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司馬遼太郎さんの本の書評

 

司馬遼太郎 (しば りょうたろう)

 
(プロフィール)
大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語科卒業。
昭和35年、「梟の城」で第42回直木賞受賞。
41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。
47年、「世に棲む日日」を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。
51年、日本芸術院恩賜賞受賞。
56年、日本芸術院会員。
57 年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。
58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。
59年、「街道をゆく“南蛮のみち1”」で日本文学大賞受賞。
62年、「ロシアについて」で読売文学賞受賞。
63年、「韃靼疾風録」で大仏次郎賞受賞。
平成3年、文化功労者。
平成5年、文化勲章受章。
平成8 (1996)年没。
 
項羽と劉邦  梟の城  最後の将軍  義経   巧妙が辻
 
  
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項羽と劉邦

項羽と劉邦

おススメ度:(5点満点)

本体価格:466円(上巻)、427円(中巻)、427円(下巻)
発行所  :講談社現代新書
発行日  :1996年
形態   :文庫・486ページ(上)、435ページ(中)、426ページ(下)

ジャンル:歴史小説
 内容
 中国の歴史書「史記」をベースとした歴史小説。 紀元前3世紀末の中国の話で、秦の始皇帝亡き後、項羽と劉邦が秦を滅ぼし、その後劉邦が項羽に勝利して漢を建国するまでの話である。

 感想
 高校の漢文の授業で習った史記に興味を持ち、本書を購入して読んだ。 小説であるので興味をもってすらすらと読むことで歴史、さらには故事について簡単に学べる。 さらに項羽と劉邦という全く性格の異なるリーダーの人物像が非常によく描かれており、仕事で成功するリーダー像について考える上でも役立つと思う。
 本書は歴史小説という位置づけだけでなくビジネス書としても興味深く読める傑作だと思う。
(書評作成:2003年12月17日)
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梟の城

梟の城

おススメ度:(5点満点)

本体価格:583円
発行所  :春陽堂書店
発行日  :1996年3月
形態   :文庫・424ページ

ジャンル:時代小説、映画化された小説
 内容
 第42回(昭和34年下期)の直木賞受賞作品。
 織田信長亡き後の豊臣秀吉の時代。 堺の豪商今井宗久の命により秀吉暗殺を狙うのは伊賀忍者葛篭重蔵。 これに対するのは元伊賀忍者で京都奉行所配下の武士となった朋友風間五平であった。 忍者同士の壮絶な戦い、悲しき定めを描いた長編の時代小説。

 感想
 中井貴一・鶴田真由・葉月里緒菜・上川隆也主演の映画「梟の城」を見て原作を読んでみたいと思い、本書を購入した。 映画を見た後に本書を読んだので、内容が頭に入っていることもありすらすら読めた。 忍者の厳しさ、悲しさなどが伝わってくる秀作であると思う。 映画を見た人も本書と映画ではラストシーンがほんの少し違うので読み比べてみると面白いと思う。
(書評作成:2003年12月19日)
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最後の将軍

最後の将軍

おススメ度:(5点満点)

本体価格:438円+税
発行所  :文春文庫
発行日  :1997年7月10日
形態   :文庫・424ページ

ジャンル:歴史小説、ドラマ化された小説
 内容
 1998年NHK大河ドラマの原作。 徳川最後の将軍となった十五代将軍・徳川慶喜が将軍になる前から、大政奉還後にいたるまでの数奇な生涯を描く。

 感想
 幕末の小説というと新撰組や坂本竜馬など名作がそろっているため、時代の主役でありながらどこか影の薄かった徳川慶喜。 これまでも徳川慶喜というと歴史の教科書でその名前を聞いただけで、特に印象には残っていなかった。
 というわけで特に深い印象も持たず、司馬遼太郎の作品だからということで読み始めたが、ものすごく面白くて引き込まれてしまった。 慶喜は武将ではなく政治家なので派手さはなく、はっきりいって地味である。 ただ幕末・維新という間違いなく日本のターニングポイントを生き抜き、この人の手腕ひとつで今日の日本の方向性に影響を与えたといっても過言ではない。
 幕末の小説でちょっと違った面から楽しんで見たいと考える人にオススメの本である。
(書評作成:2007年11月21日)
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義経

