5.経済局長時代
1965.01
中小企業の雇用問題(61号)1965.1
中小企業の雇用問題
3月が近づき京都の中小企業は新しい学卒者の採用をまちかねている。
「協業化」という新しい動き
(62号)1965.3「協業化」という新しい動き
協業化という言葉がさかんに使われている。その意味するところは
,必ずしも最近の新しい事象を指しているわけではない。中小企業今後の組織活動の一方向づけとして,従来から行われてきた共同化の動きにいくぶんちがつた要素を加味し,それらに包括的な名称を与えることによって,必要性と効果とを強調しようとするねらいのように見受けられる。
消費者行政のあり方(63号)1965.5
消費者行政のあり方
昨年
8月,札幌市で開かれた第26回全国都市問題会議の議題は,「都市の消費者行政」であった。その節,高度成長経済のなかでいささか置き去りにされた観のある消費者の保護が,消費者の集団である都市の行政のなかで,どのように位置づけられるか,また,その実体は何であるか,が大いに注目された。また,去る5月 7日大阪市で行なわれた6大都市経済局長会議においても,中小企業庁指導部長や通産省企業局消費経済課長補佐の出席をみて,都市の消費者行政の進め方に議論が集中された。
「高度成長過程における京都市中堅規模企業の展開」はしがき
はしがき
周知のように
,本市の工業は規模的には中小企業によって,業種的には繊維工業を中心とする軽工業によって代表されている。また,これを歴史的にみると京都のもつ古い歴史的条件と密接な連携をたもちながら固有産業ないしは在来産業として発展したもの,あるいは明治維新を契機として諸外国から移入された新技術・設備を基盤にして,それ以降,近代産業として成長していったものとが併存している。
不況と「中堅規模企業」(64号)1965.7
不況と「中堅規模企業」
ここ数年来
,「中堅規模企業」がにわかにクローズアップされ.その意義と役割とが,強調されてきたことは周知のとおりである。中小企業基本法は,中小企業を規定するが,資本金の上限を従来の1千万円から5千万円に引き上げ,中小企業の上層部を育成する意図を明確にうち出し,企業規模の「適正化」をはかる一方では,それとうらはらの関係にある事業転換について手回しよくふれている。中小企業近代化促進法や中小企業投資育成会社法の制定は,このねらいを具体化したものであろう。また,「高度化資金」による協業化の促進をも含めての産業機造の「高度化」もその一環をなすものであることはいうまでもない。開放体制下の日本資本主義が要請したこのような一連の政府政策の実効のほどは別にして,現実において過去10年間の上昇気構えのなかで相当な数の企業が「中堅規模」にのし上り発展してきたことは顕著な事実である。これらの企業は,日本経済の膨張の効果を何らかの面において何らかの形で多かれ少なかれ吸収し,精一杯の背のびをしてこんにちに至っている。
協同組合運営の実態調査結果の公表に際して
協同組合運営の実態調査結果の公表に際して
我が国における中小企業の組織化の歴史はかなり古く
,戦後,中小企業等協同組合法の施行からも,すでに15年余の歳月が経過しております。現在,同法に基づく組合数は全国で4万5千を教え,うち事業協同組合は3万5千にのぼっています。
不況下に迎えた1966年の課題(67号)1966.1
不況下に迎えた
1966年の課題昨年の秋にはいく分好転するかに伝えられた景気は
,すべて期待外れにおわり,沈滞した空気のなかに年はあらたまった。過去いくたびか,不況の新年を迎えたときには,行先好転の予測が慣例のように流布されたが,今年ばかりはそうはゆかぬらしい。小さな波動をくり返しながら高い成長をとげた日本経済に累積したかず多くの矛盾が,いちどに露呈した恰好となって,病状のひどさは相当なもののようである。.「静かなる恐慌」という言葉があるいはあてはまるかも.知れない。
不況と新しい組織化の動き(68号)1966.3
不況と新しい組織化の動き
不況期になると資本の集中が進行する
,これは昔からいいふるされ,今も変わらない法則のようである。大企業間における企業合同・カルテル・企業集団の形成等が,ここ数年来やかましく論ぜられ,不況の深化と共に産業界の地図は大ぎくぬりかえられようとしている。
地域計画と中小企業(69号)1966.5
地域計画と中小企業
「戦後経済」が一段落して
,地域開発の計画がやかましく論議されてから十数年がたっている。その間,印刷物になった「計画」は,全国版・地方版・府県版・市町村版を合わせると,おびただしい数量にのぼる。まさに「計画」の氾濫時代といった感がする。