◆2005.12.24 東京ドームLive◆
『哀婉の詩と聖夜の涙』参戦記【その1】


 昨年、Liveに行ったのは5月だったから、Gacktさんに会うのは1年半ぶりになる。本当に待ちくたびれたね。ついつい途中で『あぶない刑事』に浮気したりしちゃったよ。まぁ、順番的にはGacktさんにはまった方が後だから、“浮気”というより“元カレ”だけど。チケットだけは春に確保したものの、12月なんてまだまだ先で、その間に何が起こるか、本当にドームまで行けるのか、とても不安だった。何しろ家には御歳90を過ぎた(もう何歳なんだかよくわかんなくなってきた)夫の祖母がいるし、私の90歳の祖母もたびたび血圧が高くて入院している。そして昨年難病を発病した私の父。もちろん特に病気持ちじゃなくても、たまたま誰かが熱でも出したらもうおじゃんなんだ。

ドームの看板  だからまずは、ちゃんと行けたことに感謝。誰も具合を悪くすることなく、私をちゃんと送り出してくれた神様仏様サンタクロース様。また、雪で1時間遅れながらもちゃんと走ってくれた東海道新幹線。35本というかつてないツアー本数をこなしながら、無事ドームに“帰ってきてくれた”Gacktさんはじめメンバーのみんな。そして。クリスマス・イブという家族にとって大切なイベント日に東京まで付き合ってくれた夫と息子

 本当にありがとう。心から感謝しています。

 2005年12月24日。滋賀県北部は朝から雪でした。吹雪です。米原駅に30分遅れで到着した新幹線は、名古屋に着く頃にはさらに遅れて定刻をおよそ50分も過ぎていた。名古屋で待っていた皆さん、お疲れ様でございます。ええ、もちろん名古屋からも参戦なさってましたよ。一目でそれとわかるゴシック・ロリータなお嬢様方が。いや〜、ほんとにね。なんでわかるんだろうね(笑)。水道橋駅に着いたら「あ、あの人もだ」「こっちの人も」ってぐらいいたし、当然東京ドームホテルのロビーはそれらしい人でごった返していたし。みんな気合い入ってるよね。私の茶髪すら許し難く思っているうちの夫は「おかしいんちゃうか」と失礼なことを言ってましたが。わかってないんだなぁ、ライブはお祭りだってことが。

 私は今回家族連れということと、何より雪国からの出発ということでお洒落より防寒を優先せざるを得ず。焦げ茶色のニットのワンピースに白のファー付きロングコート、マフラーに手袋、足はしっかりタイツでショートブーツという、あまり面白くない格好でございました。もちろんライブの最中はコートも手袋もマフラーも脱いでたけど、それでもやっぱり暑くて、こーゆー時のために袖なしニットというものはあるんだな、と他の人を見ながら思ったりしてました。来年こそはコスプレで行こうね、Aちゃん!(って、来年ライブあるかなぁ。微妙だよね)

 「当日クリスマスプレゼント有り」ということで、入場の際にサンタGacktのファスナーマスコットをGet! そして最後のスペシャルアンコールの際に振ってください、とケミカルライトも渡される。子どもは興味津々、「振りたい!」「じゃ最後まで見てなきゃダメだよ」「最後ってどれくらい? 何時?」「うーん、8時には終わるかなぁ。たぶん曲は『12月のLove Song』だよ」「聞きた〜い!」

 で。私、アリーナ席だったんですが。会場に入ったら思いがけずステージのすぐ近く、前からほんの10列目ぐらいのところで。しかもほぼ中央。びっくりした。おととしの横浜アリーナじゃ立ち見だったのに、我ながら出世したな〜。ぐるっと後ろを振り返れば、1階スタンドはもちろんのこと、3階スタンドなんてあなた、ホントに豆粒同然、どれぐらい離れてるんだか見当もつかないぐらいはるか彼方で、「あそことここ、同じ値段なんだよなぁ」と思うとすごぉく申し訳ない気分に。でも3階だったら夫と息子は不満たらたらだったろうな。全体を見るにはアリーナよりもスタンドの方が良かったかもしれないけど、トークでGacktさん本人が言っていたとおり、「アリーナのそこ、その辺でもう普通のホールだったら最後列でしょ」っていう距離だもの。

 ただ。双眼鏡なしでも顔がしっかり見えるのは本当に嬉しかったものの。

 ステージが近いということはスピーカーも近いということで。それはそれはものすごい大音響でしたねぇ。子どもはもうびびって耳押さえてたし、夫は「もっと静かな曲はないのかぁ」と怒っていたし。静かな曲っていうか、とにかくベースとドラムの、リズムセクションの音がびんびん、まるでダンプカーが走っているかのように、地鳴りをともなって鳴り響くので、CDで聞けばそれほど激しいと思えない曲でも、どっかんどっかん胸に来るのよね。そう、音って胸に来るのよ! 自分の肋骨に響くの! ああ、音って空気を震わせてるんだ、エネルギーなんだってことを実感する。物理的圧迫感を感じましたからね。リズムセクションが激しくても歌声はクリアに聞こえるし、盛りあがって一緒に歌い踊ってしまえばもうそれほど気にはならないんだけど、夫はGacktさんの歌全然知らないし。ははは。やっぱホテルでお留守番してる方が良かったか。子どもはシングル曲はけっこう知っててサビを歌えたりもするのだけど、さすがに音がすごいのと、最初のフィルム映像が怖かったのとでびびってしまって……。

