作成:2003年12月10日)
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風野真知雄 (かぜの まちお)

 
(プロフィール)
本名、朝倉秀雄。
昭和26年、福島県須賀川市に生まれる。立教大学法学部卒業。
平成5年、『黒牛と妖怪』で第17回歴史文学賞受賞。
平成14年、東北出身の気鋭の作家に与えられる第1回北東文芸賞を受賞。
 
 
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馬超

馬超 曹操を二度追い詰めた豪将

おススメ度:(5点満点)

本体価格:533円+税
発行所  :PHP文庫
発行日  :2005年2月16日
形態   :文庫・276ページ

ジャンル:歴史小説

目次
第1章 父の野心
第2章 初陣
第3章 宿敵曹操
第4章 潼関の戦い
第5章 流浪
第6章 葭萌関の戦い
第7章 五虎将軍
 内容
 三国志の劉備配下の五虎将軍の一人である馬超の生涯について、おもに曹操との因縁の戦いを中心として解説している歴史小説である。

 感想
 三国志のキャラとしては比較的人気がありながら、解説した本が少ない馬超を主人公にした小説であり、非常に珍しい本であると思い読んだ。 馬超を主人公にしているため、従来の三国志関連の本に比べ馬超個人のことが詳細に記述されており、これまで知らなかったことをたくさん知ることができた。
 ただ文書の量が少ないため一気に読みきってしまい、コストパフォーマンスという点で見るとやや難あり。
(書評作成:2005年4月26日)
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竹田 晃 (たけだ あきら)

 
(プロフィール)
1930年東京生まれ。東京大学大学院修士課程修了。
現在、東京大学名誉教授、東京女子大学教授。
専門は中国古典小説。
 
 
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三国志の英傑

三国志の英傑

おススメ度:(5点満点)

本体価格:583円
発行所  :講談社現代新書
発行日  :1990年12月
形態   :新書・219ページ

ジャンル:歴史

目次
起章 大人は天に先んず
承章 臥龍雲を望む
転章 後漢滅び、天下三分へ
結章 <三国志>の終焉
 内容
 三国志演義ではない三国志正史に基づき、登場人物に焦点を当てて三国志の歴史背景について解説している。 三国志の正史は魏を漢の正当な後継者としているため、本書では魏の国、特に曹操を中心に述べている。

 感想
 三国志演義を読んだ後、人物についてさらに知りたいと思って本書を購入した。 結果から言うとほとんどが曹操の話ばっかりで、登場人物は極めて少なくてかなり期待はずれ。 三国志の登場人物全般について勉強したいと考える人にとってはこの内容ではがっかりするであろう。 曹操の話ばっかりするんだったらタイトルを変えろって言いたい。
(書評作成:2003年12月10日)
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井波律子 (いなみ りつこ)

 
(プロフィール)
1933年、東京墨田区生まれ。
岡野工業株式会社社長。
 
  
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三国志を読む

三国志を読む

おススメ度:(5点満点)

本体価格:2,500円
発行所  :岩波書店
発行日  :2004年1月
形態   :単行本・232ページ

ジャンル:歴史

目次
第1回 正史『三国志』と陳寿の伝記
 一 『三国志』の時代
 二 正史『三国志』
 三 陳寿の伝記を読む
第2回 「魏書」―〈武帝紀〉を中心に
第3回 「蜀書」―〈先主伝〉〈諸葛亮伝〉を中心に
第4回 「呉書」―〈呉主伝〉〈周瑜・魯粛・呂蒙伝〉を中心に
 内容
 市民セミナー「『三国志』を読む」の内容をまとめたもの。 正史の三国志を対象としている。 第1回では正史『三国志』の全体像とその著者である陳寿、注者の裴松之について、第2、3、4回ではそれぞれ「魏書」、「蜀書」、「呉書」について解説している。

 感想
 演義ではなく正史を対象とするということで、それぞれの英雄の長所や短所が脚色、誇張することなく描かれており、歴史や英雄の人物像を学ぶには最適であろう。
 ただ書面の都合から(セミナーの時間の都合からか)か主だった事件にのみ着目しており書かれているため、三国志演義などを一度読んでから本書を読んだほうが理解が深めやすいであろう。 ただ本体価格2,500円は少し高いと思う。
(書評作成:2004年2月28日)
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陳 舜臣 (ちん しゅんしん)

