3号機製作記 〜表甲板〜

2011年10月末よりスタートします。今現在2号機も製作途中で塗装前の状態ですが製作仲間のMatsuさんより『良かったらTHGF2012で一本出展しませんか?』とお声掛け頂き、
いてもたってもいられず並行製作ではありますが3号機に着手します。出展させて頂く以上いつも以上に気を引き締めて良いものを作らなくては!
とは言えど私のレベルでは到底しれたものですが、熱い魂で全力で頑張ります♪
ちなみに今回のコンセプトは1号機を超える音づくりです。現在まだ2号機が完成していませんのでブレイス形状による響きの考察はできませんが
イメージを膨らませて2号機からブレイスのシェイプだけを変更しようと思っています。

はい、表甲板の加工が完成しました。
箱になるまえのこの時点でのタップトーンの善し悪しは今の私では問えませんが
明らかにシトカとルッツの差は感じ取れます。
バック材のレスポンスに影響されるところですが、箱にした時のタップトーンが楽しみです。

あ、説明を飛ばしていましたが今回のブリッジプレート(補強板)はサイドバックと同材のココボロです。
私としてはいつも必ずメープルでしたので初のローズ系。
確かに見た目はカッコよろしいなぁ。
音の響きは一体どうでがしょ?
これも楽しみの一つです。

アッパーブレイスの加工です。
これについても現在変更はしません。
特にしたいカタチもなく、頑丈に丁寧にであれば良しとしています。
フローレンタインカッタウェイ側の側板とアッパーブレイスの隙間はほとんどなく、
強度が求められる部分かと思います。
今スタンダードに製作しているブレイスのサイズはいつか何かのカタチでご紹介させて頂きます。

続いてロウワーブレイスの加工です。
このトーンバーが未知の可能性を持っているように思えてなりません。
このブレイスの断面はXブレイスと同じ大きさなのですが、
ラティスブレイスなど細かく数本入れる場合、厚みわずか3mm程度の力木で構成されるそうです。
にしても良いように鳴るギターを作るのはホンマに難しいです(苦笑
基本的に表甲板そのものの声は板自体が最初から持っている個性であり、
音色としては仕入の時点でおおまか決まっています。
そこからの響き、鳴りなどは製作者のイメージと施工で決まってくる。
つまり、フィンガーピッカー用として肝心な倍音などの鳴りは製作者として言い訳できない部分。
私自身『鳴らないギター』を最近よく見かける訳です。
「PAの都合上鳴らないように加工して〜」は純粋にただのエレアコだと思うのです。
鳴るギターでもハウらないPA乗りのよい調整は可能です。
ともかくフィンガーピッカー用ならまずは鳴るギターを目指して作りましょう。まずは。

Xブレイスの交点にはお決まりの補強木を施します。
今回はエボニーです!!
加工したあと少々後悔しました・・・
サンディングするとエボニーの黒い粉末が綺麗なスプルースを汚すのです。
しかしやってしまった事は仕方がない!
責任持って綺麗に仕上げていきます。

まずXブレイスの加工から。
前回までと同様、ブレイスの断面は出来る限り余計な肉をそぎ落としたトンガリ型としています。
今回はブリッジのかかる場所からお尻側にスキャロップ加工を施しました。
ブーミーなサウンドになりそうで怖くてあまり削れない(笑
まずラフ加工して全てのブレイスを加工した後に最終調整したいと思います。

さて、気をとりなおして?ブレイスの加工に入ります。
基本の配置やサイズは1、2号機と同様です。
ブレイスのシェイプのみ変化をつけて違いを感じたい訳ですが
次回からはトーンバーの配置やサイズはがらっと変更する予定です。
はい、製作仲間のMatsuさんの影響です(笑

ともかく今回はスキャロップドブレイシングでまいりたいと思います。
当然スキャロップの深さはタップトーンを聴きながら微調整していきますが、
山となる位置は頭の中でイメージトレーニングした位置で配置しています。
今回の操作で響きや音像の効果がほんの少しでも判る筈;

ロゼッタのデザインについて、1〜2号機と幾何学模様できましたがここにきてアバロン貝です!

写真のとおり、ドレメルでブィーンと(実は少しずつ)溝を掘ります。

3号機製作記TOPへ

裏板の加工へ進む

今回使用する表甲板は私にとってはとっておきのルッツスプルースです。
シトカと比べてタップトーンに真のあるきらびやかさを感じます。
加工にしてもなんにしてもわりと素直な材じゃないでしょうか?

いつものお決まりのはぎ合わせ作業です。
いつも通りです・・・
とくになにもありません・・・

シンプルにブラック+ホワイト+ブラックのパーフリングでアバロン貝をサンドした
シングルリングです。

たまにはシンプルなデザインも良いものです・・・

ん?

いつもごちゃごちゃしてるのに本当にシンプルに仕上げるのか?

答え:いいえ

ごちゃごちゃしていきます。
今までどおりクラウトさん的なデザインは貫きます。
まずは右側、カッタウェイ山頂にめがけてパーフリングが飛び出していきます。
山頂にはスポルテッドメープルをインレイしました。
いままでサークルばかりでドレメルに頼りっぱなしでしたが初心に戻って手彫りです。
アートナイフ一本で掘り進めていきます。
意外や本当に楽しくて夢中になっちゃいます。
この時間、誰も邪魔できません(笑

フィンガーブレイスの接着です。
フィンガーブレイスの役割についての考察は今は横に置いています。
この配置、この大きさで、まずはロウワーの働きを数本研究してからフィンガーブレイスの考察に移ろうと。
Xブレイスのシェイプは大きくは変化しませんし、ロウワーの後で・・・(一番最初か?)
ともかく今は扇上に配置したり、細く低い物を多数本配置したりしたい欲求を押し殺して
いつものフィンガーブレイスの配置、シェイプで加工してまいります。

この辺の加工になるといつも『Go−Bar欲しいなぁ〜』と思いますね。
いつか作ろうかな。
ディッシュ作るの大変そうだなぁ〜
買うと高いしなぁ〜

買わない・・・

はい、こんな感じになりました。
スタート地点と山頂にスポルテッドメープル。
なんだか少々思惑と違い、ポップな感じになりました(苦笑;
やってみてから毎度思うことですが表甲板の装飾ってホント難しいし気が疲れちゃう。
ずっと息を止めている感じかな?
少しずつは上手になっている気はしますが、やはりまだまだ仕上げは気に入るものではないです。

ちなみに、アバロンって、豪華で憧れであったりすると思うのですが
うちの妻には不評です(涙;
『なんだかギラギラしてて品がないような〜』
・・・そんなことないやい・・・