6号機 Model-Gatto MJ-C Type Part;2

サイドバックはホンジュラスローズウッドを使用します。
木目、色合いもとても良いのですがなにより硬く比重もある木材でタップの反応も良好です。
始めて使用する材ですのでどのような仕上がりになるかは想像の域を出ませんが期待大です。
尊敬する製作家の方がこの材を推奨されていることもあり、安心して採用しました。

私のここ最近のデザイン傾向として、「木材の上質な質感を感じる事のできるものを作る」をコンセプトとしています。
「技術力が乏しいのに何言ってんの?」と自問自答することは常です(笑
ともかく、ギター全体が醸し出す木材の雰囲気作りを大切にしたいと考えています。

バインディングとパーフリングも当然木製のものを使用します。
セルロイドの物でも十分魅力的なギターはあります。
でも前述の木の質感を出す、というコンセプトですので全て木製で製作しています。
バインディングにはかなり扱いづらいココボロローズを使用しています。
このココボロが実に妖艶なのです。
ハワイアンコアのカーリーなども最高ですね。
私はココボロを好んで使用しています。
機会があれば是非手にとって見て頂きたいです。

上記の理由から、ヘッドのデザインもシンプルなデザインを採用しています。
今までは手の込んだバインディングのデザインにしていましたが、ただただ面取りしてあるこのデザインの方が
木の温かみや柔らかさを表現できているような気がしています。
ま、所詮デザインの好みなんて人それぞれですので、どうせなら自分の気に入るモノにしようと。
これはヘッドのみならず全体的に思っています。
あわせてぬくもりを感じる事のできる手作り感を出す為、あえて面加工なども手作業とし、
たとえ多少イビツになろうともパワーツールを極力使わないように心がけています。
ま、言い換えれば「デコボコ、ガタガタ」なのかもしれません(苦笑;
今現在の未熟な自分を素直に投影した「できそこない」ですね。
ま、それも味だと思って頂ければ好都合です。

なんやかんやで塗装中です。
あ〜、垂れてます(涙
塗装環境と塗装設備が実に乏しいのです。
良い仕上がりを求めたら、やはり塗装ブースを作らないといけませんね。
自作ではノックダウン式塗装ブースを作ってから塗装しようと考えています。
また、コンプレッサーやスプレーガンも見直さないといけません。
設備投資が洒落になりませんね・・・

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続いてはフィンガーボードです。
エボニーに白黒パーフリング、そしてココボロのバインディングです。
インレイはなしのシンプル仕様です。
これを見てなにか気付かれましたでしょうか?
そうです!ネックが長いのです(誰もわからん)。
セルマーマカフェリ等で用いられる670mmスケールの超ロングスケールです。
ん?間違ったんじゃないか?
ち、違います(笑
実際のところ、スケールが違えば何が大きく変わるのかを体感したかったんです。
いまの645mmスケールで物足りなさを感じていましたので微妙にスケールを伸ばすのではなく
思い切って長くしてみようと。そしてわかりやすく感じてみようと。

裏板まで接着できた写真です。
綺麗な形、木目に満足してしまいました。
赤みがかった木材の持つ魅力、たまりません(笑
前作より綺麗なアール形状をつけることができるようになりました。
はい、その程度のレベルです。

ネックのジョイントはいつものスペイン式です。
ボディ内部にブロックを仕込み、ダヴテイル加工するものではなく、ボディの中まで一体のネックとする工法です。
これでしか作る自信がありません(笑
人によればこちらの方がダヴテイルより難しいとおっしゃる方もいらっしゃいますが一長一短あると思います。
ともかくこの工法のメリットとしてはネックヒールを薄く加工出来るところにあります。
ここ最近MiwaGuitarsで採用しているのが写真のえぐり加工です。
ハイフレットが弾きやすいといったメリットがあるとか、ないとか。
私としては結構気に入って加工しています。
ここもパワーツール無しの手作りですのでいびつさ加減が味わいです。
そのうち綺麗に作れるようになるでしょ。

写真はバックライニングの接着状況です。
表板のブレイスはXブレイシングを採用。
といっても実は毎回配置や断面形状を若干変更しています。
私レベルでは正直ブレイス変更によるタップトーンの変化はほんの少ししか感じ取れません。
しかし確実に少しづつ違いを感じます。
最終の出音をイメージしながら毎回いろいろチャレンジしています。