昨日に引き続きがんばります。
ゴ−ルデンウイ−クは集中して釣行できますが。
厄年を超えた身体には堪えます。この落とし込みという釣法は足で稼ぎます。
目は竿先に集中し、手も竿の変化をとらえるため緊張し、心身共に疲れます。
釣行から帰った日なんぞ1時間ぐらいボ−ッとしてますし、
次の日にも疲れが残ります。
今日も全身がけだるく、朝起きるのに苦労しました。
天気は一番好きな雨です。
何故雨が好きかって?
それは、雨で海水が濁りチヌの活性が上がるからです。「雨の日は良いことが多い」これ私のジンクスです。
それに、釣行する人も少ないし、第一に「エサ捲き軍団」が居ないから。
雨の日に釣行するのは、落とし込み志("師"はやめました)ぐらいでしょうか?
朝6時の船ですが、渡船は思った通り一人でした。
「雨が降るのに!(ホント物好きやなぁ)」って船長さんと二人で笑ってました。
昨日と同じポイントを探るつもりでした。
今日は、イソギンチャクがあるので気分一新です。昨日のポイントに着いて
「帰りは何時や」と聞かれました。
あっ!そうか。今日は一応は平日だ。それで帰りの時間を確認してるんやな。
休日なら聞かずに、定期便みたいに決められた時間に迎えに来る。
それに、今日は一人だもんね。船長さんも一人のためにそんなに度々こられんやろ。「3時か?」
「うん。3時ね、3時でいいよ!」
と気の弱い小生は逆らえずにうなずきました。
(本当は12時(正午)か3時か迷ってました。家内には了解を取ってましたので)降りしきる雨は激しく、渡船から降りて目的のポイントに着くまでに、
もうカッパはビチャビチャで「しずくがしたたり落ちる」というより
滝のように流れ落ちていました。「今日は、ホントに物好きしかおらんやろ」とポイントに着くと、
5時の船で渡ったのか「物好き」の先客がもう三人ほど、落とし込みをしています。小生も早々に用意をして探りにかかります。
竿先にも、ラインにも雨があたって、アタリがよく分かりません。
それでも「辛抱辛抱!」と探ります。「おはようございます!どうですかアタリあります?」
「いえいえ、ぜ〜んぜん。だめですねぇ」
「エサは何ですか?」
「蟹とイソギンチャクですけど、そちらは?」
「イ貝です」
落とし込みの方とのおしゃべりは、大切な情報交換です。
今日のエサは何が良いか、今日のチヌはいったい何を食うのか。
この情報が大切で、全然食わない餌で探っていても、ボウズですから。頑張って、辛抱して9時頃まで探っていました。
エサを変えたり、落とし方を変えたり、誘いをかけたりあらゆる事を試しますが
昨日と同じで、全くアタリ無し。「おかしい。昨日と違って雨と風で濁りがはいっているのに何でや?」
ポイントを変える事にしました。ここから歩いて10分の自称第二ポイントです。
途中、先ほどの情報交換のお方たちを覗きましたが、
全くだめの様でストリンガ−はかかっていませんでした。
自称第二ポイントで、気分を一新し探り始めました。気分は一新してもアタリは一新されません。焦ってます。
そのうちに、雨もやんで、薄日が差して来ました。
もうポイントを3周ぐらいしたでしょうか。
疲れ果てた頃、12時だったでしょうか携帯電話が・・・・「今、何処ですか?」
「いま?僕の大好きポイント」
「はっは。車があったもんで・・・いまから行きます。釣れてます?」
「全然だめやがな。全然おらへんで。今年は魚の姿が見えん」
「ホントですか、何処へ渡ろうかなぁ・・・・何時までやりますの?」
「3時まで頑張るわ」
「釣れたら、電話下さい」
「OK」で切れた。
K君だ。これは小生の落とし込みの先輩格で、たいがいは釣果をあげてる。「こりゃまけてられんわ」
しばし身体を休ませて焦った心を落ち着かせて、作戦を練り直します。「一番好きな奥のポイントそれにここのバ−スのポイントもダメ(魚影が見えない)
其処のテトラでも型は小さい。
となると・・・・そうだ、ここの西歩いて15分はかかるかな。
其処にも小さなバ−スがある。あそこの支柱付近は探ったこと無い。
また、探ってる人も見たこと無い。ひょっとして・・・」
で勝負をかけた。
いま12時30分あと2時間30分だ。片道15分として往復に30分
釣ってる時間は2時間が限度。
其処へ歩いて行くには、テトラの上を延々と歩くか、テトラの上1mに幅30〜40cm程の
防波堤があり、その上を歩くか?