 うん、ちょっと、怖かったね。開演5時がいつもの通り30分遅れて5時半に始まったんだけど。まずはスクリーンに映し出される映像。ステージ中央に巨大な幕が張られていたのと、それから左右にもテレビスクリーン。常々、「テレビは使わない」「だから大きすぎる会場ではやらない」と言っていたGacktさんだけど、さすがに今回はテレビ、ありました。じゃないととても見えないよね、スタンド席。もちろんライブの醍醐味というのは「顔が見える」ことではないけど、「あの蟻の中のどれがGacktさんだ?」って状態だったろうから。

 ツアーパンフでも紹介されている『DIABOLOS』のコンセプト・ストーリーがまず本人+メンバー総出演のフィルム映像で流されて。中世の戦争、といった感じのシーン。多少スプラッタもあって。コスプレで剣を携えたGacktさんたちはとってもかっこよかったんだけど、子どもには刺激が強すぎました。ごめんよ、息子。去年のツアーだったらお笑いフィルムだったのにね。

 広い会場、宙空にワイヤも張られているし、ひょっとしてGakctさんは意外な場所から登場するのでは、という期待がみんなの間を伝染し、なんか妙などよめきがあちこちで起こり、そのたびにきょろきょろ。え? 何? 何なの、どこ? でも結局ボンっ!という爆発(花火? なんていうの、あれ。これもすぐそこだったので、かなりの衝撃が来た)とともに現れたのはステージの上。まさに幕(スクリーン)が切って落とされ、曲が流れ出す。『Dybbuk』!

 わ〜、Youさん達の生ラップだぁ。アルバム『Crescent』が異常に好きな私としては、このオープニングはすごく嬉しかった。……が。その後の曲目が……思い出せな〜いっ!!! 最初は『Dybbuk』だよね。うん、最初が『Dybbuk』で、えーっと?? そんなに記憶力が衰えてるんでしょうか。家族の反応が気になって集中力が欠けていたんでしょうか。それとも逆に“一瞬一瞬”に集中しすぎて、次の曲になったとたん前の曲が霧の彼方に消えていくんでしょうか。去年もそうだったよね。もう4〜5曲目ぐらいで覚えていられなくなっちゃって。うーん、やっぱ“一曲入魂”だからなのかなぁ。確かに家族は気になってたけど、もちろん最初から立って踊ってたしな。絶対夫は「あんなに盛りあがってたくせに、こっちを気にしてただとぉ?」って言うに違いないし。

 そもそも、「曲名を覚える」も何も、とっさに曲名が出てこない……。やっぱボケ!? ちゃんと一緒に歌ってるくせに、肝心のタイトルが出てこない時があるのよ。初めてライブに行った時はまだ3枚しかアルバムを聴いてなかったけど、もう8枚も出ているので曲の検索に時間がかかるっていうんですか。何だっけ、何だっけ、これ『Crescent』の……あ〜、思い出せな〜い!! 最後まで思い出せなかった曲が1曲。次の日になってやっと、「そうだ、『なんとかBlood』だ!」ってとこまではたどり着いたんだけど。

 さて2曲目は何だったんでしょうね。『White Eyes』だったんじゃないかと思うんだけど、自信ないです。パソコンで「こうだったんじゃないかなぁ」という順番に曲を並べて聴いてみてますが……うーん。順番はなぁ。最初、数曲は激しい曲が続いて、予想よりずっと早く『Dispar』が出て来て、その次が新曲『REDEMPTION』だったような。割と歌いやすそうな感じの曲でしたね。「リぃダぁンプショ〜ン♪」っていうサビのところは覚えられました。そうそう、マイクは竜だった! 竜の形。すごい凝ってた。

ドームのイルミネーション  そして生ピアノでの『Misty』。これも感激だったぁ。ライブの楽しみは色々あるけど、Gacktさんの生ピアノを聴くのも最高の楽しみの一つなのよね。ああ、なんていい曲なんでしょう。私の現在の着メロはこの『Misty』なので、息子すかさず「あ、ママのケータイ!」。そして夫「やっと知ってる曲が出た(←もちろん知ってたのはこれだけだった)」。

 そして『Metamorphose』に『Ash』『Farewell』……。まぁ曲順はともかく、アルバム『DIABOLOS』の曲はすべて演奏されました。『Farewell』の振りは、両腕をバタバタさせて「翼を広げる」でした(*^_^*) なんかお茶目に見えたGacktさん。聞き込むほど好きになってくる曲です。

 「This is Angel's Dream…なんちゃらかんちゃら」という英語の、けっこう長いアナウンスが流れた後、ステージの奥からゆっくりと棺が現れ、棺の中から衣裳を替えたGacktさんが登場。『Noesis』を熱唱(……って、全然違う曲だったりしてな……)。Gacktさんの歌、表情、全身での表現はもちろん、サビの部分のリズムセクションの響きはすごかったですね。大迫力。『Noesis』ってこんなにハードだったんだ、と思った。当たり前かもしれないけど、CDと生演奏では曲の雰囲気にも違いが出るなぁと。えーっと、それからステージの上に月が映し出されていたのは『Future』だったのかな。『なんとかBlood』としか思い出せなかった曲は『Lust for blood』。これも良かったけど、欲を言えば『mind forest』も聴きたかったなぁ。

【その2】へ続く

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