コラム

社員の化学日記 −第103話 「先生ありがとうございます」−

皆さまこんにちは。

年が明けて急に冬らしくなってきましたね。 年末年始が暖かだっただけに余計に身体に堪えます。

さて,今回は昨年ちょっと大変だった我が家のワンコ(♀)のお話です

昨年秋のこと,小さな頃から膀胱炎を繰り返しており,その時もまた再発した膀胱炎の治療のため病気へ訪れておりました。 その際に最近ヒート以外の時にも乳白色のおりものが見られる症状もあったために,先生に報告したところ,将来的に子宮の病気のリスクがあるために,避妊手術を行った方がいいとアドバイスされました。

また膀胱炎に関してはエコーの検査を行ったところ,膀胱内に1センチ程度の結石が見つかり,それが膀胱内で内膜に傷をつけているのだろうとの診断。

あらかじめ先生に避妊手術と結石除去手術を同時に行えるかを確認したところ,可能との確認はとれていたので,家に帰り家族でどうするかを相談し,同時に行うことになりました。

手術当日のこと,術前のエコー検査で結石の影は見られなかったので,恐らく排尿の時に流れたんだろうとのことだったために,結局避妊手術のみを行うことになったのですが,手術後,麻酔から目が覚めたとのことで,迎えに行くとゲージからフラフラとした足取りでワンコが出てきたのです。

全身麻酔の手術後なので,まだ「ボー」としているのだろうと思っていたのですが,担当の先生も気になったらしく,

「念のため状態を見たいので明日つれてきてください」

通常次の日になると多少顔色が戻っているものの,まだ全身がだるそうになったままで,食欲も戻ってきていませんでした。通院で抗生物質の点滴をして帰宅。

その日からこんなことになろうとは・・・

さらに翌日,ぐったりとして動けず自力で歩けないほど状態が悪かったため,往診をおねがいしたのですが,執刀していただいた先生からは手術後の感覚では特に変わった所見は見られなかったので,何故こうなっているのかが不明らしいのです。

ただ腎臓,肝臓の数値は悪くはないとのことでした。

その日午前に採血に来ていただいて,血液検査をしたところ,炎症を表すCRPの数値が振りきれているとのことでした。 また発熱も40度と高く咳はあるものの,肺炎になっている感じではないので,元々術前に膀胱炎になっていたところに全身麻酔の手術で抵抗力が落ちたために,膀胱の傷ついた膜から菌が血液中に侵入して全身に廻っているのかもしれない。 つまり菌血症の疑いも可能性のひとつとしてあるとのことでした。 もし菌血症であれば最悪の状態も考えなければいけない危険な状態なので,まずは膀胱炎の治療に使用していた抗生物質が効く可能性があるため,毎日点滴治療を続けて様子をみることに。

術後4〜5日目

熱はまだ40度と高いのですが少しずつ顔色が良くなり,一口二口とですが,焼いた牛肉,チーズ,挙げたサツマイモと好物だけ食べられるように。 ようやく振りきれていたCRPも測定ができる範囲に,といってもまだかなり高いのですが。

術後1週間

少しお散歩に行きたそうだったので,少しずつ元気が戻っているものの実感できるように。

ようやく毎日の点滴に終わりが見えてきたのが2週間後のことでした。 調度そのころ血液培養に出していた検査結果が届いたのは。 血液中から大腸菌群・・・先生の推理どおり菌血症でした。

幸い術前に尿の菌培養で効く抗生剤が分かっていたのと,先生の素早い診断予測,治療法の判断など,流石だと実感いたしました。

今ではすっかり元気になって家の中を走り回ってます。

毎日の点滴に採血に往診に来ていただいた先生には本当に感謝しております。この場ではありますが,お礼申し上げます。

【からくり長屋の錬金術師(ペンネーム)】

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