コラム

社員の化学日記 −第146話 「何が良いのか?」−

前回のコラムでも少し触れられていましたが、2020年夏、大雨被害、長期梅雨からくる日照不足、なが〜い雨の季節が終わると同時に猛烈な暑さ、「命の危険を伴う暑さ」という表現に環境変化の深刻さを身にしみて感じます。

確かに暑い!今までは周りの人たちが暑いと言っていても自分だけは平気な顔をしていたものですが最近は負担になりつつあるのも年齢のせいだけではないように感じます。 この記事?が読める頃(9月)には少しは涼しくなって皆さんの愚痴も減っていることと期待しています、しかし予報ではそうもいきそうになく、季節は秋だけど気温は夏、「涼しくなったら冬が来てた」ということがないように祈るばかりです。 加えていまだ収束が見えないのが半年程前から続いている新型コロナウイルス問題、想像もできなかった生活変化。 テレビ、新聞等でも報道の大半がこの新型コロナウイルスに関する話題で埋められています。 最近情勢は感染者は増えていますが重篤症状の方は少なくなっています。 理由として若い人の感染者数増加、健康者が感染しているためウイルス感染していても影響を受けにくく症状が出ないんや〜、ということらしい。

そのため普段から免疫力を上げる生活を心がけようということをよく耳にします。

健康的な生活をおくるということはよく言われますが、熱中症予防をしつつ免疫力増加を期待するために冷たい緑茶が良いという記事が載っていたのでここで紹介します。

お茶というと暖かい飲み物というイメージが年配者にはありますが、この暑さの中でホット飲料は???という人も多くおられるでしょう。 お湯で作った緑茶を冷やすのではなく最初から冷水で作ると免疫力を上げるのに有効な飲み物になる、というのが今回の趣旨。

緑茶に含まれるエピガロカテキン(EGC)という物質が免疫細胞を活性化する、すなわち免疫力を上げる作用があることが分かってきたが、カフェインや一部の渋みの強いカテキン(エピガロカテキンガレートEGCG)が存在すればこの有効な効果が弱められるという研究も報告されています。

EGCは水でも抽出されるが、効果を弱めるカフェインやEGCGは水では溶けにくく、「水出し緑茶は、カフェインや一部のカテキンの作用で抑えられていた免疫細胞を活性化する可能性があるんやで」ということになります。

お茶の出始めは薬として扱われていたことはご存じでしょう。

よく知られているビタミンC、この化合物は熱に弱く暖かい飲み物には存在しにくいが、水出し緑茶なら熱分解せず豊富に取り入れることができます。 しかも渋みや苦みの元であるカフェインやEGCGが抑えられ、加えてアミノ酸の比率が高くなり甘味を感じられるお茶になるらしい。

茶葉の上に氷をおいて冷水を加えればできる水出し緑茶、もちろん水や茶葉の量、抽出時間の調整だけで好みの茶ができ身体に良くて美味く、低カフェインのため寝る前にも最適と良いことばかりがありそうですが、「やっぱりお茶の魅力は苦みや渋みやで〜」というかたもおられるでしょう。

今回悪者扱いしたカフェインやEGCGも見方を変えれば良いところもあるのでそれぞれの長短所を理解して各自の好みで取り入れればよいと思います。 これから先の予測は難しく、茶の効能は暖かいものを飲むほうが効果的という研究も出てくるかもしれませんし、新型コロナウイルスのような考えもつかない新たな善悪問題や解決策も現れてくるでしょう。時代とともに変わる環境変化や新しい研究結果によりものの見方が違ってくることは歴史が証明していますね。

イソップ童話はいろんな教訓、知恵を与えてくれる西洋の古典物語ですが、その中に「父親と息子とロバ The Father, the Son and the Donkey」の物語があります、 そこから教えてくれることは「皆が喜ぶことをすると誰も喜ばない、全ての人の言うことをそのまま真に受けるのはあきまへんで」ということ。

コロナ問題でも、何々の専門家なる人が好き勝手なことを言っているように思えます。 他人の意見は参考にしつつ結論は自分個人で出し自分で信じた行動をすることが大事だと猛暑の中で感じています。

参考
*野村證券株式会社 メールマガジン 閑中忙あり 「本当においしいお茶」のいれ方
*朝日新聞 「元気にキレイに」

【今田 美貴男】

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