Best Kept SECRETS




 25才の美人検事が繰り広げる事件物語、彼女の母は25年前に彼女を生むと直ぐに殺された。祖母からは彼女の誕生が原因で母は殺されたのだとずっと刷り込まれて成長した。当時殺人犯として刑に服した男は知恵遅れで、町の除け者だったがゆえに冤罪を課せられことは明白である。そんな彼女が真犯人を探すために生まれ故郷に帰ってきたところから話は始まる。小さな田舎町で当時特に母と親しかったのは、今は町の保安官、町の名士とその息子、3人である。彼らのうちの一人が犯人に違いないと祖母から教えられてきたのである。保安官と名士の息子は高校時代からの親友で、美人の母とは三角関係の恋人同士であった。名士の父は息子と彼女の母との結婚に反対であったこともあって、この3人には十分な動機がある。彼女も祖母の助言どおりに何れかが犯人と信じて3人をそれぞれ追い詰めていく。ところが、被疑者の一人保安官と彼女は恋仲になってしまい、物語は事件を離れたロマンス物語に変貌していく。その表現も安物のポルノ風描写の連続で全くいただけない。結局最後は当時息子の結婚に反対だった息子の母親が彼女の母親殺しだったと判るが、結末に至るまでのハラハラどきどき感が途中から失せてしまう超駄作である。犯人への手懸かりになると思われた証拠の凶器も、定年間際だった当時この事件を担当した判事が隠匿したうえに、突然自殺してしまう不自然な展開で、迫力不足である。
推薦度―2.0  



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