3日目
クロイツシュピッツェ
(Kreuzspitze)

コース;
Martin Busch Hutte -(1h25min)Brizzisee近くを通過 -(1h30min)Kreuzspitze尾根 -(20min)頂上  [小計; 3h15min]
頂上-(15min)尾根の終わり -(50min)Brizzisee -(40min)Martin Busch Hutte   [小計; 1h45min]
Martin Busch Hutte -(30min)Schaferhutte -(1h20min)Vent  [小計; 1h50min]

[合計時間;6h50min  標高差;下り1562m、登り956m  最高標高;3457m]

7月始めにオーストリアに着いたが、クロイツシュピッツェ(Kreuzspitze3457m)へ登るのは雪ができるだけ少なくなった方が良いと考え、オーストリア最後の山歩きの日程にした。しかし、今年は異常な暑さが続いていて、要らぬ心配だった。
たまたまヒュッテで隣の席で食事をしたオーストリア人のガイドが、「この山は尾根に雪が有ったり雪が降ったりすると危険な山になる」と言っていた。出発前には気象条件や山の様子を確認する必要があります。今回は、これ以上は無いというか暑い快晴のコンデションでした。

概略のトレイルは下の写真の橙色の線で示しました。

 インターネット情報;Kreuzspitze(英)
東から見るクロイツシュピッツェとマルチンブッシュヒュッテ
(マルツェルカムの尾根から見る)
南から見るクロイツシュピッツェ
(アイスマン記念碑へのトレイルから見る)


マルチンブッシュヒュッテに余分な荷物を置いて、ヒュッテの前から草付の登りを右斜めに進みます。直ぐに廃墟の前を通り左に向きを変えてジグザグの道を交えながらぐいぐい登ります。どんどん展望が良くなります。やがてほぼ平になった辺りで、左に離れたところにブリズィーゼーの池が見えます。

中間点から頂上(左上)を見上げる



池の標高が2920mなので、この辺りが凡そトレイルの中間点です。池はトレイルからちょっと離れたところにあります。

ここからはガラガラの石とザラザラの砂だらけになり、急な登りになります。しかし、トレイルは良く踏み固められていて、それほど歩きにくいということではありませんでした。

ブリズィーゼー
その奥はマルツェルカム尾根とマルツェル氷河



登るに従い、ブリズィーゼーの池が下になり、水の青さが増していきます。帰りにはあの池の端に行って見ようときめました。

ガレ道を詰めると左に頂上を望む尾根に出ます。南側がパーッと開け、オーストリア第2 の高峰・ヴィルトシュピッツェ(wildspitze 3768m)が姿を現します。
尾根の上のトレイルを頂上に向かって登ります。頂上の手前には、まだ雪が沢山残っており、これを越えると始めて大きな十字架の立った頂上が見えてきました。頂上手前にもう1つの残雪があり、これも越えるとようやく岩石が重なり合った3457mのクロイツシュピッツェの頂上に到着です。

尾根と頂上方向 頂上


頂上に立つ


360度の展望。どっちを向いてもチロルの峰が連なっている。遠くに雲が僅かに湧き出しているが、頭上の空は雲一つ無い青の空間で吸い込まれそうだ。風も無し。強烈な太陽の光の中だが空気はひんやりとしていて気持ちいい。

頂上は狭いがゆっくりと景色を眺めた。


頂上からの景色を、北から順番に時計回りで紹介してみます。

北方向
ヴィルトシュピッツェ(3768m)
拡大→ 北東方向
手前タレイトシュピッツェ(3406m)、
右奥ラモルコーゲル(3549m)
東から南方向
左端シャルフコ−ゲル(3637m)、中央ヒンタラー・シュヴァルツ(3624)、右端シミラウン(3599m)
南西方向
中央フィナイルシュピッツェ(3514m)

左がシミラウンヒュッテのある峠
拡大→ 西方向
左端ヴァイスクーゲル(3738m)
 拡大→
北に見えるオーストリア第二の高峰ヴィルトシュピッツェは3768mで富士山とほぼ同じ高さですが、ここから見る山の姿はさほど大きく感じなかった。山の南面を見ているせいか氷河も多くなかった。

この山は反対側から見るのが良いらしい。北側は大きな氷河で覆われているようです。エッツタールの谷の西側にあるピッツタール(Pitztal)という谷の最深部・マンダーフェン(Manderfen)の村から入ればその雄大な氷河を見ることができるそうです。
北西方向
中央ホッホベルナグトシュピッツェ(3530m)




帰りは同じトレイルを下ります。尾根を過ぎるまでは慎重に足を運びましたが、その後は滑らないように気をつけるだけ、自然に足が速くなりました。

ブリズィーゼーの池の近くまで来て、トレイルを外れ、池に寄る。
岸辺まで行くと、青色の水の色が縞模様になって輝いていた。池の周りを半周し水の色が刻々と変わるのを楽しんだ。

池に行く道ははっきりしていませんが、踏み跡を適当にたどれば問題なく行けます。トレイルから5分程度でしょうか。


マルチン・ブッシュ・ヒュッテへの下り



ゆっくりと水辺で休んだ後、トレイルに戻り草付の下りをどんどんと下ります。下にマルチン・ブッシュ・ヒュッテが見え出すがここから結構時間がかかる。

小屋に着き小休憩。これからフェントまで下りなければならないので、ヒュッテに置いていた荷物をザックに入れ、水を補給し出発。

2日前に歩いた広いトラック道をどんどん下る。背後には何時までもシミラウン峰とその氷河が見える。大分疲れてきて、ちょっとした登り坂があると、歩くスピードがガクンと鈍る。それでも結構順調に歩き、無事フェントに着いた。カンカン照りで暑い。バスを待つ間、何はともあれレストランのテラスに座り、山を眺めてビールで乾杯した。



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