義経

おススメ度:(5点満点)

本体価格:667円+税(上・下とも)
発行所  :文藝春秋
発行日  :2004年2月10日(上・下とも)
形態   :文庫・490ページ(上)、498ページ(下)

ジャンル:歴史小説

目次
(上巻)
寝腐れの殿 四条の聖 稚児懺法 鏡の宿 蛭ヶ小島 白川ノ関
弁慶 京の源氏 富士川 鎌倉の新府 木曾殿 木曾の猪舞 法往寺炎上
(下巻)
旭将軍一騎 堀川館 鵯越 八葉の車 屋島へ 讃岐の海  源氏八百艘
壇ノ浦 波の上 都大路  磯ノ禅師 腰越状 堀川夜討 浦の逆浪
 内容
 平家との戦いにより英雄に登りつめるが、やがて兄・頼朝との確執により非業の死を遂げるまでの義経の数奇な生涯を描いている。

 感想
 義経をはじめとして各登場人物の性格(長所、短所)がはっきりと分類されており、そこまで極端ではないであろうと突っ込みを入れたくなるが、これにより各登場人物のキャラクターをはっきりと認識でき非常に読みやすかった。
 またこの小説を読むことで平安末期から鎌倉時代の幕開けまでの時代背景やどのような人物が登場、活躍したのか知ることができ勉強という意味でも役立った。 ただ義経と平家の戦い、義経と頼朝との確執に大部分のページが割かれており、義経と弁慶との出逢い(本書は実証的な側面で描かれているのでここが切り捨てられるのは致し方ない)や、義経の最後の悲劇的な死の部分が簡略化されていた点は残念である。 特に義経の死については最後の数行で片付けられており、クライマックスはこれではちょっと納得できないと感じた。
(書評作成:2006年2月21日)
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巧妙が辻

巧妙が辻

おススメ度:(5点満点)

本体価格:543円+税(いずれも)
発行所  :文春文庫
発行日  :2005年2月10日(1、2)、2005年3月10日(3、4)
形態   :文庫・313ページ(1)、347ページ(2)、
           336ページ(3)、327ページ(4)

ジャンル:歴史小説、ドラマ化された小説

目次
(1巻)
嫁の小袖 戦場  空也堂 姉川 唐国千石
長篠合戦 乱世の奉公人 十両の馬
(2巻)
鳥毛の槍 賤ヶ岳 家康 秀吉 春日遅々 掛川六万石 伏見桃山
(3巻)
虫売り 淀のひと 醍醐の花見 雲満つ 東征
(4巻)
東征 大戦 再開 浦戸 種崎浜 あとがき
 内容
 2006年NHK大河ドラマ「功名が辻」の原作。
 うだつのあがらない武将・山内一豊と彼の妻・千代が二人三脚で、信長・秀吉・家康の三大英雄のもとで一介の武士から土佐24万石の殿様に上り詰めるまでの奇跡の出世物語を描く。

 感想
 2006年NHK大河ドラマの原作ということで読んでみた。 4巻ということで非常に読み応えがあったが面白くて一気に読みきってしまった。 一豊と千代の物語となっているが、ほとんどは千代の聡明さ、賢さについて描かれており、一豊はうだつが上がらないダメ亭主として千代の引き立て役になっている。 戦国時代の話というと戦国武将の強烈なキャラクター、武勇伝について語られることが多いが、本書はそういう意味で非常に異質な存在である。
 この本を読み終えてもなぜ一豊がたいした功名をあげることなく異例の出世を遂げられたのかが不思議であり、まさに「事実は小説より奇なり」という言葉通りである。
(書評作成:2005年10月24日)
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