1.デビルズ・ガーデン・トレイル(Devils Garden Trail)


 モニュメント・バレーを朝出て直ぐに右の写真のメキシカンハット(Mexican Hut)という奇岩を見てから後は、何も記憶が残っていないほどの砂漠というのか荒野というのか全く変化のない景色の中を延々と走り、ようやくモアブ(Moab)という町らしい町に昼過ぎに入った。

今夜はこのモアブの町のモーテルに泊まるが、通過してアーチーズ国立公園の道路に入った。 バランスド・ロックを見て次にデリケート・アーチのトレイルを歩くつもりでウルフ・ランチ(Wholf Ranch)の駐車場に止まったが、歩く先の空が真っ黒で稲妻が光り雷鳴も直ぐ近くに聞える。歩き出した人達も戻ってきて引き揚げる様子なので、ここを歩くのを諦めた。北の方角は晴れているので北の端の一番奥にあるデビルズ・ガーデン・トレイルヘッドの駐車場に向かった。大きな駐車場だが殆ど満車。やっとスペースを見つけて駐車し、空模様を見るとこちらは何とかなりそうなので登山姿に変えた。
3時間程の歩きなので家内は空身にし、ザック1つに荷物をまとめた。 
 歩いた日;2012年7月14日

 コース
; Devils Garden Trailheadー(25min)Landscape Arch
ー(1h)Double O Arch(25min休み)ー(1h25min) Devils Garden Trailhead
合計時間:2h50min (総合計時間:3h15min) 
標高差:約120m 最高標高:1,690m 

ダブル・オー・アーチ往復:6.8km 



もし天気がおかしくなったら引き返すことにして、とりあえずランドスケープ・アーチ(Landscape Arch)まで行くことにしてトレイルヘッドを出発した。時間は午後1時45分。暑い。
出発点には立派な表示板があり直ぐそれと分かる。赤砂まじりだが綺麗なトレイルで大きな岩の間に作られている。沢山の人が歩いており、ここは普通の靴でも問題無さそう。しばらく行くと柵が現れ、その正面に今にも落ちそうな大きなアーチが現れた。ランドスケープ・アーチでアーチの長さは88.4メート、高さは23.6mもあるそうだ。下まで行って見上げたいが崩落の危険があるので柵外には出られない。1991年に180トンもの岩が剥離して落下したが、かろうじて今の姿で保たれているそうだ。
ランドスケープ・アーチ 


空模様は大丈夫なので、先に進む。
ランドスケープ・アーチを過ぎるとトレイルは突然岩の上を歩く道に変わる。歩く人は極端に少なくなって、ちらほらとしか人の姿を見かけなくなる。

最初は岩の壁の中を通り、次いで複雑な形をした岩の間をすり抜け、これを過ぎると馬の背状の岩の上を歩く。この一帯をデビルズ・ガーデン(Devils Garden)と言うようで何とも言いようのない岩がニョキニョキと林立している。歩くところは殆どが岩なのだが踏んだ後の岩の色が変わっているのである程度は分かる。ただ分かりにくい所には小さなケルンが置いてあって、これを頼りに進む。
階段状の岩など変化のある岩の上を汗を拭き拭き進むが、岩から別の岩に移る所にはちょっとした段差があって滑り落ちないよう気を使った。
 ランドスケープ・アーチを過ぎて直ぐ、岩の壁の中のトレイル
 馬の背状の岩の上の道  階段状の岩の上の道


 岩の上の歩きが下りになったあたりでケルンが見当たらなくなり、歩く先が分からなくなる。少し戻って探すと左に曲がってまばらなブッシュの中に入るようになっている。頭を枝にぶっつけないように身を屈めて歩き、見上げるとアーチが現れた。ダブル・オー・アーチ(Double O Arch)だ。スタートしてからここまで1時間半の歩き。
下の小さいO(オー)と上の大きいO(オー)でダブル・オー・アーチ。その大きさに「オー」と倍する声で皆が叫ぶのでその名がついた、というのは私の勝手な解釈。
小さいO(オー)をくぐると反対側に行けるようなのでよじ登って超える。背丈ほどの高さでツルッとしているのでよじ登るのがちょっと大変。
 ダブル・オー・アーチが目の前に、ブッシュをくぐる  下のO(オー)アーチに登る。反対側に行く通路になっている


 反対側には大きな岩が聳えており、その下の一段高くなった所に岩棚があり、傾斜を登れば簡単に行ける絶好の展望台がある。
岩棚に立って見下ろすとダブル・オー・アーチの全景が見え、その奥にデビルズ・ガーデンの怪奇な岩の数々が望まれる。くぐって来た下のO(オー)の穴も結構大きいと思ったが、上のO(オー)の大きさから比べたら針の孔といった感じだ。
家内にアーチの前に立ってもらって撮ったのが右の写真。その大きさに改めて驚く。
岩棚で休憩し汗が引くまで景色を楽しむ。

時計は午後3時半を過ぎている。
帰りにはプリミティブ・トレイル(Primitive trail)というループ状に回る道もあるが、この道は距離も長く名前の如く来た道ほどには整備されていないとのことなので、来た道を戻ることにした。
 ダブル・オー・アーチの全景  人とアーチの大きさを見比べてみると


   帰りは南の方向に向かっての歩きになる。南は曇ってはいるが、真っ黒な積乱雲は無くなったようで雷雨に合わずに済みそうだ。晴れていれば雪を被ったラサール連峰が綺麗に見えるはずだが、雲で山裾がぼんやりと遠くに確認できるだけだった。

来る時と帰る時では正面に見える景色が違うので、同じ道とは思えないような錯覚を覚える。道を間違えないように慎重に歩いた。

トレイルヘッドに着いたのは丁度午後5時。暑さで快調とはいかなかったが十分歩きを楽しめた。トレイルヘッドには飲料水の蛇口があり顔を洗ってから飲む。冷たくておいしい。

このトレイルには、ランドスケープ・アーチとダブル・オー・アーチ以外にも、少し横道に入ると地図に記載したように沢山の大小のアーチがあるようです。今回は全てカットしてしまったが、これ等のアーチを眺めればもっとこのトレイルを楽しめるものと思います。
 馬の背状の岩の上のトレイル、帰りは南の方角に向かう