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思い出の映画

(第12回)評決
今回、紹介する映画はポール・ニューマン主演の「評決」です。劇場公開されたのは1983年の
3月頃だったと思います。この映画はポール・ニューマンが弁護士を演じる法廷ものなのですが、
何故この映画を観ようと思ったのか、当時のことを思い出すことができません。(^^;;;
ただ、当時大学生で時間をもてあましていた私は、興味を引く映画があったら観に行くようにして
いましたので、この映画もそういう何気ない動機で観に行った映画だと思います。

あらすじですが、ポール・ニューマンが演じているギャルビンはある事件をきっかけに今ではすっかり
落ちぶれてしまった弁護士。しかし、友人が紹介してくれた病院の医療ミス事件を担当することに
なり、病院で植物人間状態となって横たわっている被害者を見てギャルビンは再び正義のために
働こうと決意します。そして被告側の悪徳やり手弁護士の様々な妨害に遭いながらも最後には裁判
で勝利する、という話です。

キャストは、主人公の弁護士フランク・ギャルビン役がポール・ニューマン、ギャルビンの友人の
弁護士ミッキー・モリシー役をジャック・ウォーデン、悪徳やり手弁護士コン・キャノン役をジェームズ・
メイスン、コン・キャノンの差し金でギャルビンに近づく女ローラ役をシャーロット・ランプリングが演じて
います。
また監督は法廷ものでは有名な「12人の怒れる男」の監督でもある社会派、シドニー・ルメットが
メガホンを取っています。

当時観た時の感想ですが、それまでコメディやSF、アクション映画ばかり観ていた私にとっては
はじめて「じっくり観させてくれる映画」でした。法廷ものという重厚な話の映画だったということも
ありますが、やはりポール・ニューマンやその他の役者さんの演技がとても良かったです。特にコン・
キャノン役のジェームズ・メイスンは見るからに小憎たらしくて(^^;;名演でした。
そして今でも印象に残っているのはギャルビンの最終弁論の場面ですね。あの時、陪審員に
「今こそ貴方がたが正義を行いうる数少ないチャンスなんです。」と語りかけるシーンは胸にぐっと
来るものがありました。
映画の話からは逸れますが、日本も4年後には裁判員制度が始まります。日本では一般人である
自分たちが人を裁く事への不安感から消極的な意見が多いようですが、アメリカではすっかり陪審員
制度が定着し、この映画「評決」でも自分たち一般市民が法を司っていくんだという自負みたいなもの
が感じられました。だから私はもし裁判員に選ばれるようなことがあった場合は積極的にやってみよう
と考えています。

さて主演のポール・ニューマンですが、この映画「評決」に出演するまでも「スティング」、「ハスラー」、
「明日に向かって打て」など出演作には名作が多くて演技力にも定評があり、アカデミー賞にも何度も
ノミネートされていました。しかしどういうわけかオスカーには縁遠く、「アカデミー賞7不思議」とまで
言われていましたが、この「評決」から3年後の1986年に「ハスラー2」でやっとオスカーを手にする
こととなりました。
そのポール・ニューマンももう80才です。歳月の流れを感じてしまいます。

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