THE WRECKER
大陸横断鉄道の建設現場で、思いもか掛けない大きい事故が頻発し、労務者や乗客に多数の死傷者が出た。世間の鉄道への安全信頼が揺らぐなか、鉄道会社ヘネシー社長はアナーキストによる妨害破壊工作であるとの疑いを持って、全米随一の探偵会社“ヴァン・ドーン”に捜査を依頼する。内定が進むに連れて正体不明の通称“壊し屋”の存在が浮かび上がる。破壊工作を進める壊し屋と“ヴァン・ドーン”社の敏腕探偵アイザック・ベルがニューヨークからサンフランシスコに渡って繰り広げる大捕り物劇である。
時は1907年、鉄道建設による米国の西部開発時代の形象がリアルに描かれており、当時の鉄道王を取り巻く奢侈な富豪ぶりが並外れたスケールであることに驚嘆する。その権益に群がる人脈の中のひとり上院議員のキンケードが実は“壊し屋”であるらしいことが判明する。アナーキストに非ず、大統領候補にもと噂される上院議員が大犯罪人であるから驚きである。目的・動機は?謎のまま追跡劇は二人の対決場面あり、鉄橋破壊を目的に犯人キンケードが目論むダム決壊計画を阻止できるかの息詰まる対決が連続する大活劇である。
推薦度 ー 3.0