覗き見 街歩き


01 水道筋商店街

 阪急神戸線「王子公園駅」東口から真っ直ぐに東へ800mほど続く商店街である。 大正15年(1926年)6月に始まり昭和6年(1931年)5月に完成した神戸市の第二回水道拡張工事の際に、市の北部にある千刈水源池から西宮市上ヶ原を経て会下山配水場(兵庫区:現在神戸水道配水池)まで、直径900mmの水道管が埋設された。その上にできた道を人が往来するようになり、やがて出来上がった街並みは、いつか「水道筋」と呼ばれるようになった。人と共に店舗が集まり、道筋の北側に伸びる迷路のような脇道も含めて、500店舗以上からなる神戸市有数の商店街に発展した。大型スーパーの出現で各地の商店街がシャッター通り化する昨今、この街は今も昭和の古き懐かしき香りを漂わせる異色の存在である。朝から夕方まで人通りの絶えることがない。「たこ焼き」のソースの臭いに誘われて一歩踏み込むと、ユ○クロ顔負けの格安洋品店からオーダーメードの高級紳士服店、文具、玩具、運道具、家具、仏具、メガネ、靴、帽子、100円ショップ、リサイクル店、八百屋、魚屋、肉屋、パン屋、喫茶、すし、蕎麦、うどん、中華、パチンコ、何でも揃う。銭湯だってある。残念ながら二つあった電気店だけは近隣の量販店の勢いに押されて2年前に閉店した。跡にはどちらも有名なファーマシーが開店したから、現在も空店舗は1店もない。年中「閉店セール」をキャッチフレーズに何年も閉店しない勇ましい店だってある。お客は近隣500m圏内に住む人が大半で、1日当たり10,000人近くが集まるそうだ。また、学生アメリカンフットボールの聖地となった王子公園競技場が近接することからイベントの企画で、ユニホーム姿の選手が屋台を出店し、チアリーダー・ショーなども試みられ、かなりの集客に貢献している。



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