2.道路について

 NZには高速道路がない。正確に言えばほとんど無い。かろうじて人口約100万人のNZ第1大都会オークランドに自動車専用道路が少しあるぐらいである。

 首都ウェリントンは人口約35万人であり、オークランドから推定して自動車専用道路はまずないと思う。クライストチャーチは約34万人で、勿論ない。

 一般の道路は、二車線で片側3〜3.5mの幅であり、日本の一般の二車線とほとんど変わらない。ただし、両側に2mぐらいのショルダーがある。

 制限速度は100km/hであるらしい。“らしい”というのは、道路には、その表示が見当たらないのである。

 南島の最大の街クライストチャーチでレンタカーを借り走ってみた。郊外で通常、時速110ぐらいで走ってみたが特にストレスは感じなかった。他の車も同じ位のスピードで走っているから特に速く走ったとは思えない。

 二車線であっても対向車がない、道路はまっすぐで信号がない。とにかくない。クライストチャーチの街には信号があるが、いったん街から出ると何時間走っても信号はない。

  クライストチャーチから約180kmほど北西にカイコウラという町がある。この町は、海岸線にあり海岸の岩場には数十頭のオットセイが生息しているところ(コロニーという)で有名である。
 
すぐそばにニュージランドの最主要道路である1号線が通っている。

 NZ土地の形や起伏に逆らわずに道路を作っているようだ。

すなわち山に(といっても平原から少し盛り上がっている程度のものだが)トンネルを掘るということはほとんどしないし、山を削って切り通しにして走りやすくすることもあまり力を入れていないようだ。

 従って、車は、自然の起伏にしたがって回りながら登っていくことになり最重要道路であっても、サードギヤ、セカンドギヤに落としてエンジンの回転をあげて走ることになる。

 また、橋は道路より狭く作ってあり一車線の橋が多い。従って、橋には優先順位が定めてあり、優先方向の車が橋を渡っているときは待たなければならない。

 橋を一車線にすることにより架設費用が二車線の1/3ぐらいでできるらしい。  日本では考えられない発想だが人の少ないNZではグッドアイデアーだ。

 何しろ人口が少ないから車も少ない。だから少ない車のために道路にあまりお金をかけられないのだ。
 
 感心したのは先の見えないカーブでは進入速度の指示(最高で85km/hなどと表示)が出ていることである。それもかなりリーゾナブルな速度表示になっている。

 この表示はまことに便利。最初の間は、85kmの速度でで先の見
えないカーブに突っ込んでいくのは『ほんとかいな』と躊躇したが、
慣れればプラス10か15ほどプラスして突っ込んでもOK。へんに
速度を緩めることがないのでスムーズに走ることができる。

 日本の自動車速度制限について文句を言うわけでもないが、
高速道路を除いて、すべての道路の最高速度が60km/hとか
たくなに決めているのは、どうしてだろう。

例えば大阪から名古屋に通じる西名阪自動車道がある。

 これは近畿自動車道の松原ジャンクションから始まり天理までつながり、そこからは、国道25号線(名阪国道)になる。

 25号線は三重県亀山市で再び東名阪自動車道につながっている。この間の25号線は、西名阪自動車道とほぼ同じ高速道路仕様で造られているが、なぜか最高速度60km/hである。

 国道25号線には高速道路でないから最高速度は60ですよ。と表示されている。・・・・・が誰も守る人はいない。 みんなが100で走っている。

速度取締りをやれば大もうけが出来ると思うが警察もいかにも建て前だけの表示が恥ずかしいのか
見てみぬ振りをしている。

 新しく、素晴らしい4車線の道路ができ、見とおし抜群の道路でも最高速度60である。60と決めたのは30年前の砂利道の最高速度でないのか!!

 愚痴はさておき、話はニュージランドに戻る。

 郊外を走るとねずみみたいな動物の轢死体が本当に多い。

 どーも、オポッサムというやつらしい。オポッサムは、土産店で毛皮として24ドルぐらいで売られている。多いところでは1kmに一匹ぐらいはひかれて死んでいる。

 家がほとんどないから犬や猫の轢死体は見られない。また、あれほど多く居るに関わらずひかれた羊は一度も見なかった。いかに柵がきちんと作られ、かつメンテされているかがわかる。

 一度、道の真中で新鮮なオポッサムの轢死体が転がっており、それに鷹らしい鳥が食らいついた。こちらは、100以上で走っていたので急ハンドルを切るには危険と思い、そのまま、すぐ横側(50cmぐらいだろうか)を走り抜けたが、その鳥が逃げずにいたのには驚かされた。自分の死よりも食欲の方が大切らしい。

 話は変わるが街中の交叉点のお話。

 オークランドほどの大都会(人口約百万人)はべつとして、街中の十字路は、ほとんどの場合、信号機を付けずロータリ方式にしている。

 ロータリでは直進する車でも半周することになるので、すべての車は一旦、減速せざるを得ない。

 
また、自分の右側に見える車に優先権がある。 その代わり、左に見える車に対しては、『待て待て俺が先や』ということで自分が優先通行できる。この方式は、あまり車が多くない交叉点では極めて合理的である。

日本では、交通量にかまわず信号機をつけるから田舎の道などで車が来てなくても信号だけは付いているから「赤」なら止まらなければならない。

 『何でこんなところに信号をつけるんや』と毒ずく経験を持つのは私だけでないと思う。

しかし、ロータリー方式は土地が若干多くいるので日本では向かないか?
と思っていたらなんと守山に15年後のきょねん(2015)に二か所設置された。