*月刊朝鮮5月号 ぺ・ヨンジュン氏独占インタビュー(パート3

30分の1という高倍率のファンミーティング

公式ファンクラブが存在しないにもかかわらずインターネット上には30以上ものぺ・ヨンジュン関連のサイトがある。所属事務所の韓信コーポレーションが公式ホームページを運営している以外はすべてファンが運営しているサイトである。韓国の俳優仲間ではぺ・ヨンジュンをどんな時でも一生懸命支えるファンのことは有名である。在外韓国人をはじめ東南アジア圏の大勢の人たちがぺ・ヨンジュン公式ホームページを訪れ、世界各国の人たちと友達になっている。ファン達が運営しているサイトは日本4件、香港5件、シンガポール5件そして台湾では5件以上になる。

ぺ・ヨンジュン来日前は3万人以上が日本の公式ページに登録していたが、来日時のファンミーティングが登録者のみと公表されるとその数は6万人に上った。そのなかから2千人がファンミーティングに当選したのである。ファンミーティングの壇上でぺ・ヨンジュン氏は、集まってくれた人たちの顔がよく見えるよう客席に照明を当てるよう要望した。ファン達は大喜びだった。

ぺ・ヨンジュン氏の姉や母のような年齢層のファンについては“彼女たちの目を見るととても澄んでいます。そういう純粋な目を持った人たちと接すると安らぎを感じます。年齢は関係ないですね。”と語っている。橋本元首相の妻、クミコさんはミーティングに参加し、幸いにも彼に直接会う機会に恵まれた。
4月5日、私がニューオータニホテルに着くとロビーはたくさんの女性ファンで溢れていた。ひと目でもぺ・ヨンジュン氏を見ようと集まってきたのである。4月3日から彼が離日するまでホテル内外はファンで混みあい、予想外の事態にホテル側は悪戦苦闘した。ロビーには『他のお客様のご迷惑になりますので特定の人のためにここで立ち止ることや写真撮影等はご遠慮下さい。当ホテルの宿泊客であっても上記のような行動は慎んでくださるようお願い申し上げます』という看板が立てられていた。

同日午後8時、同行者と共に私がホテルから出てくると30人くらいの女性がホテルの外に佇んでいた。私がぺ・ヨンジュンのファンですか?と聞くと彼女達はいっせいに“ぺ・ヨンジュン大好き”と叫んだ。彼女達の年齢は20代から40代と幅広いがぺ・ヨンジュンのファン同士ということですぐ友達になれるようだ。
40代の主婦は青森から新幹線で3時間かけて上京し、ニューオータニホテルに宿泊していた。一瞬だがぺ・ヨンジュンを3回も見たと自慢していた。同行者のチェ・ヨンス嬢が自分で撮ったぺ・ヨンジュン氏の写真をみんなに見せたところ誰もが飛び上がって喜んだ。私に彼の写真を必ずメールしてくれと頼んでいたヨンス嬢は“ぺ・ヨンジュン氏はとてもハンサムですごくゴージャスだから好き”と言っていた。

冬のソナタが日本人の在日韓国人に対する見方を変えた

韓国の事をどれくらい知っていますか?という質問に、私の横にいた主婦は“今まで無関心でしたが、ぺ・ヨンジュンさんに出会ったことで韓国が好きになりました。冬のソナタを通してもっと知りたいです。”と言った。
キャーキャー騒ぎながら話していた私達にテレビ朝日のカメラが向けられ、番組の担当プロデューサーはぺ・ヨンジュンの熱狂的なファンの特集をしていると言った。日本の女性にどうしてこんなに人気があるんでしょうね?とプロデューサーに聞くと“私もそれが知りたくてこうして特集番組を撮っているんですよ。今までにも海外のスターたちに対して熱狂的なファンというのを見てきましたが、これほどじゃなかったです”と答えた。
4月6日午後9時、ヤンチーフマネジャーに会うためにロビーに行くと40人以上のファンが並んでいた。たとえ会えたとしてもほんの一瞬にもかかわらず20代から60代の彼女達はきちんとスーツを着てぺ・ヨンジュンが現れないかと目を凝らしていた。

携帯電話で話をしていた女性が私に近づき、私が韓国から来たぺ・ヨンジュンファンなのか聞いた。ぺ・ヨンジュンとのインタビューのために韓国から来た記者だと答えると彼女はうれしさで涙をを流しながら“じゃあ、これからヨンジュンさんに会うんですね。一緒に行ってもいいですか?私は在日3世です。”と言った。彼女はファンミーティングにはずれたが、それでも東京に来ずにはいられなかった。広島から6歳の息子と共に4時間新幹線に揺られて来た彼女はぺ・ヨンジュンさんに会わせてくれと私に懇願した。日本人の在日韓国人に対する見方を変えてくれたぺ・ヨンジュン氏に感謝したいのだと。
“日本には長い間在日韓国人が住んでいます。でも、冬のソナタの放送以来、私達に親しみを覚えてくれ韓国語を習いたいと言います。今、息子の幼稚園友達のお母さんたちに韓国語を教えていますが、周りの人はみんなヨンジュンさんのファンです。こうやって日本人が韓国に興味を持つきっかけを作ってくれたヨンジュンさんを誇らしく思います。”と突然話が途切れたと思ったら“胸がつまって泣きそう”“韓国で『スキャンダル』のDVDを買ってきて日本の友達と見てます。韓国の昔の話や景色にみんな感動してくれてます。”とつけ加えた。映画の中のヌードシーンについて聞くと“みんな喜んでました!息を潜めてそこだけ何回も何回も繰り返して見ました。とてもきれいな場面でしたよ。”と興奮していた。

韓国語熱

新宿・職安通りにある『コリアプラザ』を訪ねるとDVDコーナーをはじめ、たくさんの女性がぺ・ヨンジュン氏表紙の雑誌を見ていた。“平日は500人、週末は1000人くらいの人たちが当店を訪れ、その7割のお客さんが冬のソナタ関連のものを購入されます。”と、コリアプラザのチーフであるイェオム・チェルホ氏は言う。“かつて韓国ドラマや映画が放映されるとその出演俳優達は一時的に人気者になります。ぺ・ヨンジュン氏の人気はその100倍いや1000倍くらいで彼のおかげで商売が繁盛してます。今来日中なので(感謝の意を込めて)お茶を差し上げたいです。”

冬のソナタ日本版DVDの価格は3万4千円(350,000ウオン)である。1セットは鑑賞用もう1セットは保存用として一人で2セット購入するそうだ。韓国語の勉強のため韓国版DVDを購入する人も少なくない。冬のソナタのDVDを購入した40代の主婦ヤシロ・サトミさんは“日韓ドラマ『フレンズ』を見て韓国のことを知るようになりました。その後冬のソナタでぺ・ヨンジュンさんと出会い、彼のことをもっと知りたいと思うようになりました。”と言った。

NHKは4月6日放送開始のNHK教育テレビ『韓国語講座』のテキストを20万部発行した。NHK広報によると、当初はドイツ語やフランス語と同じ11万部の発行だったが昨今の韓国語熱で増版し、英語を除くと韓国語が一番人気だそうだ。ちなみに韓国語に次ぐ人気の中国語は15万部である。東京にある韓国語教室は20代から40代の女性で込み合っている。

韓国と韓国語に興味を持った日本女性が次にすることは韓国旅行である。昨年11900人以上の日本人が『スキャンダル』を鑑賞するために韓国を訪れ、今でも『冬のソナタ』や『スキャンダル』のロケ地に大勢の人が訪れている。                             
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