この(ありがちなネタ)白雪姫パロは
サスケを白雪姫役とし、ナルト総受で進行します。
「そんなの嫌だわ、耐えられない」
と言う方は、読まないようにしましょうネ。
「いいじゃねーか、面白ェ」
というような男気あふれる素敵なダンディーは、さあ下へ↓
まずは役柄設定でも。
〜配役〜
白雪姫:うちはサスケ 小人たち:うずまきナルト
春野サクラ
油女シノ
犬塚キバ
日向ヒナタ
奈良シカマル
山中いの継母:はたけカカシ 鏡:イルカ 狩人:月光ハヤテ 王子:砂漠の我愛羅
「鏡さん、鏡さん、世界で一番かっこいいのって、誰だと思う〜?」今日も今日とて、この国の女(!?)王、はたけカカシの1日の日課が始まる。「・・・・・・はぁ・・・、それはカカシさん、貴方です」「ご〜かっくv」いつもどおりの鏡の答えに満足して。本日は、ふと思いついたほかの質問をしてみることに。「じゃあさ、うちの息子のサスケ姫ってさ、どうだと思う?」サスケ姫、というのは、12年前にこの王家にて生を授かった、王女のことである。(息子だとか云々の突っ込みは、この際聞かないことにします そうさせてください)カカシはサスケ誕生後、後妻として王家に入った身(そして王家をのっとった)なので、義理の母にあたる。生まれつきメラニン色素が多くないらしく、あまり日焼けをしない体質だったので、ついたあだ名は白雪姫。本人はもちろん嫌がるこのあだ名。性格の方は、そのしとやかそうな名前とは似ても似つかない、とは王家内の者だけが知る真実。「白雪姫は・・・今でも容姿端麗ですが、成長するにつれてますます美形に育つでしょう」ピクリ、とカカシの耳が反応する。「ねェ、それって・・・・・・この俺よりもってこと?」「え・・・?い、いや、それはどうだか・・・・・・」あせった様子の鏡を見て、直感で判断する。「そうなんだな!こうしちゃいられない・・・・・・」カカシはヒステリックになにかぶつぶつ呟きながら、鏡の間と称する部屋から、出て行った。「・・・・・・・・・・・・・・・はぁ、これだからナルシストは・・・・・・」鏡は、カカシが出て行ったのを確認してからため息をついた。
「というわけでさ、サスケを暗殺しちゃって欲しいんだよね。出来るデショ?ハヤテなら」ハヤテ、と呼ばれた男は、この王家専属の暗殺屋、月光ハヤテ。「・・・・・・は?」真昼間から呼ばれ、一体何の依頼を受けるのかと思っていたら。頼まれた依頼は、あまりにも意外なものだった。「それは可能ですが・・・・・・一体何故姫を暗殺するのですか?ごほっ」「ん〜それは・・・内緒v狩人は狩人らしく、おとなしく言うとおり動いてくれればいいんだからさ」「狩人じゃなくて暗殺屋なんですけどね・・・ごほごほ」「ま、どっちでもいいから。さっさといってらっしゃ〜い」カカシは軽くハヤテをあしらって、早く行くよう急かした。(まぁ、命令とあれば仕方ないですね・・・・・・。白雪姫さんに個人的に恨みは無いんですが・・・・・・)淡々とそう思いながら、命令を遂行するべく王室を出て行ったハヤテの思考は、思慮深いながらも冷酷。病死を待ちわびていそうなまでの病人顔だが、やはり暗殺屋。かくして、白雪姫暗殺計画は実行されることに・・・・・・。
「はっ、暗殺だと・・・・・・?」その王室の隣部屋で、こっそりとその話を聞いていたのは、他でもない白雪姫本人。「おもしれェ計画立ててやがるじゃねーか。俺がそんなに簡単に殺られるかっての」姫、この部屋にて、先ほど立てられていた秘密の計画とやらを完全に盗み聞きしていたようである。あんな堂々とした部屋で暗殺計画を立てるほうも立てるほうだが。何はともあれ、全てを聞いていた白雪姫、簡単に殺られる気はさらさらなさそうである。(当然)「いや、しかし・・・・・・待てよ?」そこへきて、ピンと脳裏に浮かび上がる考え。「このクソかったるい王家を出るいいチャンスじゃねぇか・・・・・・」昔からこの、王族と言う身分に不満を抱いていた白雪姫。(理由はウザイから)好機とばかりに、脱走計画を練るのだった。
こんこん、と。白雪姫ことサスケの寝室のドアが、礼儀正しくノックされる。(来たな)「白雪姫さん・・・ごほっ、ちょっと、こほっ、猟を手伝ってほしいのですが・・・・・・」自分を連れ出すための口実、とは知っているが・・・・・・。王家の身である自分を猟の手伝いに借り出すとは、不自然な設定も甚だしい。そんな演技で自分が騙せると思っているのか、バカにしているのか、と。腹立たしくもあったが、そこは自分の目的を叶えるため。「猟か・・・ふん、まぁ暇つぶしにはなるかもな」普段の自分をつぶさず、自然に出て行くことに成功したサスケ姫だった。
