◆2005.12.24 東京ドームLive◆
『哀婉の詩と聖夜の涙』参戦記【その2】


 で。再びフィルム映像。やっぱり戦争シーンで、みんな殺されちゃうスプラッタなお話だったので、息子、目をつぶって耳も塞いでたんですが。途中で、ハッとGacktさんがベッドの上に起き上がり、「今までの映像は夢だった。夢の中で過去を思い出していた」という話になり、Gacktさんが鏡の前に立つと、鏡の中に「俺たちはいつもお前のそばにいる」と、死んでいった仲間(メンバーが扮してます)の姿が次々に現れ、感動的なシーンになるかと思いきや! なぜかアフロヘアで「Togather!」な茶々さん。えっ!?と思ったらまたハッとGacktさんがベッドで目覚め。な〜んだ、今のも夢だったのか。

 気を取り直してもう一度鏡の前に立つと今度は……チャカチャカチャンチャンチャンチャンチャ〜ン♪ 中華な音楽とともにチャイナドレスで女装したメンバーの姿が! ひょえ〜、っと思ったらまたハッと(笑)。「きっと次はGacktさんも変な格好になるで」と息子に言ったら案の定、次はGacktさん自身がぬいぐるみダンサーに。犬の着ぐるみで「わん!」 息子、大いに受けてました。で、またハッとなったら今度は楽屋で。「変な夢でも見てたんだろ」とメンバーにからかわれるGacktさん。そこへスタンバイの声がかかり、楽屋を出てステージへ向かうみんなの映像。スクリーンが飛んで、音楽が始まる!

 ここの曲は『Black Stone』だったと思うけれど……。1曲で引っ込んだのかな? 恒例の『Mirror』による客席との応酬。「ジャジャンジャジャンジャジャジャン♪」「(ファン)Gackt〜っ!」「(Gacktさん)聞〜こ〜え〜ま〜せ〜ん」 一度でもライブに行ったことのある方ならお馴染みだと思いますが、これを延々繰り返すのがまた、楽しいんですよね(^o^) 帰ってきてからも子どもと応用して遊んでますが。ファイナルということで、Gacktさんもめちゃめちゃ気合い入ってましたね。いつもよりきわどい単語も飛び出して、ちょっと子連れとしては汗かいたりしました(^^;) でもホント、Gacktさん大丈夫? 血管切れない?って心配になっちゃった。倒れたらどうしようって。全国を巡る35本のツアー。最後の大阪からは2週間あったけど、別にその間もオフじゃなかったろうし、そもそも『Mirror』に至るまでの1時間半歌い踊るだけで、かなり体力を消耗してると思うんだ。客として一緒に歌い踊ってるだけでも声は嗄れるし、足腰には来るし(←あんた体力なさすぎ!)。Gacktさんのことだから、きっとどんなに疲れててもステージの上では意地でも立ってると思うんだよね。でもだからこそ、よけいに心配になってしまう。「精神が肉体を凌駕する」を繰り返したら、肉体はボロボロになっちゃうよ。最高のステージを創るためなら、ファンのためなら、どんな無理でもこなしてしまうに違いないから。きっと、ライブ終わった瞬間にまた人事不省になってたんじゃないかなぁ。うう、心配。

 と。話が少しずれてしまいましたが。Gacktさんのトークと、ケミカルライトを振るのを楽しみにしていた息子、『Mirror』が終わったところでgive up。時計を見たら7時だったので、大音響の中1時間半も付き合ってくれたことに。お疲れ様でした。Gacktさん、メンバー、スタッフ、そしてファンの皆さん、中座してごめんなさい。

 息子が退出したとたん、トークでした。ははは。そんなもんですね。まずは恒例のvolvic投げ。さすがにドームなので、スタンドまでは届かず。結局誰もいない所に落ちちゃったりもして、苦笑いなさってましたね、Gacktさん。4本ぐらい投げて、トーク。ここ、長かった! トークが長いというより、イベントが長かった。せっかくのクリスマス・イブだからみんなに何かプレゼントしたい、というGacktさんの思いついたイベント。12月24日にちなんだ番号のファンをステージに上げる! さすがに4万5千人もいると、条件に合う人がいるものなんだけど、何しろスタンドからステージまで出てくるのは大変。距離が半端じゃない。5人のファンがステージに上がるまで、30分ぐらいかかったかも。1番目の人はアリーナの、私のすぐ近くの人だったので早かったんだけど、「その人をステージに上げて」、とGacktさんが英語でボディガードの方(ファンの方はご存知でしょうが、外国の方)に指示を出してたのが、なんか妙にかっこよかったです。自分が語学さっぱりなんで、ごく自然に英語で指示されてるGacktさんを目の当たりにして、すごいなと……。

