ECHO PARK
迷宮入り事件の解決に取り組むロサンゼルス警察ボッシュ刑事の奮闘物語。多くの殺人を犯している極悪犯が、取調べ中の有能検事オシェアに向かって、ボッシュが調査している未解決殺人事件も白状することで、他の殺人事件での死刑求刑に減刑を求める司法取引をする。ボッシュも立ち会う取調べの自白や、死体の遺棄埋設場所の現場検証から、彼こそが真犯人として13年間も捕らえられなかった真犯人と思われるが、ボッシュ一人はこの自白に疑いを抱き、友人のFBI捜査官であるウォーリングの助けを借りて、別に密かに捜査を続ける。そんな中、出世を望む有能な刑事と検事のオシェアが金持ちの真犯人に買収されているのではとの疑惑が浮かび上がる。その疑惑の追及のため偽証の裏取り調査に取り組み、その偽証を見事に見破るけれども、その前に現場検証時の警察の不注意からこの偽証犯を逃亡させてしまい、その逃亡犯人が引き起こした別の犯罪を追跡する中で、ボッシュは追い詰めた逃亡犯を射殺してしまう。その為に肝心の事件は再度迷宮入りになりそうになるが、最後は意外にも、ボッシュの直属の上司が真犯人と結びついていたことを突き止めて、事件は解決する。組織の上下の腐敗構造を浮かび上がらせようとした意図は窺えるが、竜頭蛇尾に帰している。もう少しドロドロと描き上げて欲しい。英語が平易でテンポ良く読み易い作品ではある。推薦度―4.0