2.デリケート・アーチ・トレイル (Delicate Arch Trail)



 今日はロッキーマウンテン国立公園への移動日だが、昨日はバランスド・ロックを見、デビルズ・ガーデン・トレイルを歩いただけなので、朝早く起きて再びアーチーズ国立公園に入り、他のアーチを見た後に、昨日雷雲が近いので止めたデリケート・アーチ・トレイル(Delicate Arch Trail)を歩いた。
このトレイルは2時間程度で往復できる人気のトレイルで、朝から沢山の歩く人で賑わっていた。トレイルの大部分は岩の上を歩くので、少なくとも運動靴でないと歩きにくいと思う。
 歩いた日;2012年7月14日

 コース
; Trailheadー(50min)Delicate Arch
(20min休憩)ーPetroglyphs経由ー(40min)Trailhead
合計時間:1h30min (総合計時間:1h50min) 
標高差:146m 最高標高:1,474m 

デリケート・アーチ往復:4.8km 




   駐車場の奥がトレイル・ヘッドで立派な表示板が立っている。時計は朝の8時少し前だが沢山の人が既に歩いている。天気は薄曇り。日中の暑さに比べれば大分ましだがそれでも暑い。
比較的短い距離の歩きなので、ザックを一つにして小生が担ぎ家内は空身で出発する。
 トレイル・ヘッド


 歩き出すと正面に平らな岩のスロープが見える。トレイルの先がこの岩に繋がっているので、この平板の岩の上を歩くようになっているようだ。

左に小さな小屋がありウルフ・ランチ(Wolfe Ranch)と説明書きがある。昔ウルフ家族が牧場を開いた時の小屋だそうだ。
小屋を過ぎると橋を渡る。こんな砂漠に橋があるのかと不思議に思い地図を見るとソルト・ウォッシュ(Salt Wash)という川の名前がついている。何故かこの橋の下に水が流れていたかどうか全く記憶がない。

橋を渡り暫くは砂地のゆるい登りで、これを過ぎると岩の上の歩きになる。
 トレイル・ヘッドを出て平らな岩のスロープが行く手に見える


 岩は傾斜した1枚岩で凹凸の少ない平板状で歩きにくくはないが、登りが続くので結構しんどい。所々に小さなケルンが置かれているので行き先に迷うことはない。

振り返ると、登り始めた駐車場が意外と遠くに小さく見える。駐車場に来るまでのうねった道路も見える。一帯は赤茶けた荒野で、昔牧場をこの地に作ったということが信じられない。

一枚岩は登るにつれて次第に左に方向を変えていて、その形状の通りに歩く。
 一枚岩のスロープを登る
   
 一枚岩のスロープの途中から振り返る 四角内は駐車場付近(出発点) 四角内(駐車場付近)の拡大


   ようやく一枚岩の上の歩きが終わり、右の大きな岩の周りを巻くように歩いて行き岩棚の道になる。道は人工的にカットして作られたのか、真っ平らで歩きやすいが、岩との反対側は下まで何もなくストーンと落ちた崖になっている。道は広いが崖側は気持ちが悪いので歩く人は皆できるだけ岩側に引っ付いて歩いている。

この岩棚を過ぎると突然目の前にデリケート・アーチが現れた。
 デリケート・アーチに通じる岩棚の道(振り返った所)


 デリケート・アーチは、すり鉢状に傾斜した岩の地層の上に載っていて、自然の造作のアーチと言うよりは岩の上に組み立てられた巨大な建造物の遺跡とでも言った方が相応しい。
アーチには岩の斜面を伝って近づくのだが、滑って転げ落ちないように慎重に歩く必要がある。誰かがペットボトルを落としてしまったようで、コンコロ、コンコロと下まで勢いよく転げて行った。
   
 デリケート・アーチが見えた所から デリケート・アーチに近づく


 更に近づいてアーチの足元まで行ける。この辺は絶好の撮影ポイントなので順番待ち。何時までもアーチの足元を独り占めにはできないので、ゆっくりとはしてはいられない。

遠くから見ているとさほど大きいとは思えなかったが、アーチの足元まで行ってみるとその足の太さに圧倒される。このアーチもやはりでかい。

後ろにある岩をよじ登るとアーチを真横から見ることができる。横から見ると手前の足の中ほどが大きくくびれていて、良く支えていられるなーと感心する。
 デリケート・アーチの足元に立つ
 
 横から見るデリケート・アーチ  足元の拡大


   よじ登った岩の反対側は崖になっていて、谷を挟んだ向かいには複雑な形をした奇岩が並んでいる。よく見ると岩の凹みや岩のえぐれが見える。これからアーチを形づくる初期の段階なのだろうか。
 アーチと反対側にある奇岩


 帰りは来た道を戻る。歩いてくる人が更に増えたようで次々とすれ違う。一枚岩のスロープを過ぎて砂地のトレイルを下り、橋が目前になった所で右に入る分岐がある。

道標にPetrogrlyphsとあったが何のことか意味が分からなかったが近そうなので行ってみると、岩に描かれた岩絵を見ることができた。1650~1850年頃にインディアンによってビッグホーン・シープや犬等の動物が描かたものとのことだった。
あまりにも鮮明なので、最近描かれたものとしか思えない。
 インディアンが描いた岩絵

 岩絵を見てから駐車場へは直ぐの距離で10時少し前に着いた。これからモアブで泊まったモーテルに戻りスーツケースを積み、ロッキーマウンテンのエステス・パークまでの長距離を走らねばならない。緊張感を保って走ることにしよう。