DON'T EVER GET OLD


   凡作、駄作である。
 老人性痴呆症もあるかと疑われそうな、87歳の元刑事ブックが活躍する話で、少しシチュエーションに無理があるのでは?読者を納得させるために、孫を助手にしての活躍である。第2次大戦中、ナチの捕虜として虐待を受けたことで遺恨のある元ナチ兵士が偽名を使って、存命であることを当時の戦友の死に際に聴きだした。しかも、金塊を保持しているとのことであった。この秘密を、戦友はブックにだけでなく、彼の家族と教会の牧師にも明かしていたから、家族は金塊の分け前を遺産として、牧師は教会への寄贈として手に入れようとする。しかし、元ナチ兵士の行方、金塊の在り処がわからないから、ブックと彼の孫の活躍が始まる。イスラエルの秘密警察もこのナチ残党を追跡している。ブックの孫がインターネットを駆使して、イスラエルの諜報情報から、ナチ元兵士の居所を突き止めるが、アルツハイマーで、老人養護施設に保護されている。そこから辿って、金塊の在り処は銀行の貸金庫であることも突き止める。その銀行に貸金庫の所有者を装って侵入し、まんまと金塊を入手するが、そのことは他言出来ない。金塊の分け前がほしい元戦友の家族、牧師、それにイスラエルの諜報員と思しきものたちがが、次ぎ々ぎに殺されれて、街の警察が捜査に乗り出すが、情況からブックの孫が殺人犯ということになる。ブックは、最後に孫の無罪を晴らすために、金塊の追跡劇と入手を警察に説明せざるを得ない。それでも、孫が殺人犯でないことは証明しきれず、一方で真犯人は誰かとの謎は最後まで解けないまま、クライマックスに近づく。金塊の秘密を知った殺人捜査担当の刑事の犯行であった。最後に、刑事は25年間誠実に、勤勉で、ブック同様に優秀な仕事をしてきたが、金塊の誘惑に負けて、罪を犯してしまったのだと、アダムの故事に例えて結びとしている。
 推薦度2.5



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