この防波堤はスリル満点で、西に向かって立つと左(南側)は1m下にテトラ、
右(北側)は4〜5m程下に工場のメンテ用道路がある。この道路は工場の敷地内で
釣り竿片手で歩いていたりすると叱られる。選んだのは、防波堤の上。テトラは長い距離を歩くと足首に負担がかかりすぎて
油断から落っこちそうになる。
熱くなってきたので、カッパを脱いで、ク−ラ−を置いて、必要な道具だけ持って
足下をしっかり見据えて「確実に、確実に」って言い聞かせて歩き初めます。
テトラへの転落なら打撲傷程度で済むかもしれませんが、右(北側)の4〜5m程下
の工場メンテ用道路への転落は、軽くて骨折。下手をすると・・考えただけでぞっとします。
(その方が早く楽になれますが、そんなことは考えずにおきましょう)歩くこと15分、やっと目的のバ−スに着きました。
バ−スの上は、立ち入り禁止ですので手前のテトラから探ります。
ここでも頑張りました。
少しのアタリも見落とすまいと必死でした。
心が萎えそうになると「釣れるはず、釣れるはず」と奮い立たせます。
でもというか、やっぱりというか「ダメ」でした。
時間は2時20分でしたが早々に諦めました。帰りの防波堤の上は、本当に怖かった。
朝から頑張ってましたので精神的、肉体的疲労も限界に近づいていました。途中で目眩がして防波堤の上でうずくまりました。
何と 4〜5m程下の道路が波打って流れています。
はっきりと見えました。「これは大変な事になった」と自分でも思いました。
落ちないように、落ちないようにと集中して、しっかりと見つめてと思って歩いていた時
堤防の上と、下の道路が一緒に見えて、高低差が無くなって見える時がありその時
一瞬でしたが「ボ−ッ」としてました。ハッと気が付いて、うずくまった時の事です。
道路が波打って流れるのがはっきりと見えました。
当然、目の錯覚だと判っていますが、こんな調子ではいつ転落するか分かりません。
まだ、半分ほど残っています。しばらくじっとしていて、体力の回復を待ちます。
そうっと立ってみて、確かめました。
もう、道路は波打って流れてません。
手に持った道具、釣り竿と蟹桶、背中のタモ網等を確認し、再び歩き始めました。
(あとで判ったことですが、テトラに降りればよかったのです。
時間はかかりますが、確実に帰れました)
歩く速度を落として、ゆっくりとゆっくりと。
目眩がしかけたら、すかさず立ち止まり休憩します。
何度かの休憩のあとやっと、いつものポイントまで
10mぐらいのところまでたどり着きました。
ここが一番危ないところです。だって言うでしょ「百里の道を行かんとする時は、九十九里をもって半ばとせよ」って
これは、私の座右の銘みたいなものです。
(仕事も同じですけどね!)
単車で青森まで往復した時もこれでした。
帰ってきて兵庫県に入った時も「まだ半分だ」って言い聞かせてました。オ−バ−な言い方ですが、最後の気力と体力を振り絞ってやっとたどり着きました。
2時50分でした。ク−ラ−のところに戻ってしばし休憩し、3時近くになってk君に電話を入れます。
この電話が、疲れた私を更に打ちのめしてくれました。「どう?釣れた?」
「はい、釣れました」
なぬ!聞き違いか?「こっちは全然ダメや! 釣れたの?何処に降りたの?」
「○○○のテトラです。小さいけど35cmぐらいのを1匹。結構アタリがありますよ」って
こりゃあかなわん!さすがやなぁと感心しますが。「何時まで頑張るの?」
「5時過ぎまで頑張ります」
「そぅ!こっちはもう帰るわ」
ホントに疲れました。「大山鳴動してネズミ一匹」どころかボウズですわ。「あぁ、明日はゴ−ルデンウイ−ク中の休日出勤やのに。気持ちよく出勤したかった」
なんて嘆いて帰ってきました。