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SFの書評

 

小松左京 (こまつ さきょう)

 
(プロフィール)
1931年、大阪市生まれ。
京都大学文学部でイタリア文学専攻。
日本のSF界の第一人者。
 
  
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首都消失

首都消失

おススメ度:(5点満点)

本体価格:500円+税(上下とも)
発行所  :徳間文庫
発行日  :1986年11月15日(上下とも)

ジャンル:SF、映画化された小説

目次
(上巻)
第一章 霧の朝   第二章 ブラックアウト
第三章 白い壁   第四章 熱い空白
第五章 危機の分水嶺   第六章 大いなる混沌
第七章 暗い渦

(下巻)
第八章 臨時政府   第九章 ”雲”と嵐
第十章 黒い冬   第十一章 惨禍と再建
 内容
 突如として都心を中心に半径30km、高さ1000mの正体不明の巨大な”雲”が現れ、首都と交通、通信、電波のすべてがシャットアウトされてしまう。 この雲の正体は?、またいつになったら首都との連絡がつくのか?突如として首都機能が焼失してしまった日本および世界の危機を描く近未来SFパニック小説巨編。

 感想
 ソ連がまだ存在した冷戦時代を時代背景として描いているため、今となっては古めかしさも感じる。 しかしその点を除けば今読んでも非常に新鮮に感じる。 謎だらけの設定であり、最後までどうなるんだろうと結構どきどきする。
 設定は完全にSFであるが、実際に描かれているのは突如として国家存亡の危機に遭遇した日本の危機管理である。 東京一極集中の危うさ、怖さについてじっくりと考えさせられる。
(書評作成:2004年9月21日)
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北野勇作 (きたの ゆうさく)

 
(プロフィール)
1962年、兵庫県生まれ。甲南大学理学部応用物理学科卒。
1992年、「昔、火星のあった場所」で、第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。
劇団『虚航船団パラメトリックオーケストラ』の役者でもある

著者の公式ホームページ
北野勇作的箱庭
http://www.jali.or.jp/ktn/hakoniwa/
 
  
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かめくん

かめくん

おススメ度:(5点満点)

本体価格:648円+税
発行所  :徳間書店
発行日  :2001年1月31日
形態   :文庫・300ページ

ジャンル:SF

目次
第1章 模造亀(レプリカメ)
第2章 機械亀(メカメ)
第3章 亀記憶(カメモリー)
第4章 亀手紙(カメール)
 内容
 「木星戦争」に投入されるために開発されたカメ型ヒューマノイド・レプリカメ。 かめくんは、どこの部隊にも所属せず、自らの生計を立てるため大阪(?)の下町に住み、そこに住む人たちと交流をする話。

 感想
 まさに正真正銘のSF、これぞSFという小説である。 作者の頭の中で作られた空想世界を舞台にした非日常的な生活の描写。 すべてが明らかとはならないが、徐々に明らかとなっていく空想世界の実態。 それらを読み解く楽しさがある。
 一方で主人公は「かめくん」。 名前からしてほのぼのしているが、その行動もほのぼのしている。 SFというとある程度、科学的知識が必要で、またそのような表現も多いが、この本ではそんなことは全くない。 珍しい癒し系SFであると思う。
(書評作成:2008年5月25日)
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手塚治虫 (てづか おさむ) 原作

NAKA雅MURA (なかむら まさる) 著者

 
(プロフィール)
(前者)
1928年大阪府生まれ。1951年大阪大学付属医学専門部卒業。医学博士。
代表作に『鉄腕アトム』『火の鳥』『ブラック・ジャック』『ブッダ』『陽だまりの樹』『アドルフに告ぐ』など。
1989年2月9日死去。

(後者)
1968年生まれ。
三池崇史監督作品「喧嘩の花道」(1996)で脚本家デビュー。
そのほか主な脚本作品は、「中国の鳥人」(1998)、「大怪獣東京に現わる」(1998)などがある
 
  
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どろろ

どろろ

おススメ度:(5点満点)

本体価格:500円(上・下とも)
発行所  :朝日新聞社
発行日  :2006年12月30日(上、下)
形態   :文庫・263ページ(上)、263ページ(下)

ジャンル:SF、時代小説、映画化された小説

目次
第一章 『百鬼丸』
第二章 『どろろ』
第三章 『景光』
第四章 『国境』
 内容
 武士の醍醐景光は天下取りの代償として自分の子を生贄として48体の魔神に差し出す。 その結果赤ん坊は体の48箇所を欠損した体で生まれ、化け物としてそのまま川に流され、捨てられてしまう。 医者・寿海に拾われた赤ん坊は彼の手により義手や義足を与えられた。
 数年後、成長した赤ん坊は左腕に「百鬼丸」という破邪の仕込み刀を仕込まれ、百鬼丸と名乗って自らの体を取り戻す旅に出かける。 そんな最中、こそ泥のどろろとであり、ひょんなことから一緒の旅を続けることとなる。

 感想
 手塚治虫の名作コミック「どろろ」の実写映画(妻夫木聡&柴咲コウ主演)のノベライズということで本書を読んだ。 アニメ版「どろろ」を見たことがあるので、どのような作品に仕上がっているのかと思ったが、かなりいい意味でもともとの想像を裏切ってくれた。 とにかく面白い。 更にアニメ以上に親子の葛藤、愛情が描かれており、更に正義・悪とは何かということについても考えさせられた。 またかなりハードボイルドな仕上がりになっている点もよかった。 この内容ならば映画も面白いに違いない(まだ見てない)。
 アニメ版とは結末がかなり変えられている。 どっちが面白いかといえば、何とかハッピーエンドに持っていこうとしたアニメよりもこちらの方がかなりよいデキであると思った(人それぞれ感じ方はあると思いますが、あくまでも私見ということで)。
(書評作成:2007年6月3日)
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マイクル・クライトン (Michal Crichton)

 
  
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ジュラシック・パーク

ジュラシック・パーク

おススメ度:(5点満点)

本体価格:650円(上下とも)
発行所  :ハヤカワ文庫
発行日  :1993年3月31日(上下とも)
形態   :文庫・380ページ(上)、420ページ(下)

ジャンル:SF、欧米文学、映画化された小説
 内容
 バイオテクノロジーで太古の昔から現代によみがえった恐竜たちが暮らすアミューズメント・パーク”ジュラシック・パーク”。 しかし恐竜たちは人間の制御の能力を超えて、暴走を始める。
 ジュラシック・パークにおいて次々と人間に襲い掛かる恐竜と、そこから逃げ惑う人間の姿を描いたSF作品。

 感想
 まずはスピルバーグの手による映画を見た後で、本作を読んだ。 映画版も面白かったが、映画はあくまでも派手さを訴えかけているのに対して、本作のほうがスケールが大きく、さらに恐竜の前であまりにも無力な人間の様を描いている。
 映画版と本作とはジュラシック・パークという舞台を共通にするだけで、細部においては全く異なる別物。 映画版も十分に楽しめたが、本作でも映画版とは違った楽しみ方ができる。
 初版からはすでに20年近く経過しているが、全く古さを感じさせず、今でも十分に楽しめる作品である。
(書評作成:2010年7月25日)
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