3.ショート・ウォーク  ビュー・ポイント
 
 (Short Walk & View Point)

グランド・キャニオンのサウス・リム(縁)には沢山のビューポイントがある。一般に日中のグランド・キャニオンは色が白っぽくなり峡谷の陰影が無くなって立体感が薄れるので、朝日と夕日の中で見るのが良いとされる。また夕日は、グランド・キャニオン・ビレッジの西側のビューポイントから見るのが良いとされ、朝日は東側から見るのが良いとされている。
そういうことなので、グランド・キャニオンに着いた日の夕方は西側のリムのショート・コースを歩き、グランド・キャニオンを離れる朝には東側のリムのドライブ・コースを走り、各ビューポイントから景色を眺めることにした。

歩いたり眺めたりした日
① 2012年7月09日:イースト・リム・トレイルの
ショート・ウォーク、モハーベ・ポイントからパウウェル・ポイ ントを歩く(18時半から20時過ぎ、日没は19:50)
②2012年7月12日:デザート・ビュー・ドライブ(Desert View Drive、6時~8時、日の出は5時半)
 
地図は「グランド・キャニオン国立公園」のページの略図を見てください


 ①イースト・リム・トレイル、ショート・ウォークのビューポイント

西側のリム・トレイルは9か所のビュー・ポイントがある。トレイルは舗装され、ほぼ平らで全長は12km程ある。一般自動車が乗り入れ禁止なので各ビュー・ポイントへはハーミッツ・レスト・ルート(Hermits Rest Route)の無料循環バスで行くこになる。このバスは、往きは各ビュー・ポイントに止まるが、帰りはモハーベ・ポイント(Mohave Point)とパウエル・ポイント(Powell Point)の2か所しか止まらないので要注意です。
帰りのバスの融通が利くモハーベ・ポイントからパウエル・ポイントへの1.8kmを夕日の時間にのんびりと歩くことにした。

 ラスベガスからレンタカーでグランド・キャニオン・ビレッジに入り、マーケット・プラザ近くのヤバパイ・ロッジに午後2時頃にチェックインした。
ラスベガスと同じく一帯は砂漠状態かと思っていたが、松の木などの大きな木が沢山生えていて、一見海岸近くの砂地の林の中にいるような感じがする。


マーケット・プラザで食料や水を仕入れてから宿で休憩後、無料循環バスのビレッジ・ルート(Village Route)とハーミッツ・レスト・ルート(Hermits Rest Route)を乗り継いで、モハーベ・ポイント(Mohave Point)で下車する。

バス停からリムに向かって少し歩くと突き出たビューポイントに出る。時計は午後6時半過ぎ、
 モハーベ・ポイントから北西方向
左上は支流のソルト・クリーク渓流、中央にちょっと見えるのがコロラド川本流
 雲が西の方に広がり、太陽が雲間に隠れたり出たりして、その都度渓谷に当たる光の具合が変わる。雲が広がって太陽が隠れないことを祈る。
西日が当たって輝く大渓谷の景色を見ようと、沢山の人が立ったり座ったり、カメラを構えたり、思い思いの姿で眺めている。

眼下にコロラド川の支流や本流を眺めることができる。

2人程度が並んで歩けるくらいの舗装された遊歩道がリムに沿って綺麗につけられている。
景色を眺めながら右手の東方向に進む。進む先に谷からせり上がった崖上に小さく人が動いているのが見える。そこが次の展望地のホピ・ポイント(Hopi Point)で、1.3kmの距離にある。
モハーベ・ポイントから東方向を見る、右端の崖上は次に行くホピ・ポイント


   のんびりとリムに沿ってU字を描くように歩いて行くと、再び人が集まった展望地のホピ・ポイントに着いた。
ここからは、コロラド川が良く見える。ただ日が大分傾いて
きたため、陰になってあまり良く見えない。コロラド川を見るならもう少し早い時間の方が良いように思う。

