コラム
社員の化学日記 −第191話「潮干狩り」−
先日家族と潮干狩りに行ってきました。 お目当てはマテ貝。知っている人は知っている、採るのがとても楽しい貝です。
通常、アサリ等を採るときは熊手みたいな砂を掘る道具を使用します。 砂を掘って砂の中に隠れている貝を探す採り方です。
一方、マテ貝採りは少し違います。マテ貝採りの準備には最低限必要なものがあります。 それはスコップ(出来たら先が平たい鋤簾(じょれん))と 塩! です。
まずスコップ、これは砂を掘るためではなく、すくい取るために使います。 マテ貝を探す際はまず初めにマテ貝がいる穴を探すのですが、 この穴は砂浜の表面には無く、砂の下5cm位で見つけることができます。
穴を見つけるために下に下に掘るのではなく、スコップで浅く平たく砂をすくい取ることが必要となります。 素手でもできなくはないとは思いますが、穴がつぶれてしまい見つけることが困難になります。 スコップも面が丸いものよりもできるだけ平なものが使いやすいです。
次に塩、これは特に重要で、スコップを使って見つけた穴からマテ貝を出すために使います。 塩はできるだけサラサラしたものを用意し、ドレッシング用等の先の細い容器に入れると使いやすいです。
用意ができたらさぁ実践です。 やることは簡単、砂をすくって穴を見つけたら塩を振りかけるだけ。穴の形は丸ではなくひし形っぽい穴を狙うと当たりやすいです。 しばらく待つとピョコっと細長い貝が出てくるのでそれを手で捕まえます。 この細長い貝がマテ貝。手でつかむと穴に戻ろうとするのでしっかりつかんだまま、ゆっくり優しく引き抜きます。
塩をかけると穴の中にいるマテ貝は、浸透圧の変化に驚いて穴から出てくるそう。 穴から出てくる時も出たり引っ込んだり動くので捕まえるタイミングを計らないといけません。 つかむのを失敗してしまうと穴の奥深くに逃げてしまい出てこなくなってしまいます。
(塩を振りかけることで出てくるのはタコも同じです。 タコ壺に隠れたタコは吸盤で貼りついてなかなか取り出せませんが、塩を振りかけることで逃げ出すように壺から出てくるらしいです。 ナメクジも塩に弱いですし軟体動物に塩は脅威ですね。)
採ったマテ貝はフライパンでバター醤油炒めにして食べるのが王道です。 味はアサリに似ていますがアサリよりも味が濃く、お酒のつまみにぴったりでした。 味が濃すぎて一緒に食べたスルメの味がしないくらい。グルタミン酸?が多いのかもしれません(よく知りません)
潮干狩りのシーズンは初夏まで。そろそろ終わりに近いですが、皆さんもどうですか?楽しいですよ
【栗林】