心に浮かぶ風景


一つのことを思い出そうとすると、何かがそれを阻むようだった。
浮かんでくるのはただ一つの風景。
暖かな日差し。
窓辺には小さな透明な瓶が置いてあって、その中に青く光るビー玉が3つ。
その中で赤いものが揺れている。
優しそうな女の人が上から覗いている。

あれはいつのことだったのだろうか、思い出せない・・・

音のしない世界から現実の世界へ戻ったとき、少女の顔に衝撃がはしった。
鈍い音、そして少女は再び闇の中へ。

闇は優しく彼女を包んでくれただろうか。
彼女を傷つけるものはもういない。



BACK