 
(プロフィール)
1923年神戸生まれ、大阪外語印度語部卒業。
61年、『枯草の根』で第7回江戸川乱歩賞を受賞。
69年、短編「青玉獅子香炉」で第60回直木賞受賞、70年『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』により第23回日本推理作家協会賞を受賞。
71年『実録・アヘン戦争』で毎日出版文化賞、76年『敦煌の旅』で第3回大佛次郎賞、83年『叛旗』で第20回日本翻訳文化賞、89年「茶事遍路」で第40回読売文学賞随筆紀行賞、92年にはその業績により朝日賞、同年『諸葛孔明』で第26回吉川英治文学賞、94年日本芸術院賞、第3回井上靖文化賞受賞。
 
  
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諸葛孔明

諸葛孔明

おススメ度:(5点満点)

本体価格:680円(上・下巻とも)
発行所  :中公文庫
発行日  :1993年10月10日(上)、1993年11月10日(下)
形態   :文庫・408ページ(上)、402ページ(下)

ジャンル:歴史小説

目次
(上巻)
梁父吟のころ   天下の形勢   乱世に生きる   地獄へ
襄陽春秋   若者たちの歌   南北の英雄   髀肉の嘆
三顧の礼前後   全軍南下す   同盟成る   赤壁の風雲

(下巻)
戦いの後   西を望む人たち   巴蜀への道   創業と継承
人びとの死   夷陵に瓦解す   出師の表   街亭に泣く
 内容
 第26回吉川英治文学賞受賞作品。
 三国志の史実を題材にして、諸葛孔明の生涯を描いた歴史小説。 少年の頃に曹操による徐州の大虐殺を目の当たりにした孔明は、人民の平和を願い魏による悪しき統一を防ぐため、奔走する。 劉備による三顧の礼に応えた出顧、赤壁の戦いでの宿敵曹操との戦い、劉備を助けての蜀漢の建国、劉備の死に応え出師の表を出しての北伐、そして五丈原での没までを描く。

 感想
 史実に基づき人間・孔明を描いているため、演技に出てくるような神・孔明の姿は全く無い。 人民のため戦いの無い世の中を作りたいと願う、平和主義者・孔明の姿が描かれている。 徳の人・劉備に生涯仕えたところから判断しても、本当の孔明は演技に描かれている奇計、謀により戦いや政治を推し進めるようなところは無く、本書に書かれているように優しい人間味あふれるのが実像であったのであろう。
 本書はあくまでも孔明を中心に三国志の世界を描いているため、三国志の全体像をこの本から知りたいという人にとっては少し物足りないであろう。 三国志をよく知る人にとっては三顧の礼以前の『演技』ではあまり描かれていない孔明像が分かるため、非常に興味深く読み進めると思う。
(書評作成:2005年12月5日)
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守屋 洋 (もりや ひろし)

 
(プロフィール)
1932年、宮城県生まれ。
東京都立大学大学院中国文学修士課程修了。
現在、中国文学者として、著述や講演などで活躍中。
 
 
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「三国志」乱世の人物学

「三国志」乱世の人物学

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,000円+税
発行所  :PHP研究所
発行日  :2008年10月3日
形態   :新書・261ページ

ジャンル:歴史

目次
序章 『三国志』の人間関係学
第1章 トップの人物学
第2章 参謀役の人物学
第3章 奇矯の人物学
 内容
 正史「三国志」をもとに、曹操、劉備、孫権などのリーダー、諸葛亮、司馬懿、周瑜等の参謀役など、26名の人物像について解説している。

 感想
 正史に基づいて構成されているため、三国志の主要な登場人物のありのままの姿を知ることができる。 登場人物にかかわるエピソードや、その人の長所、短所が誇張されることなくかかれているので、三国志演義の記載と対比してみると非常に面白い。
 三国志の時代はまさに一寸先は闇、一攫千金の時代であり、現代の混沌としたビジネスシーンにおいても、各登場人物の生き方や考えを参考にできる点が多い。
(書評作成:2010年1月30日)
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