*月刊朝鮮5月号 ぺ・ヨンジュン氏独占インタビュー(パート4

ファンは家族です

ぺ・ヨンジュン氏は『スキャンダル』で青龍映画祭および百想芸術大賞で最優秀新人男優賞を獲得した。その授賞式で彼はファンのことを“家族”と言った。
―ファンをとても大事にしていますよね、何か理由でも?
“私達はマフィアです。”
その場にいたマネジャーやスタッフたちは一同に大笑いした。
“私はファンのみなさんを家族だと思っています。何があろうと無条件に私を信じてついて来てくれます。家族だけができることじゃありませんか?ファンのみなさんも私のことを家族だと思ってくれています。”

―昨年あるファンが癌で亡くなったのを聞きつけ釜山までお悔やみに行ったと聞きました。(注:記者の勘違いで昨年ではなく2年前のこと)タイからは15兆ウオンの資産を持つ乳癌の患者があなたに会えれば治るかもしれないという望みを持って韓国に来ましたね。
“お悔やみに行ったのは私を愛して支えてくれた方が亡くなったからです。それ以外の何でもありません。もしもこれが逆の立場だったら(その亡くなった方は)お悔やみに来てくれたでしょう。相手の気持ちになって考えれば当然のことです。”
“タイの方に関しては…..どうしてそういう風に書かれたんでしょうね?本当に15兆ウオンの資産があったのかはわかりませんが、どうして挑発するような記事しか書けないのでしょうか?記事をみてマネジャー達が気をつけろと忠告してくれましたが、私は逆に気にすることはない、自分達の信じる道を行けばそれでいいのだからと言いました。それでその方に会いに行ったのです。病状は思ったより良好で手術をすれば治るという状態でした。もちろん、女性にとっては大変な決断を要する手術ですが、それで治るという事がわかって安心しました。”

昨年末ある女優との交際の噂がたった時、ぺ・ヨンジュン氏は自身の公式ホームページ上で、映画演出の勉強をしているガールフレンドがいることを公表した。夜遅かったにもかかわらず1万件以上のアクセスがあり、数百件にのぼる反応があった。ほとんどのファンの反応は“おめでとう。素敵な関係がすばらしい結果となりますように”といった肯定的なものであった。公表後数時間経つとネチズンがガールフレンドのイ・サガンさんの経歴や写真をネット上に流した。

イ・サガン(23)中央大学演劇学科在籍中に英国・ロンドンフィルム学校学士課程に留学

―公式ページでガールフレンドのことを公表すれば直ちに取材陣に取り囲まれて記事にされると思わなかったのですか?
“取材陣より私の家族のほうが大切です。どのように書かれたとしても信用はできません。私の家族は私が言ったことを信じてくれます。『誇張して書かれた記事』で私の家族を傷つけたくなかったのです。本当はガールフレンドのことを公表するのはちょっと時期的に早かったのですが、私の家族が『誇張した記事』で翻弄されるのは耐えがたかったですから。”
―イ・サガン嬢とはその後どうなっていますか?
“友達です。”
―たとえトップスターでも結婚すると普通の人になりますよね。幸せなところを見せたくて奥さんと一緒にテレビで新婚生活をこと細かく話すのを見るとほとんどの女性はがっかりします。
“今は結婚のことは考えていませんし、近い将来にということもないです。いつか結婚することがあったとしても自分のプライバシーを公にすることは決してないです。私生活に土足で入られる理由はないですから。”

また勉強を再開して写真を撮りたいです

ご自身がサイト上に投稿した文章がとても評判よく、逆に“誰かに書かせたものだろう”という噂がネット上に飛び交っていますが?
“私でなかったら誰が書いたというのでしょうか?以前にも雑誌にそのように書かれたことがあります。”
彼の側にいたヤンチーフマネジャーが“彼自身が書いたと私が保証しますよ。そういう噂が飛び交っていることすら知らなくて記者たちから電話で教えてもらったほどですから。”と加えた。

体調がすぐれないため声がだんだんかすんできたにもかかわらず、答えにくい質問にもニコニコと丁寧に答えてくれた。

―写真が上手でご自身で現像もすると聞きました。『スキャンダル』の撮影現場であなたが撮ったスタッフの写真が話題になりましたね。
“率直に言うと『スキャンダル』の写真は好きではないです。私の視点は頻繁に変わりますからね。『スキャンダル』の写真は強烈なコントラストを追求しました。その後いろいろな写真を見てみるとコントラストはそれほど強くなく、粒子の細かいフィルムを使っているのに、様々な角度からおりなす影を非常に効果的に使っていました。私の写真には影は少ししかなく、これではダメだと視点を変えたのです”

成均館大学映像学科にて『映画、テレビとマルチメディア』を4学期受講した彼に、いつ勉強を再開するのか聞いたところ“あ〜、痛いところをつかれちゃったなあ”と独り言のように言った。
―各学期に小単位ずつ受講すれば延期できるのですよ。
“多忙なスケジュールでどうやったらいいのでしょう?大学は片手間に勉強して卒業できるという甘いものではありませんからね。”
自分自身を奮い立たせるように“必ず卒業します”ときっぱり言った。
日本人記者たちに将来のことを聞かれるとぺ・ヨンジュン氏は若者を教えたいと答えている。そのためにも是非大学を卒業しなければならないようだ。写真に関しての話が弾む。
“心に抱いてるアイデアがあります。今回は体調も悪かったのでカメラを持参しませんでしたが、あちこちで写真を撮って本にしたいです。写真だけでなく物語が一緒になっているような本を”

