第34章 DIYでかやぶき大屋根のペンキ塗(塗装)完成 、DIY(自力)でスズメ蜂を駆除

DIYだけで大屋根にペンキ塗りをした。という話はめったに聞いたことがない。特に急傾斜(45度を超える)の屋根で、かつ足場を組まないで、となると、皆無だろう。今回あえてこれに挑戦し完了することができた。無事やり遂げるためには周到な準備はもちろんだが、なにより勇気が必要だ。やってみたいという酔狂な御人はまずいないとは思うが、もしいたとすれば、少しでも安全にやるため、経験を公開しておこう。実行は自己責任である。


このところペンキ屋がよく来る。我が家はかやぶき屋根にトタンを覆せた屋根で、いわゆる缶詰だ。塗装後8年、最近、とみにみすぼらしくなって、所々ペロンとめくれたところやサビもめだつ。見積もりをとると100万くらい。面積(150m2)からいって仕方ないのかもしれないが塗装の寿命が5年くらいらしいから、1年に20万以上だ。これは痛い。
ペンキ屋の説明では、塗装膜は5年くらいで、劣化、チョーキングがおこり、防錆効果を失うとされている。ところがこの屋根のペンキは過去、塗装2年目くらいでペロンと”めくれ”が発生したのだ。 チョーキングは仕方ないが、”ペロンめくれ”は施工ミスではないか。だから”ペロン”は保障して欲しい。とペンキ屋に迫ると、○×△*$・・・。そんな頼りないとこに誰が頼むものか
プロに頼んでもダメなら自分(DIY)でなんとかするしかあるまいと無謀にも生まれて初めて屋根の全塗装に挑戦。だが大難題が。

最大の問題

最大の難関は高所作業だ。高所の上傾斜がある。問題は角度だ。5度や10度なら、やる気になりさえすれば塗装くらい誰でもできる。しかし、この屋根は45度だ。この角度でつるつるの鉄板ときてるから、どんな靴底でも。立ち留まることすらできない。プロならすぐ足場を組むだろう。これは法にも規定されているらしい。足場さえあれば、誰だって、もちDIYだって楽勝だ。しかし足場組だって安くはない。だから、足場なし、DIYでやりたいのだ。

安全ベルト

安全確保としてまず浮かぶのは安全ベルトだ。以前ホームセンタで買ったものがある。しかしこれは足場丸太や親綱があらかじめ張ってある現場でつかうもので、なにもないこの屋根ではまったく役にたたない。

ロープの利用

結局、太めのロープ(メインロープ)を棟からぶらさげ親綱とし、摩擦を利用した確保具(下記ATCなど)で体重を支えるのがいいだろうと考え。ホームセンターでロープを買ってきた。10mmφx30mビニロンロープ、5000円だ(ATCやカラビナは通販)。 本当は登山ザイルを用意したいのだが、高価(25000円/50m)だ。勿体なくて。

これを買う前に、15年くらい前に買ったロープを使っていたが、劣化で毛羽立ち、ささくれで危うく切れるところだった。これはPPロープ。PPロープは使うものじゃない。とても劣化が早い(雨ざらし日ざらしなら1年もたない)。ナイロンやアクリル、ポリエチ、ならOK。いずれしても、使う前に必ず点検をしておきたい。

アップザイレンで塗装

屋根の傾斜角が45度といってもロープをたぐれば上ることも出来る。降りるのはロッククライミングでやったアップザイレン(懸垂下降)すればよいだろう。垂直の壁でも降りられるほどだから45度くらいへでもない。ロープだけでやるアップザイレンもあるが、いまひとつ自信がないので、ATCという懸垂下降にも使える金物とカラビナを買うこととした。

メインロープをどこにどのように固定するのがよいか?

親綱となるロープ(メインロープ)は、できるだけ高いところからおろさねばならない。最も高いところは棟(頂上)だ、しかしそこには固定できそうなものがまったくない。それではどうするか?  屋根の長さの2倍以上の長いロープを棟の上を通し、反対側のノキなどしっかりしたものむすびつけるのだ。しかし問題はどうやってロープを棟を越すかだ?登って?怖い怖い。それでは、と、カーボーイよろしくロープをグルグル回して、思い切り投げる。が何度やっても棟を超えない。だめだ。そこで1計。先ず、細いひも(メッセンジャーロープ)に適当なおもり(石など)をつけ、投げ、棟をこえさせ、地面に落ちたらメインロープを結びつけ、細ひもを引けばメインロープを引き上げることができるはずだ。投げ釣りの竿でやってみたところ1発で成功、無事メインロープを張ることができた。