 で、その5人のうち、じゃんけんで勝った1人(女の子)にメンバーとGacktさんからそれはそれは太っ腹なプレゼントが贈られて。いやぁ、あれはホントにね、すごかった。最初は「おおっ!」とか「わ〜っ!」って騒いでた客席も、だんだん無口になっちゃって(笑)。いくら何でもそれはやりすぎじゃないの、って、ちらほら不満の声も聞こえてきました。もう羨ましいを通り越して怖かったもん。あの子はここで一生分の運を使い果たして帰りに事故って死ぬんじゃないかと思うほど。ファンに何かしてあげたい、っていうGacktさんの優しさは痛いほどわかるのだけど、残りの4万4999人にとっては自分の寛容さを試される試練の時間でもありましたね。結局40〜50分かかっちゃったと思うし、もっと普通にGacktさんのトークを聞きたかったなっていう気もしたし。あ、でもGacktさんが「最初はグー」ってじゃんけんする姿はなかなか見れないよね。やっぱり「最初はグー」なんだって思っちゃった。

 長〜いトークタイムが終わると、メンバーの紹介。みんな大好きだけど、今回私はJu-kenさんがすごく気になった! ステージ向かって左側の客席で、Ju-kenさんがよく近づいてきてくれたせいもあるけど、なんかとっても盛り上げ上手というか、見てて飽きないというか(笑)、とてもHappyな感じがして。気持ちを乗せてもらいました。

 そしてこれもお約束の猫ダンサー達と一緒に『U+K』。何度見ても可愛い。で、「東京ドームも行っときますか!」と恒例のウエーブ。さすがに4万5千人のウエーブは、長かった! 時間かかった。その後『Storm』だったのかな。これ、今とても気に入ってる曲。気がつけば頭の中に流れている。

ライブの記憶 「もしもぼくが消えてしまっても、ぼくはいつも君のそばにいるから」……そう言って、『Road』。これ、CDでは「1曲だけ明るくて浮いてる」だったけど、ライブでは全然そんなことなくて、むしろなんかじーんと来た。いつもGacktさんが言っていること、Gacktさんが私たちに伝えようとしてくれること。私たちはみんな、いつこの世から消えてなくなるかわからない。もう二度と、こうして同じ時間を過ごすことはないかもしれない。でも、私たちは出逢えたから。その奇跡を胸に、この先歩いていけるんだって。

 ものすごく、心にしみた。

 一旦、みんなステージから引っ込んで。気の早い人たちが、さっさとケミカルライトを出してしまって、係員さん達が「まだですよ、しまってください!」と声をかけて回る一幕も。ちらほら青い光が残る中、また衣装を替えたGacktさん達が登場し、『届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…』。歌い終わると、みんな剣をかざして、フィルム映像の中の1シーンのようにポーズを決め、暗転。は〜、かっこいい。

 そしてここでお待ちかね、スクリーンに「ケミカルライトを出して振ってください!」という指示が。あれって不思議な代物だね。私、初めて使ったけど、ポキッとちゃんと折れた音というか感触がするのに実際は折れてなくて、でもそのことによって中の液体が混ざって(?)ぼうと青く光を放つ。次の日家に帰ってからも暗闇で見るとまだぼんやりと青かった。自分のライトを用意してふとスタンドを振り返ると、無数の青い光! 圧巻でしたね、さすがに。4万4998本もの青い光(…マイナス2本は夫と息子の分です。すいません。記念に取ってあります)に埋めつくされた空間。誰からともなく歌い始める「聖しこの夜」。

 鐘の音が、『12月のLove Song』のイントロになり、白いコート姿のGacktさんが宙空から現れる。しばらく宙吊りのまま歌って、ステージ中央に張り出した舞台に着地。気がつけばステージにはオーケストラがせり上がっていて、セットの電飾は雪をモチーフにしたそれはそれは美しいものに。思わず「うわ〜」と声なき声を上げてしまいました。この1曲のためだけにオーケストラが出てくるのもすごいし、自分がそれを生で見ているのもなんか嘘みたいで。