韓国トップブランド、歩く企業

2004年1月発行の月刊誌で発表された韓国トップ100ブランドにぺ・ヨンジュン氏が選ばれた。そのほとんどが企業団体のなかでわずか6名の個人がリストアップされた。男優で選ばれたのはぺ・ヨンジュン氏のみである。関係筋によると今年彼が稼いだ額は50億ウオンに上ると言われている。チーフマネジャーのヤン氏曰く“50億か100億か、そんなことは誰にもわかりません。”アジアのスターとなった今、いくら稼ぐかはわからない。
昨年以来日本を除くアジア10カ国で高級ブランド『レイバン』の専属モデルをしている。2月には『日本レイバン』とも6ヶ月専属で3億ウオンの契約を交わした。アジアのスターとなった彼には世界に展開している企業のアジアの象徴として起用される道が開けたのである。

政治については話したくないです。いまの政治はばかげてますからね

5人のマネジャー、スタイリスト、ヘアメイク、トレーナーを含めた総勢20名のスタッフがぺ・ヨンジュン氏の来日に同行した。マネジャー達は日本でドラマや広告関係の人たちと会った。ドラマ出演、ドキュメンタリー作成、企業専属契約、写真集、ぺ・ヨンジュングッズ製品化と様々な依頼があったが、今までのところは彼が出演したすべてのドラマの放映権が契約されたにとどまっている。

フジテレビとサンケイ新聞が共同で運営している日本のニュースサイト<Zakzak>が“消費者の大部分を占めるのは30代から50代の女性であり、ぺ・ヨンジュンと冬のソナタのファン層とぴったり合っている。それがぺ・ヨンジュン関連商品の売り上げに拍車をかけている”と伝えている。

‘歩く企業’のぺ・ヨンジュンにお金の管理について聞いた。
“管理はしていません。お金はすべて両親に渡しています。私はそういうことは苦手ですし、お金に煩わされたくないですから。両親は喜んでやってくれています。少しは貯金しているみたいですが、詳しいことはよくわかりません。”

あれやこれや政治のことを聞くと彼は政治については話したくないと言い、声を潜めて“だって、ばかげてるじゃないですか”と。それでもオフレコという条件で『ばかげている政治』に対しての彼の意見をきっぱり述べてくれた。
―政治に関与している芸能人をどう思いますか?
“人それぞれの見解があるので、それについては言うことはありませんが、私は決して政治に首を突っ込みません”

―将来はどんな風に受け止められたいですか?
“私は政治家ではないので固定されたイメージにこだわる必要はないです。もちろん、常に誠実で正直で努力を怠らないという自分なりの基本イメージはあります。しかし、俳優としてはいろいろな役を演じてみたいです。”

―あなたのファンが“知的にセクシー”というイメージを持っていることに、どう思われますか?
“うれしいですね。そういう風に言ってくれて、うれしいです。”

心温まる映画を作りたい

ぺ・ヨンジュン氏が芸能界に入ったのは忠武路にある映画制作会社のスタッフとしてである。その後留学費用を貯めるために演技の道を進み始めたが、俳優としての彼を支え認めてくれる人たちが増えると彼らのために演じ続けた。そしていつの日か自分で映画を作る日を夢見ている。
“いつになるかはわかりません。長年の夢です。自分の映画に俳優としても出たいので(それが叶うように)ずっと勉強してます。スリラーだけれども心が温まる映画を作りたいです。”

“冬のソナタを見て感動してくださったアジアのファンのためにすばらしい作品をお見せしたいです。アジアのファンと一緒に『何か素敵なこと』をする企画も計画中です。”とぺ・ヨンジュン氏が言ったので詳細を聞くと“みなさんの心が温まるようなことです”と答えてくれた。
インタビュー中、彼はひとつひとつの質問に対して慎重に考えて答えてくれた。チーフマネジャーのヤン氏が“ぺ・ヨンジュンのファンはたくさんのチャリティー活動をしてます。”と教えてくれた。国籍を問わずぺ・ヨンジュン氏のファンのモットーは『初恋は永遠』なのだ。

“日本のファンは20万円(2百万ウオン)を寄付してくれ、台湾のファンは障害児を助け、シンガポールのファンは学生救済キャンペーンをしてます。香港のファンは子供を含めたガン患者のためにボランティア活動を始めたところです。他の日本のファンはボランティア活動をし、国内のファンはいろいろなチャリティーに参加しています。”

“ぺ・ヨンジュンというのはたゆまなく努力している俳優です。その一生懸命さが彼を成功させたのですが、それはそのまま彼の弱点にもなってるんです。”と4年間彼と共に仕事をしてきたチーフマネジャーのヤン氏は語る。
移り変わりの激しいこの世の中、多くの俳優達はかけもちをしたり、ひとつが終わると間を置かず次作に出演する。そんななかでぺ・ヨンジュン氏は『急がば回れ』とマイペースである。台湾から1話2千4百万ウオンを提示してきたドラマ出演もその国の文化・言葉をしっかり理解するまでは海外からのオファーは受けないという彼のポリシーに従って断った。

ぺ・ヨンジュン氏は決めるまで時間がかかるが、一度決めたら完璧にこなす。
今、アジア全体が彼の次回作に注目している。

―完―                                               informationへ戻る