129. 自動車保険更改トラブルから
●二度にわたる自動車保険継続トラブル
これで二度目の自動車任意保険更改時のトラブルを経験した。
一度目はかなり昔のことだが、元いた会社の自動車保険の更改間近の連絡を事前に文書でもらっていた。しかし年末の多忙時期であり、店舗への応援などですっかりその手続きを忘れてしまい、いつの間にか保険が切れていた。
当時私の保険料はすでに無事故で50%割引に達していたものだから、改めて保険に入りなおそうとすると割引率ゼロからのスタートにならざるを得なかった。
もちろん更改手続きをしなかった私も悪いのだが、その間保険担当者からなんの連絡もなく、そのまま保険切れ状態に突入してしまったことに私は立腹して、当時の担当者に文句を言ったことがある。
元いた会社の運営する保険でなかったら即座に保険会社を変えていたことだったろう。
今回は昨年新規加入した息子の自動車保険がいつの間にか保険切れ状態になってしまっていることに気づいた。
保険更改の連絡文書すらもらったのかどうかも記憶がなかった。
あわてて保険会社に連絡をした。
保険担当者は非常に恐縮して、「おっしゃるとおりです。契約切れがなかったように何とか処理します」といってくれたので、今回は実質的な被害はなくて済みそうだ。
- 「保険更改文書を送っていただいているのか、はっきりしない。もし送っていただいていたとしても、保険切れになる寸前にでももういちど電話連絡などで最終確認するぐらいのことをしないと、事故が起きた時に恨まれるよ」
- 「それだけでなく、保険会社としてもみすみす一人の顧客を失うことになるではないか」
- 「自動車保険というものは、加入者と保険会社の継続的な信頼関係で成り立つビジネスだ。一度だけ文書で連絡しても後は顧客の連絡待ちで、何も連絡がなければ解約扱いというのは顧客中心主義とはいえないし、保険会社としても損なことではないか?」
●保険業界もようやく腰を上げ始めた?
保険会社の顧客というものは将来の顧客価値(Life Time Value)が非常にはっきりしている。今の顧客を守り続けることだけでも保険会社の利益に繋がることは明白だ。そしてそれが顧客の利益にもつながることが多い。
保険会社は生保、損保を問わず保険の継続という点にことさら注意をし、顧客とのコミュニケーションを取るなどのサービス体制を整備しておかねばならない。
保険更改連絡を一度したとしても、顧客が失念する場合もある。
保険金請求でも複雑な条件を顧客が十分理解しているとは限らない。
そのための繰り返し連絡や説明の体制を常時とることは顧客サービスとしても、自己の会社利益にとっても必要なことだ。
また保険金支払い該当ケースに該当しているのに、保険契約の複雑さゆえに保険金支払いを行っていないケースが多々発生していたというこの業界。まるで社会保険庁のようだ。
日本生命が1000万人以上の全契約者に対し、保険金不払い防止や保険契約内容の再確認などのために面談を1年かけて実施するという。当然の話であり、ようやく一歩前進の体制をとり始めたにすぎない。
この業界の顧客中心主義はまだまだこれからのようだ。