 私、Gacktさんにはまってすぐ、2002年のライブ『下弦の月〜聖夜の調べ〜』のDVDを買ったんだけど、あれもクリスマス・イブの『12月のLove Song』が収められてるのね。ああ、そういえばあの時もオーケストラが出てきてたな、って思ったし、何より私はあのDVDに映ってる、すごくいい顔をしたファンのみんなを見て、「私もあの場に混じりたい!」って思って衝動的に2003年の横浜アリーナのチケットを取ってしまったから。だから自分が今、本当にその場にいるんだってことがなんだかとても不思議で、信じがたかった。初めてライブを経験した時も、去年のライブの時も、もちろん「その場にいる」感動は味わったんだけど、何かあのオーケストラと電飾の光景は強烈だった。Gacktさん本人の姿以上に「非現実的」な感じで。

 最後の曲は、『Love Letter』。これがまた、すごくじーんと来た。CDでも十分グッと来る曲だけど、生はね、もうホントにものすごいあったかい気持ちになっちゃう。ああ、私が今この場にいられるのは夫と息子のおかげなんだ、ってしみじみ思えちゃって。正直、「せっかく来たんだからもうちょっとノリなさいよ!」とか、「そばにいられるとはじけらんないなぁ」とか、色々思わないこともなかったんだ。でも『Love Letter』を聞いた時には素直に思えた。ありがとうって。

 歌の力ってすごい。

 かなり高い位置までセリのように上がっていた張り出し舞台の床が下がり、ボンっと火花が上がったと思うと一瞬にしてGacktさんの姿はかき消えていた。「えっ?終わり?」という戸惑いの声。スクリーンにクレジットが流れ始め、終演を告げるアナウンスが流れる。4万5千人の客を無事に吐き出すために「何ブロックの何列目の方〜」と指定されての規制退場。ステージのすぐ近くだったんで、退場、ほとんど最後でした。でも時計を見たら思ったより時間かかってなかった。終演のアナウンスが8時40分くらい。急いでホテルに戻って9時10分。

 「夕飯まだ食べてない」と、私の戻るのを待っていてくれた夫と息子のために慌ただしく食事をしなければいけなかったこともあって、終わってすぐは余韻を楽しむ暇もなく、それになんだかまさしく夢のように、「目醒めたとたん思い出せなくなる」感じだった。不思議に実感がないというのかな。コーラスの発表とか、ダンスの発表とかで記憶が飛ぶのと似てる。練習して練習して、いざ本番を終えると、その本番の最中のことを思い出せない。「あれ?終わったの?あたし、ちゃんとできてた?」みたいな。

 家に帰ってきてから、こうしてゆっくりと少しずつ思い出して、じわじわと効いてくる感じがする。またとないクリスマス・イブを過ごしたんだなって。ねぇ、そうなんだよねぇ。2005年のイブの3時間半をGacktさんと一緒に過ごしたんだよ! やっぱり嘘みたい(笑)。

 ライブが終わって、夜中にふっと、「もし私が運良くステージに上げてもらってたらどうしたかな」って考えた。Gacktさんと1対1で挨拶できるだけでもすごいし、あんなに激レアな物いっぱいもらったら部屋に置いておくのも心配だし、大体ライブ自体がGacktさんからのかけがえのない贈り物なんだから、むしろ何かこっちから贈れるものがあったらいいのになって思って。……ひらめいた。「そうだ!イヤリングあげよう!」 たまたま自分で作った物をつけて行ってたから、Gacktさんと片方ずつ持ってるなんて最高じゃん!って思ったの。別にGacktさんは嬉しくないだろうけど(笑…って、贈り物になってへんやん)。まぁ、ちょっとした想像上の楽しみとして考えたことだったんだけど、帰りになんとそのイヤリング、片方なくしてしまったんだ。翌朝ホテルを出る時には確かにあったのに、帰りの新幹線に乗ってすぐ、ないことに気づいた。

 ああ、ホントにGacktさんにあげちゃった。

 もちろん勝手にイヤリングが飛んでいくわけもなく、どこかでひっそり踏んづけられてゴミになっているのだろうけど、ライブの記念に東京に置いてきたんだと思えばむしろ楽しい気がする。うん。このさききっと、何度も思い出すことになる特別なクリスマス・イブの、とっておきのよすが。

 いつも、Gacktさんのステージには力をもらう。Gacktさんの生き方そのものに、自分の生き方を考えさせられる。出逢いに感謝を。そして改めて、素晴らしい時間を授けてくれたGacktさん、メンバー、スタッフに、心から感謝を込めて。ありがとうございました。

すべては、奇跡なのだと思う。
誰かとめぐりあい、同じ時を過ごす。
その時、そこにいる。
今、ここにいる。
すべては、奇跡だ。


(写真はその「なくしたイヤリング」とネックレス、当日プレゼントのサンタGacktマスコット、そして最後の曲で舞い上げられた羽根です)

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