このロープを頼りに”ATC”を使い、懸垂下降(当方登山経験アリ)しながらペンキを塗るのだ。だがやってみるといまいち。というのは、この懸垂下降というもの、ロープから一瞬たりとも完全に手を放してはならないからだ。もし一瞬たりとも離そうものならアッというまに墜落だ。つまり両手を離しての作業はできないからだ。どうしても両手をはなさなければならない場合は、仮固定すればいいのだがその操作中にも片時もロープから手を離すわけにはいかない。残りの手はローラや刷毛などの道具でふさがっているから自由になる手がなく。これはひどくやりにくい。つまり不安全なのだ。

足掛かり---はしごの利用

よく見ると、この屋根には雪止めと称する高さ7cm程度のトタン板で出来ている3角形の突起が約80cm間隔で取り付けられている。(生えている)。最初これを足掛りに上り下りしていたが、なにせ小さすぎるうえ間隔が広すぎ股がさけそうだ。もっとましな方法はないか?と、はしごを屋根にペタッと寝かせ、これに梯子の最上段のステップを引っ掛けてみた。これが意外といい。はしごのステップがあるだけでこんなに楽なのかと感動さえ覚えたくらいだ。ただ長いはしごをつかうと重すぎ、横移動がむつかしくなる。むしろ短い軽い梯子を複数使う方がいいようだ。

塗装道具ローラーハケを使う

吹きつけ塗装がもっともよいだろうが、DIYではコンプレッサがネックになる。その点ローラーなら手軽だし能率もわるくない。長い柄をつけると、移動することなく広い面積の塗装が可能だから最適だ。と取り掛かったが。どっこいそーうまくはいかない。塗るぶんにはいいが、問題はローラへの塗料の補給だ。ローラーに一度に保有できるペンキはごくわずか。再々塗料バットに浸け、ペンキを補充しなければならない。ところが塗料バットは水平でないとペンキがこぼれる。しかしここは屋根の上、どこにも水平なところがあるわけない。梯子をつたって水平な地面のバットのところまで降り、ペンキを補充しなければならない。これでは能率わるすぎ、不安全でもある。だから塗料バットはローラが届く範囲に置かねばならない。さらにペンキ缶や薄め液も水平に置かねばならない。結局、それらを載せられるテーブル(台)をつくり、突起に引っ掛けることとしたがひどく重くなり移動が大変。ほぼ失敗。

補助ロープを利用した確保

梯を利用するようになってから、常時体重がロープに掛からなくなったので、アップザイレンほど大袈裟な確保は必要なくなり、むしろ移動する場合片手で簡単に緩められるのが重要となった。そこで"ASENSION"なるものを買ってみた。が、失敗(9K\の損)すこし体重が掛かっただけで、ストッパーがロープに強く食い込むため、体重をかけたままでは解除できない、と使いにくい
もっとシンプルでいいものはないだろうか?と探していると”バッチマン結び”や”ブルージック結び”という見つかり早速試してみた。位置を変えるときは結び目を握って滑らせるだけで、簡単、体重がかかれば自動的にロックされる、一旦ロックしても、荷重をなくし、結び目を握れば、楽にスライドできる。これは実用的だ。しかもタダ。しかし、これとて条件によってはロックが完全でなかったり、ロックの開放がやりにくいなど注意点もあるが。いずれの確保を利用しても作業場所で実際に効くかどうか確かめておきたい。

塗装

足掛かりとロープでの安全確保ができれば。あとは難しいことはない。梯子をかけ、塗料バット、台をセット、ロープをたぐり、確保をずらしながら梯子をのぼる。作業場所に着けば、洗浄、ケレンがけ、ペンキ塗り、届くところがすべて塗り終われば、再び確保をずらしながら梯子を伝って次の場所へ移動。の繰り返し、届くところをすべて塗り終われば、梯子やバットを隣の列に移動。同様なことをを淡々と繰り返すだけである。

費用ほか

塗料使用量は塗装面積、約200m2弱で合計20リットル。費用は、ペンキ;2万円、ロープ;1.5万円(30mx3本)、梯子3(流用)、ローラ刷毛3本、ATC,カラビナ5千円、”ASENSION”8千円などである。(ATCや”ASENSION”は結局使わなかったので無駄となった)道具代を含んでもプロに頼む1/20以下で済んだのだ。

作業を通じて転倒や滑落はもちろん、バランスをくずすことさえなかったので、実際に命綱のお世話になったことは、1度もなかったが、これなしの作業などありえないと断言できる。

その後

ところが、それから2年、心配していた剥離が再発した。見ると、旧ペンキを剥がしたところとそうでないところの境目から次々と剥がれが広がっていた。やはり古い塗装膜は残してはいけないようだ。  再度ケレンからやりなおしだ。ところがいざ剥がそうとすると、なかなか剥げてくれない。仕方なく剥がせるだけ剥がし、塗り直し、経過をみることとしたが、やはりめくれる。古い塗装膜を根こそぎ剥がさなければならない。調べるが、プロと称する者の意見もワイヤブラシ、サンダがけ、皮すき等でやれだ。しかし足もとが悪く、それはできない。DIYだからこそもっと簡単に完全に剥がす方法を考えてほしいものだ。ケルヒャーや、シンナー、サンダー、ワイヤーブラシ、など試すもどれもいまいち。

