Model:Gatto MJ-C Type Part;3

トラスロッドを仕込んでネックと同材のマホガニーでフタをしました。
乾燥後フラットに成型したあと、トラスロッドの両脇にカーボンロッドを補強材として入れました。
薄型ネックとなるとやはり弦のテンションの影響も受けやすく、補強が必要かと・・・
目の詰まったエボニー指板だとあまり反らずにしゃきっとしたネックができるそうですが少々不安で。

バインディングの曲げ加工です。
少量の水分を霧吹きで吹きかけてベンディングアイロンで曲げていきます。
色抜けの激しい材でもありますのであまり水分が多いとパーフリングの白を汚してしまいます。
それにじっくり曲げれば材がもつ油分だけで十分に曲がります。
この場合焦げ付きに注意が必要です。
ココボロバインディングの本数が必要本数ジャストしか取れなかった為、失敗は決して許されません。
じっくりやさしく、しかし焦がさないように曲げ進めます。

いよいよ装飾です。
お尻の部分、側板のジョイント部分にバインディングと同材のココボロを装飾しました。
ジリコテの黒にココボロの赤、このコントラストを試して見たくて採用しましたがなかなか良い感じです。
よくここの部分の装飾はトップ側から裏板側へ幅が狭くなる装飾が多いですが
MIWA GUITARSではストレートで装飾しています。
あの形の良さがイマイチ判らなくて・・・
あまり良いギターに触れてないからでしょうか?
先入観がない分これを気に入って採用しています。

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バインディング完了した裏板側です。
自分で作っておきながらこんなこというのは何ですが・・・
スタイル抜群のプロポーションに見えてなりません。
腰のくびれといい、ロウワーバウトの大きさといい、音とは別の次元で気に入っています。
サップ入りの材を使用するのは抵抗がありましたが、結果良い感じです。

さて、お次は指板の加工です。
私の嫌いな作業TOP5に入る溝切り作業です。
手鋸でもう少しマシな鋸は出てこないもんでしょうかね?
2日間に分けて溝切り作業しました。
一日では疲労困憊で作業中断してしまいそうだからです。
テーブルソーと自作ジグ、そろそろ腹決めて作りますか!!

表甲板側のバインディング、パーフリング装飾です。
写真は最近のMIWA GUITARSのトレンドマークになっているカッタウェイ部分のアバロン貝装飾と
スポルテッドメイプルの矢じり加工部分です。
これ、少々手間を掛けて仕上げます。
白い部分はテフロンスペーサーで、この部分にアバロン貝を埋め込んでいきます。

こんな感じに装飾が出来上がりました。
幾何学的なデザインは多くの影響を受けていますが、このカッタウェイ廻りのみオリジナルデザインと
言えると思います。
ま、他にも沢山素敵なデザインは山のようにありますが、自分としては今現在はコレに首ったけです(笑
せめて私ぐらいファンじゃなかったらこのギターがかわいそうですもの・・・

バインディングとパーフリングの溝掘り作業です。
一見ノミを使った手作業のように写真を写していますが・・・トリマを使用しています。
裏板にはカーブがありますので専用ジグを使わない私のような場合は少々工夫が必要です。
便利な工具はあったに越したことはありませんが、それが高価な場合は話が違います。
ですので工夫した工具と慎重な加工、そして手加工による微調整と大変手間をかけて作業します。
はい、ジグ欲しいです。
ちなみにフローレンタインの先端やネックジョイント部分など、トリマ加工出来ない部分はドレメルなどは
使用せずに完全手加工で掘り進めます。
手加工、本当に楽しいです。

バック側のバインディング装飾が完了しました。
まだまだな木工技術ではありますが、一作毎に多少の成長はあるようで一安心。
にしてもジリコテの杢、なんて美しいんだろう・・・
手を止めてしばらく眺めてしまう今日この頃です。