コラム

社員の化学日記 −第20話 「2010年2月」−

三津和のHPにコラムができてから,今年の春で2年になります。 私も原稿の当番が今回で3回目になりますが,元々日記や作文が苦手ですので,さてさて今回は何を書こうかと仕事以上に頭を悩ませています。

今,PCを開いてWordを開き,真っ白な画面を見ながら頭を抱えていましたが,真っ白という発想から色をテーマにして少し書いてみようと思います。

そもそも,「色」とは何なのでしょうか?ウィキペディアによりますと,

「物体に入射する何らかの波長の光が観測者の方向へ反射(正反射・乱反射を含む)する際に,その物体の物性に応じた特定の波長のみが反射されそれ以外は吸収される(=波長に応じ反射率が異なる)という現象が起こる。 観測者には反射された光だけが届くため,その波長に基づき判断される色が,「その物体の色」として認識される(つまり,光そのものに色という性質はなく,光を受けた器官が色を作っている)。」

とありました。

ある物体に光が当たると,その物体は特定の色だけを反射する。 反射光そのものに色は着いていないが,目が反射光の種類に応じて「色」を感じている,ということだと思います。(たぶん)

すなわち,林檎が赤いということを知るためには,[啗蕕函き△修譴鮠箸蕕晃と,それを見る目が必要ということになります。これらのうち,どれが欠けても林檎の赤色を見ることが出来ませんよね。

ちょうど,人生における,食う寝る遊ぶみたいなものでしょうか?どれが欠けても成立しません。 「仕事」が抜けているのが気になりますが・・・まぁそれは置いといて。

その色というのは,物体の形状によっても大きく左右されます。

弊社は,各種金属の粉末や粒,無機化合物をメインに,試験研究用の薬品を扱っています。 色も様々ありまして,「金」「銀」「銅」などはご存知の通り,綺麗な光沢のある金属です。 しかし,普段はあまりお目にかかれませんが,これら貴金属も形状が変われば色は一変してしまいます。 例えば,これら金属の粉末の色をご存知ですか?粉末の粒の大きさによっても当然変わってくるのですが,40μ程度の粉末になると面白いことになります。

イメージだと,「金」の粉末ならピカピカ光る黄金の砂,という感じがしませんか? 私もこの会社に来て現物を見るまではそんなイメージを持っていました。 しかし,実際は土色〜黄土色系の茶色なんです。 光沢など全くない,単なる土色なんです。「銀」も,やや黄色の灰色ですし,「銅」も茶白色になります。 ジュエリーとしての貴金属は光ってナンボですので,粉末になってしまうと台無しですね。 銀色ではなく,黄灰色の指輪に永遠の愛は誓いたくないですよね。

貴金属の他にもカラフルな色のものはたくさんあります。

周期表のランタノイド(いつも周期表の下の方にはみ出て書かれている横長のグループ)に属する金属は希土類元素(きどるいげんそ)と呼ばれますが,これらの化合物はカラフルな色をしたものが多いです。ピンク色や紫色,黄緑色など,見ていて楽しくなります。

また,それらの中には,当てる光の種類によって色が大きく変わるものもあります。 硫酸ホルミウム(掘法僻水和物)などは,太陽光のもとで見ると,やや黄色の白色で中途半端な色をしているのですが,蛍光灯のもとで見ると,鮮やかなピンク色に変化するんです。

入社当時,私の手の上でこの変化を目撃した時は,驚愕に近いくらい驚いたものです。

これら希土類の特性を利用して,1960-1970年頃に「キドカラー」というカラーテレビが流行したそうです。 ちょうど,今50〜60歳くらいの方には懐かしい話かもしれませんね。 そのキドカラーの「キド」は,「輝度」「希土」に由来するそうです。面白いネーミングだと思いませんか?

2011年7月,地デジ化。今コマーシャルなどでも頻繁に言われています。 各社は競って地デジ対応のテレビを販売しています。電気屋さんで大型のテレビをよく見ますが, 驚くほどに色が綺麗ですよね。特に赤色がギラギラするくらい「赤」なのでちょっと怖い感じがします。 当時のキドカラーは赤色の鮮やかさが売りだったそうですが,どんな感じだったのでしょうか? 一度見てみたいものです。

私の部屋には,未だに旧型のテレビがあり,愛用しているのですが,最近1人が2人に見えたりして,「そろそろ限界かな?」「いや,まだ見れる!」・・・などと自問自答しています。 皆さんはもう購入されましたか? 最近では小説や新聞までも電子化され,世の中のすべてがデジタル方向に進んでいる感じがしますが,アナログもなんとなく温かみがあって,私は好きです。 時代遅れと言われても,0と1だけで囲まれた生活はやっぱりつまらないなぁと感じます。皆さんはどう思われますか?

【くぼてつ(ペンネーム)】

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