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ミステリー小説の書評

 

近藤史恵 (こんどう ふみえ)

 
(プロフィール)
1969年、大阪市生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。
平成5年『凍える島』で第四回鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。
 
  
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二人道成寺

二人道成寺

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,762円+税
発行所  :文藝春秋
発行日  :2004年3月30日
形態   :単行本・267ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
1.小菊   2.実―一年前―
3.小菊   4.実―半年前―
5.小菊   6.実―半年前―
7.小菊   8.実―半年前―
9.小菊   10.実
11.真実   12.終幕―数ヵ月後―
 内容
 不審火が元で意識不明の重体となった歌舞伎俳優・岩井芙蓉の妻・美咲。 その事件の真相について、探偵・今泉文吾が調査する。 しかし今泉の登場は少なく、岩井芙蓉の番頭(付き人)である玉置実と、岩井芙蓉の師匠である瀬川菊花の内弟子・瀬川小菊の視点から事件の真相、背後について迫る。

 感想
 歌舞伎界を舞台にした探偵物の推理小説である。 歌舞伎の演目の沿ってストーリーが展開するので、読み始めたころは歌舞伎のことをまったく知らなかったので理解できるだろうかと不安になったが、杞憂であった。 主に登場人物の心理的な内面に焦点を当てて事件の真相に迫るという点では好印象であったが、ミステリー小説として読むと、謎のヒネリが少ない、あっさり謎が解明されてしまう、という点で物足りなさが残る。
 本の帯を見ると名探偵・今泉文吾シリーズとうたっていたが、登場機会は少ないし、また他の小説に出てくる探偵のような一種の神業的な推理もなくて、人物的な魅力はかなり乏しい。
(書評作成:2005年5月16日)
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氷川 透 (ひかわ とおる)

 
(プロフィール)
横浜生まれ。東京大学文学部卒業。
 
  
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密室は眠れないパズル

密室は眠れないパズル

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,600円+税
発行所  :原書房
発行日  :2000年6月23日
形態   :単行本・283ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
プロローグ
第1章 帰れない夜    第2章 さまざまな人々
第3章 殺人鬼      第4章 裏返しの密室
第5章 動く密室     第6章 頭脳派と行動派
第7章 タイムテーブル  第8章 眠れない夜
第9章 名探偵の推理   第10章 転倒した真相
エピローグ
 内容
 ある出版社で男が刺殺される事件が発生した。 男は絶命前「常務に殺された」と語る。 ビルは電話が通じず、また扉は外部から閉じられており、全く外部との連絡が取れない状態である。 ビルには常務を含め9名がとり残されている。 そんな常務はエレベーターで最上階に昇るのが目撃された。 やがてエレベータが下降し、扉が開いたがそこには血まみれで殺された常務がのっていた。 最上階はロックアウトされており、完全な密室状態であった。 いったい誰が彼らを殺したのか?

 感想
 話の節々にトリックが仕込まれており、真犯人は誰かを推理させる典型的なミステリー小説である。 面白いことは面白いが、話の展開が遅すぎ、またミステリーおたくっぽい書き方がどうも好きになれない。 あえて1600円も出してまで買って読む代物ではないであろう。 アイドルタレントが出ている軽いノリの2時間ミステリードラマっていう感じの内容であった。
(書評作成:2005年6月13日)
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柄刀 一 (つかとう はじめ)

 
(プロフィール)
1959年北海道生まれ。
公募アンソロジー『本格推理』(光文社文庫)への参加を経て、1988年『3000年の密室』でデビュー。
 
  
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fの魔弾

fの魔弾

おススメ度:(5点満点)

本体価格:940円
発行所  :光文社
発行日  :2004年11月18日
形態   :新書・326ページ

ジャンル:ミステリー小説
 内容
 浜坂憲也は二体の絞殺死体と共に、マンションの一室で発見された。 ドアも窓も完璧に施錠された完全な密室状態。 殺人罪で起訴された憲也は犯行を全面否定し、密室のトリックを解くように高校時代の友人・南美希風に依頼する。 南は徐々に真相に近づくが、彼自身もアメリカで憲也と同様に死体とともに完全な密室に閉じ込められてしまう。

 感想
 正統派のミステリーであり、話の展開、ストーリーともに申し分ない。 密室のトリック自体も無理な点、ご都合主義が無い点が非常に良かった。 スリリングな展開に読み始めると最後まで読みきらないと本を置けない、まさにノンストップミステリー小説であった。
(書評作成:2007年8月16日)
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水原秀策 (みずはら しゅうさく)

 
(プロフィール)
1966年、鹿児島県生まれ。早稲田大学法学部卒業。
不動産会社勤務、衆議院議員秘書(公設第二)などを経て、第3回このミステリーがすごい!大賞受賞作『サウスポー・キラー』にて2005年デビュー。
 
  
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サウスポー・キラー

サウスポー・キラー

おススメ度:(5点満点)

本体価格:695円+税
発行所  :宝島社
発行日  :2007年1月26日
形態   :文庫・408ページ

ジャンル:ミステリー小説
 内容
 人気プロ野球球団オリオールズの左腕投手・沢村はある日、「暴力団との癒着」および「八百長事件」のスキャンダルに見舞われる。 このスキャンダルに対し沢村は見に覚えがないが、球団から自宅謹慎の処分を下される。
 納得のいかない沢村は関係者の協力も得ながら、スキャンダルの背景に対して調査を始めるが、そこには用意周到な陰謀が待っていた。

 感想
 プロ野球を題材にしたミステリー小説であり、既存の人気球団を思い浮かべながら読み進めることで非常に楽しむことができた。 このミス大賞を受賞しているということもあり、ミステリーとしても一級品であると思う。
 何より、人物描写がすばらしいと思う。 主人公の沢村だけでなく悪役のキャラクターもどこか憎めず、十分に魅力的に描かれている。
(書評作成:2012年12月24日)
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