結局塗料剥離剤(リムーバー)しかないと結論。結局、三彩化工(株)ネオリバー ♯130をつかうことにした。これは超高価だが超強力とされる主成分が塩化メチレン、だ、刷毛で塗って待つこと数分、塗膜はふにゃふにゃになり皮すき等で容易に(塗膜が砕けず連続的に剥がせる)旧塗膜をはがすことができた。ダントツ。これなら完全に剥がすことができる。高価(塗料より高いくらい)なのと、皮膚に着くとひりひり痛むのが玉に瑕。追加注文(12kg)し、約100m2旧塗装膜を全て剥がしたあと、全塗装を実施した(2011/秋)。 効果の判定は数年先だが大丈夫だろう。たぶん。---(2016現在光沢はなくなったものの”ペロン”なし5年保った。!)


DIY(自力)でスズメ蜂を駆除(2016/7/30)
ぶんぶんハチがうるさい。はじめはアブかなとタカをくくっていたのだが、どうも威嚇しているようだ。となると、ハチ、よく見るとキイロスズメバチだ。普段はおとなしくめったに人を刺すことはないが、人の行き来する近くに巣を作っていれば話はべつ。ハチは巣を守るため近づく人を威嚇攻撃する。刺されると最悪死に至るからこわーい。調べると一階天井裏。巣の出入り口の高さは3mほど。その下は物干し場。人がハチの縄張りに否応なく入る。これは放おっておけない。すぐ巣を撤去しなければならない。さてどうするか。以前いちどスズメバチの撤去をやったことがある。市に紹介された業者にだ。一軒目は¥25000という。別の業者は¥15000だったのでここに頼むことにした。15センチほどの巣で作業時間は僅か1時間、その割りには高〜い。

今回は(自力)DIYで蜂の巣の撤去に挑戦する。といっても、丸腰でいきなり巣をもぎとるわけにはいかない。そんなことをすれば命がいくつあってもたりない、やはり最小限の装備が必要だ。プロの例をよく観察していると、最も大切なことは1)巣の回りにいる蜂を出来るだけ減らす;ことのようだ。数が減ればテキは戦意喪失、其後の作業がやりやすいからだ。その後2)巣に煙幕や薬剤を散布、一気に巣をもぎ取り焼却処分にするのだ。そこで筆者は次のものを準備した。

1)防護服(¥3k)巣に接近するから必須。プロの使うハチ駆除用は安全確実だろう、が¥100k以上とやたら高価、DIYではとても手が出ないここは養蜂用の安物で済まし厚着で乗り切れるだろう。
2)粘着(とりもち);ネズミ捕り10枚(¥1k) 前もって蜂の巣の出入り口の近くに置き大半の蜂を捕獲、
3)煙幕 30本(¥2k)。ハチを眠らせるため
4)クールベスト(¥2k)真夏に厚着をするから、暑熱対策は必須
5)ハチアブマグナムジェット(スプレー)2個(¥2k)向かってきた時、応戦のため。

(ハチアブマグナムジェットを除いて残りは全てamazonで購入)合計金額¥10kも掛かったが、これで駆除できれば損はあるまい。


作戦はまず最初は1)とりもち作戦;まず蜂の巣の出口付近にネズミとりもちを置く。これはハチの縄張りにモロに入ることになるのでまず防護服が必須。防護服と厚着、クールベスト装着でなんなく粘着ねずみとりもちを2枚置くことができた。翌日回収してみるとナント100匹位のハチがびっしり、巣の中から羽音があまりしなくなったところをみると大成功かも。ところが

粘着ねずみとりもちを新しいのと交換、翌日確かめたところまた30匹以上がかかっていた。新たに生まれてきたのか?それでもハチ全体は随分減ったようだ。ならば最終作戦つまり2)煙幕作戦(煙幕で眠らせ、撤去、焼却)を決行だ。煙幕は火をつかうので万一に備え、散水ホースを準備(使わなかったが)、もちろん防護服、厚着、クールベストを着用。用意ができたところで煙幕に点火、しばらくし、炎がなくなり煙だけになったところで。強引に巣の中にねじこむ、巣の中は煙で充満、ハチはパニック。チョットかわいそう、煙が完全に出なくなったのを見計らい、巣を一気に手でもぎ取り用意したビニール袋にいれ、完了。巣の中には残ったハチがウヨウヨみえるがほとんど動かない。戻りハチも巣が無くなって戦意喪失したのか、遠巻きにし寄っても来ない。この程度(ドッジボール大)でも蜂だなは合計5層に達していた。防護服、クールベスト着用のおかげで安全快適、とりもち&煙幕で蜂は戦意喪失、難なく作戦成功。撤去した巣を焼却炉に放り込み作戦終了、完全勝利。合掌。

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