日没までにはまだ時間がありそうなので、0.5km東にある展望地・パウエル・ポイント(Powell Point)に向かう。
 ホピ・ポイントからコロラド川を見下ろす


 
 パウエル・ポイントから、日没直前の輝き
   パウエル・ポイントに着くと、日が大分傾きだして、次第に陰影が長くなり、渓谷全体の複雑な造形が立体的に見えるようになり、次第に輝きが増し金色に染まり日没寸前には一部が真っ赤に染まった。

日没後も暫く眺めていたが急速に暗くなり始めたので、バス停に向かう。大勢の人がバス停に集まっている。帰りのバスに乗るには近辺ではここしかないのでドンドンと人が増える。
バスの運行は日の入りから1時間後まで30分置きと書いてあったので、全員乗せられるのかと心配したが、増便があったらしく、スムースに乗ることができた。
 パウウェル・ポイントから見る日没





② デザート・ビュー・ドライブ道路のビューポイント 


 デザート・ビュー・ドライブとは、ルート64号線でグランド・キャニオン・ビレッジからリムに沿ったて東に延びる部分の道路を言い10箇所ほどのビューポイントがある。車でしか行けないので訪れる人は多くない。3か所に立ち寄ったので、その様子をしるします。

 デザート・ビュー・ドライブはモニュメント・バレー(Monument Valley)に車で行くのに通る道なので、移動日の朝を早く出発し、途中のビュー・ポイントに立ち寄ることにした。

最初はビレッジから17kmほど走ってグランド・ビュー・ポイント(Grand View Point)に立ち寄った。リムの展望地としては一番標高が高く2,255mあるそうだが、別に他の展望地より高いという感じはしなかった。
西方向は朝日に当って鮮やかだったが、やや遠方は霞んで見えた。東方向も広範囲の展望だが逆光でクリアーには見えなった。コロラド川はここからは見えない。
 グランド・ビュー・ポイントより西方向を見る


 更に東に8kmほど走るとモーラン・ポイント(Moran Point)に出る。
対岸のノース・リムまで13kmほどの距離で、渓谷の幅が一番狭い所らしいが、やはり広いとしか言いようがない。
展望地に崩れそうな石灰岩の大きな塊があって少し荒々しい。北東方向に蛇行するコロラド川を遠望することができる。
 モーラン・ポイントから北東方向、コロラド川を見下ろす
   ここからの北西方向は、一番まとまったグランドキャニオンの姿を見ることができるのではないかと思う。コロラド川は見えないがその谷の連なりと対岸のノース・リムとの間の峡谷の広がりが実感でき素晴らしい。
 モーラン・ポイントから北西方向を見る


 更に15km(ビレッジからは約40km)ほど東に走るとデザート・ビュー(Desert View)の展望地に出る。ここはグランド・キャニオンの東の端で、ビジターセンターや小さい店が有り、大きな駐車場とガソリンスタンド(マスター・カードは使えなかった)も有る。
展望は抜群で西から東迄広範囲に見渡せる。特に北東方向には、蛇行しながら流れるコロラド川が良く見える。
この展望台には1932年に作られたというウォッチ・タワー(Watch Tower、無料)が建っていて8時に開くので少し待って入った。中にはインディアン画家が描いた絵が展示されていて、鑑賞しながら塔に登れる。
展望抜群だが、窓にはガラスがはめられていて汚れているので窓から写真を撮るのはちょっと無理な感じがした。
 デザート・ビューから北西方向を見る
 デザート・ビューを後にして、グランド・キャニオンと別れ、次の目的地のモニュメント・バレー(Monument Valley)に向かった。
 
 デザート・ビューから北東方向、コロラド川を見下ろす  デザート・ビューに立つウォッチ・タワー


 訪れたビュー・ポイントからの眺めは、何処も同じようなものと言えば言えるし、違うと言えばまたその通りで、なかなか評価は難しいのですが、夕日の中で刻々と変わるグランド・キャニオンの輝きは是非見ておきたい景色ではないかと思います。