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長崎ぶらぶら節監督/深町幸男 脚本/市川森一 原作/なかにし礼 出演:吉永小百合/高島礼子/原田知世/おのえ ゆかり/渡 哲也 物語の舞台は明治から昭和にかけての長崎・丸山。主人公の愛八(あいはち)は、50に手の届く年齢にもかかわらず、今も丸山五人組に数えられるほどの名芸者である。男まさりで気っぷのいい愛八は丸山一の売れっ子だったが、貧しい子どもや希望に燃えた若者をみると、つい放っておけずにあれこれ世話を焼いてしまうため、収入は右から左、暮らしは決して華やかではなかった… |
映画館はさすがに年輩の方ばかりだったが、邦画でここまで客が呼べるのは、さすが吉永小百合さんと言うべきであろう。さて我が原田知世さんは、ひとくちで言うなら、いい仕事してました。役的にも結構目立つ役で、いつも小百合さんの側についているため、出番も多くひと際美しさを醸し出していました。特にお座敷で歌う知世さんには、感動します。聴き慣れた澄んだ歌声、思わずうっとりとしてしまいました。単に長崎出身というだけで選ばれたわけではないでしょうが、ひとり自然にしゃべっている知世さん。やはり演技と昔から身に付いたものとでは、ぜんぜん違いました。そんな訳で今回は適役だったように思います。あと知世さんに三味線をひかせなかったのも正解でしょう。俄仕込みでごまかすよりも、歌におどりにと得意な所で役をひきたてていました。 |
個人的な、意見。 今回の映画ではじめて知世さんは、他人を演じられたと思う。 これまでは、知世さんのなかの芳山和子であり、リカであったのが今回は、梅次の原田知世であった。 本人も「いままで、これほど緊張したことはなかった。」と言うようにまったく違った役を演じることは、想像以上にたいへんな事だったようだ。 これまでのアイドル映画のように知世さんの為の映画でもなければ、観客も知世さんを観に来たわけではない。監督も原田知世という名前は関係ない、一人の役者として知世さんを起用したわけで、この映画で生きるも死ぬも、本人の力量しだい。 吉永小百合さんと同じフレームに入ると言うことは、すごいことである。吉永さんは完璧な演技でのぞんでくる、自分もそれ以上の気持ちでないと死んでしまう。それどころか、下手をすると、吉永さんまで殺していまうことになる。 現に何回も、監督からダメだしされ、「そんなんじゃ、つかえない!」とまで言われたそうである。 そんな中で知世さんは、良い仕事をしていたと思う。 「原田知世でてたんだぁ」ではなく、「このひと原田知世なんだ!」と言われるようなそんな演技ができたように、私は思う。 キネマ旬報のトップを飾ったり、テレビのゲストに呼ばれたりするのは、吉永小百合さんの出演料が高いせいもあるでしょうが、それなりに、良い仕事だったと評価されてのことだと、私は思いたい。 知世さんも、早く「時をかける少女の原田知世」ではなく、「原田知世」として一般のひとに受け入れられればいいなと思う。 |