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浅田次郎さんの本の書評

 

浅田次郎 (あさだ じろう)

 
(プロフィール)
1951年、東京都生れ。中央大学杉並高校卒業。
さまざまな職業を経て、1995年、『地下鉄に乗って』で、第16回吉川英治文学新人賞を受賞。
1997年、『鉄道員』で第117回直木賞を受賞。2000年には、『壬生義士伝』で、第十三回柴田錬三郎賞を受賞
 
憑神  地下鉄(メトロ)に乗って
 
  
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憑神

憑神

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,500円+税;
発行所  :新潮社
発行日  :2005年9月20日

ジャンル:時代小説、映画化された小説
 内容
 徳川慶喜の時代。 貧乏旗本・別所彦四郎は、婿入り先から追い出され、職を失ってしまう。 ある夜、酔いにまかせてふとした気まぐれから荒れ果てた祠に手を合わせてしまう彦四郎。祠から霊験あらたかにも神様があらわれたが、それは神は神でも人に不幸をもたらす貧乏神であった。

 感想
 非常に漢字が多くて読むのに骨が折れたが、楽しく読むことができた。 不幸をもたらす貧乏神と彦四郎との掛け合いはまるで落語を見ているようで非常に面白かった。 一方で、廃れかけた武士道を全うしようとするけなげなまでの彦四郎の態度や考えにも胸を打たれた。 面白い話の中にもほろりとさせてくれるお話である。
(書評作成:2008年10月22日)
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地下鉄(メトロ)に乗って

地下鉄(メトロ)に乗って

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,600円+税;
発行所  :徳間書店
発行日  :2006年7月31日

ジャンル:日本文学(文芸)、映画化された小説
 内容
第16回吉川英治文学新人賞受賞作品。
 ワンマンな父に反発して自殺した兄、またそれをきっかけに一家が離散。 かつて裕福な家に住んでいた主人公・真次はふとしたきっかけで、タイムスリップする。 彼はそこで、自殺する直前の兄、また終戦前後に生きる幼きころの父に出会う。

 感想
 タイムスリップしながら父の出生や成長を知るという意味ではファンタジーであるが、ここで描かれているのは家族の絆であり、ヒューマンドラマである。 タイムスリップしながら何とか壊れてしまった家族を取り戻そうとする真次であるが、最後は予期せぬ結果へと導かれていってしまう。
 エンディングはちょっと釈然としないところも残ったが、こういう結末が一番ベストだったんだろうと納得させられる。 家族の絆とは複雑であるということを認識させられた。
 戦後日本の情景がありありと想像できるのは著者の筆力によるところであろう。
(書評作成:2008年11月22日)
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