ウクレレ製作記 Part;3

ブリッジの駒は勝手がわからないので某パーツ屋さんにコンサートサイズの既製品を注文したのですが
届いた商品の弦間隔があまりにも狭く(ソプラノ?)、電話にて問い合わせたところ、
『ブリッジのWサイズはソプラノ、コンサート、テナーで大きくなりますが弦間隔はすべて同ピッチです。』との事。
言われた意味が理解できず電話を切りましたが・・・僕が馬鹿なのか?そんなことがある筈もなく。
ナット幅が仮に同じだったとして、大きくスケールが違うのにブリッジ側で弦間隔が同じになるということは?

そんな訳のわからん話に付き合ってる時間はありませんので自作しました。
作ってみれば簡単なものでした。
弦を巻きつけるではなくひっかけるタイプのブリッジとしました。
写真はボディ本体のアールに合わせるように擦り合わせているところです。

ウクレレのことはよくわかりませんでしたが、なかなかどうして手持ちの借り物(採寸用)のものより良いトーンじゃありませんか!
スプルースの粘りのある音とサスティーンが当初の理想としていたトーンに仕上がりました。
製作復帰してからのギター、ウクレレ双方自分が思うよりは良い仕上がりとなっていますので不思議(笑
過去10本中3本はまだマシ、その他は・・・だったのですが今回の結果をみて俄然製作意欲が沸き立ちました。
今後のウクレレ製作に関してはもう少しボリュームを増やし、倍音の広がりをまとめられるように考えてみたいと思います。
ともかくなにはともあれウクレレ製作Vol;1,これにて完成!!


数日後納品予定ですが、オーナー様に気に入っていただけるかどうかが心配・・・

指板の製作にとりかかります。
今回使用する材は縞黒檀です。
真黒の黒檀はアコースティックギターで使用する為大事にストック・・・ではなく、
小柄なウクレレで個性を出したい為、エキゾチックな木目のものをセレクトしました。
たしかに真黒に比べ安価ではありますがいい味出してます。
これを所定の厚みまでベルトサンダーで加工します。

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擦り合わせたらギターの時と同じく接着面の塗装をはがします。
アートナイフで切り込みを入れ、鑿で丁寧に削り取ります。
接着クランプについて、小さなサウンドホールのためギターのようには接着できません。
皆さんはどうされているのでしょうか?
私は・・・企業秘密の必殺技で接着しました。

企業秘密というよりは笑われたらどうしょう秘密です。
ですのでそっとしておいてください。

またまたどばっと飛んで・・・完成しました!!

ボディの研磨仕上げが終わったらもう一度フレットバーを磨き仕上げしておきます。
ドレメルのバフウィールにマイクロコンパウンドをつけて磨き仕上げ。
ビッカビカになります。ピカールがお勧めですが切らしていたもので・・・
その後指板に仕上げのレモンオイルをしみこませるように磨きあげておきます。

ヒールキャップを接着しています。
これも縞黒檀材を使用しました。
ある程度のサイズで切り出し、接着乾燥後ミニドラムサンダーややすりで仕上げます。

溝が綺麗に掘れれば貝を埋め込みます。
2液性のエポギシ樹脂に黒檀の粉末を混ぜたものを溝に充填し、
貝を上からはめ込むと細かな隙間まで綺麗に充填できます。
このままじっくり乾燥(2日間程度)させてサンディングで仕上げます。

ドバッ!と飛んでしまいました。
上記作業後、全体的にサンディング仕上げをしてサンディングシーラーを2層塗装しました。
水研ぎ800番でサンディングして平面を平滑にできたらクリアラッカー塗装です。
写真はクリアラッカーを3層塗布したあとです。
キラキラです。
ここから仕上げの研磨作業にとり掛ります。

ちなみに、知らない間にフレットバーも打ち終わっています。
もちろん塗装前に加工しました。

貝を取り外し、白鉛筆の粉をかけて指で軽くこすると傷つけた溝に粉が入り
字が浮き立って見えます。
これをドレメルルーターでポジションマーク同様溝を掘ります。
この作業もなかなか慣れません・・・

オーナー様のイニシャルのMをインレイします。
まず、私の妻がMを切り出します。
さらっと言いましたが私は苦手で到底できません。
切り出した貝殻の裏に両面テープを貼り、ヘッドに貼り付けます。
固定できたら先のとがったもの(千枚通し等)で文字の外郭に削りキズをつけます。

指板を本体に接着しています。
写真ではクリップも使用していますが
圧着力にやや不安があり、すべてカムクランプで締め固めました。

3,5,7フレットにのみポジションマークをインレイします。
菱形のポジションマークです。
あまりポジションマークを入れるのは好きではないのですが
ご使用される方の事を考え、ローポジションのみインレイしました。

ベルトサンダー加工後180番〜400番までサンディング(手作業)しました。
フレット位置をいつものフレット計算書を使用して割り出し、記入します。
両端の余計な部分、そしてサウンドホール側のデザインをバンドソーでカットして
サンディング仕上げしたあとフレットソーで溝切り作業です。
ギターに比べ薄く、幅も狭いので割と加工しやすかったかも。