2002年釣行 第二章 4月第二回目


釣れるつもりで行きました。
もう、そろそろ釣れる頃です。毎年この時期には釣っています。
天気予報では曇りから雨に変わるとかで風も強く、
ゴ−ルデンウイ−クにもかかわらず客は小生を含め6名。
好きなポイントへ降ろして頂き、早速始めます。
いきなり「ビクン」と来ました。

「おっ!いきなりか?」
でもエサの蟹は潰されていません。

「何や、チヌと違うぞ! がっくりや!」

前回の調査では、今日あたり釣れるはずです(勝手に決めてます)。
何としてでも釣るつもりでした。
端っこから丁寧に、いかなるアタリも見逃すまいと必死です。
エサが無くなっています。

「んっ!いつの間に!この俺様の目を盗むとは、猪口才な!!」

「おっ!またまた蟹が・・・う〜ん!」でしばし長考。
なにやら様子が違う。
そんなに微妙に、したたかに、エサだけ捕れるはずがない。
それに、チヌの姿が全く見あたらない。
いつもの、支柱にも全く見えない。いつもの”大将”が見あたらない。
(例年、この支柱の周りに見えるデカ物は釣れない。
こちらの投入するエサなんぞ完全に無視してやがる)

「おかしいなぁ、ひょっとしたら、アタリでは無く、エサが落ちたか?」
更に考えながら探り「アタリじゃあなく、エサが落ちた」と決定。
興奮して損した。
もう一度じっくり釣り場の様子を探ったり、観察したりするうちに

「なんやアタリが無い思たら、チヌなんかぜんぜんおらんやないか」

しばらくがっくりしてると、ダンゴ兄弟(?)がお見えで

「どう、釣れた、アタリは?」なんてお出ましだ。
遅い時間にのんびり来おって、情報収集かいな。やっとられんわ。
気を入れ直して、もう一度落ち着いて探ります。
でもどうしてもアタリが・・・・・
例のダンゴ兄弟がやたらと、エサを撒いてます。

「おかしい。いつもはあんなに撒かないのに?
 ということはやっぱり居ないのか?」
ここはあっさり諦めて、もう一つのお気に入りポイントへ移動します。
道具を全部抱えて、10分の移動です。

「良い運動になるわ」

ここでもさっぱりで、またまた同じ会社の人にばったり。

「どや、アタリはあったか、釣れた?」

「あっ! Tさんかやっぱし。そうやないかと思ったわ。
 ダメですね、全然や! アタリ全くなし。魚おらへんのと違う?」

「そやろ、魚の姿、全然見えへんもんな。アタリも全くない」

「今頃というか、毎年この時期やったら、支柱の周りにうようよしてる。
 釣れないけどね。それが、今年は全く見えない。何かおかしいわ」

「そうやろ、先週はあそこのテトラで『2匹釣った』言う人が一人だけ
 32cと25cmで『小さいけど』って言ってた」

「30cm以下はリリ−スが当然やで。
そんなん取って帰ったら、魚おらんようになるでぇ!」

「そうやろ!船長に聞いても『ポツポツ釣れだしたかな』言うてるわ。
 この時期やったら、ばんばん釣れんとおかしいのに。
 先週は、日曜日やいうのにたった5人やで。
 あんまし釣れないから、エサ捲き軍団は来ないんやって、船長が言ってた」

「そうか、今頃テトラで釣れるんやったら遅れてるのと違う?
 1ヶ月ぐらいずれてるんかいなぁ。う〜ん」で悩んでしまった。

ダンゴ軍団が来ないのは良いとしても、チヌまで居なくなったのか。
そういえば、支柱の水面下30cm〜1mアタリのところも、貝が付着してなくて
「禿げてた」なぁ。
震災から今まで、毎年決まったように釣れ始めるシ−ズンは決まっていた。
それが今年は、異常にダンゴ・エサ捲き軍団が入りよった。
こんな所までと思うような奥の奥までだ。

「そうか、チヌが狂ったんだ。異様にエサがあるもんだから
 狂わされたんだ。こりゃあもうあかんわ。ここじゃあ釣れんで!」

「いつまでがんばるんや!」

「12時で帰ります」

「そうか、ワシも12時で帰るわ。次はいつ来るんや?」

「明日も来ますよ。今日と明日しかこれないんで。
 連休中もなんやかんやで忙しいて!」

「ほう!それなら、このイソギンチャクやるわ!
 水さえ変えてたら生きてるからな!」

「ごっちゃんです」
儲かりました。
蟹は幸か不幸かアタリが少なかったせいでまだ残ってます。
残りの蟹と、もらったイソギンチャクがあれば、明日はエサを買わなくて済む。

それから残りの時間、精一杯がんばりましたが、アタリ全く無しで納竿です。
道具をしまっているとTさん

「晩飯のおかずは仕舞っとこか」

「おっ!ガシラやないですか。それもおっきいなぁ。
 うわぁぎょうさんある。どしたんすかそれ」

「あぁ、ずっとボウズやったら寂しいから、其処のテトラで、シラサ(エビ)を
エサにして、釣ってたんや」

「20cm近くあるなぁ、えっ20匹ぐらいいるんとちゃいますか」

「そんなにあるかいな、17〜18cmぐらいやろ。数も15〜16匹程や」

「最近、魚屋に置いてますよね。これやったら渡船代の元取れてまっせ。旨そうやなぁ」
いかんいかん!思わず涎が。まるまる太った立派なガシラだ無理もないか?

本日諦め!明日に期待で帰ってきた釣行でした。


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