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秋元 康さんの本の書評

 

秋元 康 (あきもと やすし)

 
(プロフィール)
1956年東京生まれ。作詞家、作家、CM・TV企画、映画監督。
主な作品に「川の流れのように」(作詞)、著書に「趣味力」、「なるほどね、そーゆーことか」など。
 
【着信アリシリーズ】
着信アリ  着信アリ2  着信アリFinal
【その他】
伝染歌
 
  
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着信アリ

着信アリ

おススメ度:(5点満点)

本体価格:514円
発行所  :角川ホラー文庫
発行日  :2003年11月
形態   :文庫・246ページ

ジャンル:ホラー小説、映画化された小説
 内容
 携帯に表示されている“着信アリ”のメッセージ。 発信先は自分の携帯番号、さらに着信時刻は未来の時間である。 メッセージを再生すると、明らかに自分自身の声が録音されている。 そして、実際にその時間(着信時間)になるとメッセージに録音されていたセリフを発して謎の死を遂げるという、携帯電話を題材としたホラー小説。

 感想
 柴崎コウ主演の映画が評判であるとのことで、その原作を読んでみた。 テンポよく読み進んでいける点は評価できるが、いかんせんリングの二番煎じのような印象である。 リングと同様に呪いを解くために主人公が謎に挑むのであるが、ストーリーのスケールや洗練性においても残念ながらリングにはまったく及んでいない。 特になぜのろいの電話が発生したのかについて説明されていないのはいただけない。 エンディングも謎を残した書き方で終わっており、リングと同様にらせんやループのような続編を次々に発表するのがありありとわかってしまう
(書評作成:2004年2月8日)
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着信アリ2

着信アリ2

おススメ度:(5点満点)

本体価格:476円+税
発行所  :角川ホラー文庫
発行日  :2004年12月25日
形態   :文庫・209ページ

ジャンル:ホラー小説、映画化された小説
 内容
 「着信アリ」の時代から1年後・・・。 「死の予告電話」の呪いは終わっておらず、継続していた。 「死の予告電話」を受けた人々が次々と亡くなっていく。 さらに前作の登場人物も次々と非業の死を遂げていく。 「死の予告電話」に興味を持ったジャーナリスト、「死の予告電話」に関係することになった主人公たちは、「死の予告電話」の機嫌が台湾にあることを知る。

 感想
 「着信アリ」の終わり方がどうもすっきりせずもやもやしていた。 本書のはじめには「着信アリ」のその後が描かれており、その点ではすっきりした。 なぜ「死の予告電話」が発生したのか、については一応の解答が示されていた点は評価できるが、「リング」〜「ループ」シリーズで描かれていたようなストーリー性に比べると、完成度が低すぎる。
 通常は映画の原作本などを読むと、原作で書かれていた内容がどのように映像化されているのかと期待するのであるが、本書では残念ながら映画(映像)を見てみたいと思わせる内容ではなかった。
(書評作成:2006年6月25日)
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着信アリFinal

着信アリFinal

おススメ度:(5点満点)

本体価格:476円+税
発行所  :角川ホラー文庫
発行日  :2006年5月25日
形態   :文庫・216ページ

ジャンル:ホラー小説、映画化された小説
 内容
 高校の修学旅行先の先の韓国にて、例の着信アリの着メロがなる。 今度の標的となっているのはいじめ事件があった高校生。 着信アリのメッセージとともに一人一人死んでいくのは前シリーズと同様であるが、今回のシリーズでは死を逃れるための究極の選択が準備されていた。

 感想
 「着信アリ」のシリーズを読み進めてきて、これがFinalということで惰性で購入して読んだ。 これまでのシリーズも評価的には厳しいものであったが、Finalははっきり言って最低。
 前シリーズとのつながりはほとんどなく、これまで(完成度は低いながらも)築かれてきた世界観が台無しになっている。 着信アリの世界がどこに向かって行くのか、方向性が見えない。 また本作では呪いから逃れる手段が登場しているが、それは「リング」のパクリとしか思えない。 これでFinalということで完結であるが、作者自身こんな完結で満足しているのであろうか?
 ジャパニーズホラーというと、古くは怪談物、最近では「リング」に代表されるように、のろい、恨みには何らかの動機があり、さらに呪い殺されるにしても陰湿さがあり、どちらかというと後から怖さが伝わってくるというものが多かった。 そしてそれらはスプラッタ物に飽きてきたアメリカでも一定の評価を得ている。
 しかし「着信アリ」のシリーズは、一昔前のアメリカのB級スプラッタそのもの。ストーリーの完成度の低さを映像で(本の場合は記述で)ごまかしている。 この話を読む限り映画の内容も全く期待できそうにない。
(書評作成:2006年7月3日)
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伝染歌

伝染歌

おススメ度:(5点満点)

本体価格:724円+税
発行所  :講談社
発行日  :2007年8月10日
形態   :文庫・395ページ

ジャンル:ホラー小説、映画化された小説
 内容
 歌えば死ぬ「伝染歌」。 友人が次々と自殺した女子高生・彩音は、「伝染歌」を歌ってしまった友人・美鈴を救うため、三流雑誌の編集者たちとともに、「伝染歌」の謎に挑む。

 感想
 ビデオ、ケイタイに次ぐホラーシリーズだと思い読み進めたが、時間の無駄であったようである。 話の終盤までは実に楽しかったのであるが、エンディングのはちゃめちゃさが物語のすべてをぶち壊しにしている。 途中まではホラーの体裁をとっているおり、「黒い日曜日」を絡ませるなど実に興味深い内容であったが、最後ははっきり言ってブラックコメディである。 読者を馬鹿にしているとしか思えない。
 400ページ弱と長篇小説であるが、内容は実に薄っぺらい。 ケイタイ小説を文庫本化したのが本書であるが、せめて文庫本化する際に大幅な加筆や修正をすべきである。 まったく小説の体裁をとっていない。手抜き以外の何者でもない。 久しぶりに読んでがっかりなカスのような本に出会った。
(書評作成:2008年3月3日)
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