あるところに 電車の国がありました。この国では それぞれの役割が決まっていました。
例えば パパは みんなの役に立つ仕事をしたり 家族を守り 子供たちには 進むべき道を教えるのが パパの主な役割とされていました。
そしてママは パパが元気に働けるように・・・ また子供たちが 元気に育つように 体や 心のケア−をするのが ママの主な役割とされていました。
パパたちは 子供たちの前を かっこよく走ります。子供たちは それに続き 元気に走ります。
怒られている子,誉められている子,それぞれの個性的な走り方で がんばっています。。
子供たちは パパを見習い立派な電車として 成長していました。
ママは 怪我をしたところの手当てをしたり 怒られて悲しんでいる子を励ましてり していました。
また おいしいご飯を いっぱい用意して みんなの帰りを心待ちにしていました。
そう ママの一番の楽しみは ご飯を食べながら パパや子供たちの 『今日の出来事』を聞くことなんです。
本当は これはママの大事な役割なんです。このときにパパや子供たちのメディカルチェックをするんですよ。さり気なく 楽しく そうしているうちに 本当に楽しみになってしまったんですね。
パパも子供たちも ママのメディカルチェックのお陰で 毎日元気に過す事が出来ていました。
しかし ある日 ママにこんな話を持ちかけた人がいました。
「家族のメディカルチェックをしてても お金にならないでしょ。それを仕事にしたら お小遣いもできるし 喜んでもらえるし 一石二鳥ですよ。」って・・・。
ママは 仕事に行くことに決めちゃいました。お家のことは今まで通りするからと 約束をして。。 家族以外の人との関わりは ママにとって 初めての体験で とっても楽しいものでした。
今まで家族に使っていた 優しさや心を 外で使いきってしまう日々が続きました。
パパや子供たちの話が聞けないくらい ママは疲れていましたが、仕事は楽しくてたまりません。
ある日 子供たちは ママに 言いました。
『私たちの話をきいて!』と・・・ でもママは 『忙しいから,後でね・・・』って・・・
その頃からかしら・・・・子供たちの元気がなくなり 笑顔も消えたのは・・・
忙しく働くママ、元気のない子供たち・・・・
ずーと様子を見守っていたパパが ある日、ママに言いました。
『ママが 好きで仕事をするのはいいと思うけどね 大切なものを忘れてはいませんか?
ママは お金をもらって 嬉しいかもしれないが、 家族はバラバラになりかけているんだよ。
家族はね ママの心がないと まとまらないんだよ。分かるかな。 ママは 今がしあわせかい』
ママは その言葉で 我に返ったんです。そして 気付いたんです。
自分の心の中に あったはずの家族の姿が 消えかかっていることに・・・
子供たちの顔からは 笑顔が 消えてしまっていることに・・・・
ママはまた 前のように ママ本来の役割を果たす事にしました。
いつも心にゆとりを持って ママにしか出来ない 家族のメディカルチェックを するようになりました。
ママは 自分の役割の大きさを 感じ、また ママであることに 責任感と誇りをもつ事ができ とても嬉しくなりました。
もちろん パパや子供たちも 大喜び。
ママの 優しさに包まれて 前より元気になったみたいです。


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