「さて・・・、この辺でいいですかね・・・?」連れて行かれた先は、なるほど人っ子一人いないような森の手前。人を暗殺するのにはもってこい。「で、何を狩るんだ?」サスケ姫、いまだ騙されたフリ。だが、今のはどう考えても姫の発するべきセリフではないだろう、と誰が突っ込んでくれるだろうか。「実は、貴方を狩るんですね、ごほ・・・・・・ある人に貴方を暗殺して欲しいと頼まれまして・・・」淡々とそう告げて、刀を取り出す月光ハヤテ。「・・・・・・殺すのか?俺を・・・」「命令ですから仕方ありません、諦めてください・・・ごほっ」「そう簡単にやられるか」鼻で笑うサスケ姫。姫の笑い方ではありません。「まぁ聞け。俺はこの国を出る・・・・・・この国に帰ってくるつもりはない。アンタはこのまま城へでも帰って、俺を殺したと言えばいい」御互いに楽な方法だと思うんだが、と。どこでそんなやり方を覚えたのやら、すっかり気分は悪役同士の駆け引き。しかし敵も手強く。というか、暗殺屋がそんなに簡単に話しに乗ると思えば大間違い。「ごほっ、・・・まぁ悪ぃ話ではありませんが、貴方が城へ帰ってこないという証拠がありますか?」「・・・・・・ちっ、じゃあこれを渡せば、文句はないだろう」そう言ってサスケ姫が差し出したものは。国の城門を通るときの、通行手形となる印。この解放猟区は王国の外にあたるので、これが無ければいかに姫といえども国には入れない。「これが証拠ですか・・・分かりました」ハヤテ、印を受け取ると自分のポケットにしまう。交渉成立。ついにサスケ姫、自由を手に入れた。(やったぜ、これであのウザイ国から離れて自由の身となれる・・・・・・これが開放感って奴か・・・)拳握り締め、開放感に浸る。「しかし困りましたねェ・・・・・・」「?何がだ?」「殺した証拠に、貴方の心臓を持って帰って来いと言われているんですね・・・ごほっ」「そんなもの、そこら辺に要る野生動物の心臓でも出しとけばいいだろう」なるほど、とハヤテは頷いたりなんかしたが。御伽話じゃあるまいし(黙れ)、動物の心臓なんかで人が騙せるだろうか。そしてソレよりも。自分の心臓の代わりにどこぞの訳のわからない動物の心臓が持ち帰られる、それってどうですか、サスケ姫さん。ともあれ、そんなこんなで白雪姫は、未来の自由への期間無期限切符を手に入れたのだった。
もと来た道を戻っても、国が控えているだけなので。がさがさと、踏み入れたこともない森の中へと侵入していくサスケ姫。本人に言わせれば、『もう俺は王家(どころか国)をでたのだから、姫なんかじゃねェ。“うちはサスケ”だ』とまぁ、意味不明かつ屁理屈のような理屈をならべる始末。まぁそれもこれも自由を手に入れた、という実感から来る浮かれだと思えば。客観的に見ていて、愉快なものでなくもない。その“浮かれ”のおかげで、入ったこともない森の中も、決して不快ではなく。(むしろワイルドでかっこいいじゃねェか・・・・・・これが男の姿だろ)なんて、悦に浸るサスケ元姫も、また客観的に見ていて面白い。しかしながら、さすがにいきなり野宿なんてする気にはなれず。とりあえず、仮宿とでもなるような適当な建物でも探してみることに。最悪の場合夜中までかかっても探すことを覚悟していたサスケだったが。意外と目的のものは早々に見つかった。今まで嫌味なほど広い城に住んでいたサスケからは想像もつかないような、小さな小屋。「・・・・・・犬小屋か?」近くに人家が無いのに犬小屋なわけが無かろう、目を覚ませ元白雪姫。ともあれ、ちょうど良い軒下が見つかったのは好都合とばかりに、サスケはその中へ入っていった。元王家の人間の法律に『不法侵入』という犯罪は無い。
早速お邪魔したその家の中に、人の気配は無い。しかし、綺麗に洗われた食器や、埃をかぶっていないベッドなど、人が住んでいる生活臭は漂っている。・・・・・・ベッド?王室のものと比べればもちろん小さいが(比べるな)、普通に人間が寝れる大きさのベッドが7つそこに。「普通こういう時は、小人じゃないのか?」不法侵入している風情でそんな偏見に満ちたことが言える義理ですか。「ふん、まぁいい・・・・・・しばらくココで寝かしてもらうとするか」そんな自分勝手なことを言ったかと思うと、サスケは言ったとおりその1つに横たわって、寝始めた。王家のみではないと自分で宣言しておきながら、この身勝手さ。生まれたときから身に付いた王家観念は消えないものなのか。
サスケがレム睡眠とノンレム睡眠を漂い始めた頃。楽しそうに(?)話しながら、例の小屋に向かってくる影が7つ。「今日の食事当番って誰だっけー?」「あ、はいはーい、俺だってばよ!」「ナルトだけ?もう1人は誰よ?」「・・・・・・俺だ・・・」「シノとナルトか・・・」「なんか文句あんのかよ、シカマルっ」「ねぇよ」「お前ら、赤丸の飯も忘れんなよな、前みてーに」「あれは俺じゃないだろう・・・」「そうよー、前赤丸の餌忘れたのはー」「俺とナルト、だろ?・・・ちっ、めんどくせー」「今日はシノがいるから忘れないってばよ!」「あんたが忘れないようにすればいいんでしょうが、ナルト」なんとも所帯じみた・・・・・・もとい生活感あふれる会話。微笑ましさを感じる。
一行、何も知らずにぞろぞろとサスケの潜む(?)我が家へと向かう・・・・・・。
続く