
出力装置
フォント
画面やプリンタに、明朝体やゴシック体などの文字書体を表示するための情報を、フォントという。フォントのデータ形式には、ドットの集まりで文字を作る形式のドットフォントと、点をつなぐ直線のベクトル値で文字の輪郭を表すアウトラインフォントがある。
ドットフォントは、拡大するとギザギザが現れてしまう欠点がある。アウトラインフォントは、フォントとしてのデータ量は多いが、拡大してもなめらかな曲線が描ける。パソコンで扱えるデータ量が増えたことと、GUI機能が充実したことから、最近ではアウトラインフォントが主流になりつつある。

太陽光はプリズムで分解して見ると下図のレインボーカラーのようなあらゆる色を含んでいる。デジタル画像はこのレインボーカラーを単純化して、すべての色を最も効率良く再現できるよう3色に分解されている。いわゆる
「光の3原色」である。
ディスプレイなど、光を発して表示する装置では、光の3原色である R(Red:赤)、G(Green:緑)、B(Blue:青)を組み合わせて色を作る。電気信号を複雑な比率でかけ合わせる事によって、あらゆる色を再現してモニターに表示している。
R・G・Bのうち、どの色を組合わせるかによって色合い(色相)が決まり、これ以外に明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)を変えることによって、さまざまな色を表現させる。
色には、色相(色味)、彩度 (鮮やかさ)、明度(明るさ)の3つの属性がある。
色相(RGBカラーの時)とは、赤や黄などの色味のことで、R(赤)G(緑)B(青)の3原色を正三角形の頂点に置く色相環を形成する。対角線上の色は「補色」、隣合った色を「類似色
」という。
彩度とは、色の鮮やかさのことで、簡単にいうとグレーを混色していく割合によって彩度が上がったり下がったりする。 モノトーン(無彩色)に近づくほど、彩度が低いということになる。もとの色に対して彩度が高ければ華やかに見える。
明度とは、色の明るさのことである。基本色に白を加えれば明度は高くなり、黒を加えれば明度は低くなる。明度を変えることで、色相・彩度の度合いも変わる。

補色とは、ある2色を混ぜ合わせると無彩色になる色の相関関係の事である。この色を知っていると写真の色補正がすごくやりやすくなる。たとえば青かぶりしている(青っぽい)画像は、黄色を加える事で、青色がおさえられる。赤っぽい画像は緑色を加えるというような感じである。この補色の相互関係図を見ながら、画像レタッチソフトの色調調整機能を使うとイメージに近い色が表現しやすい。
色の三属性とは色相、彩度、明度のことである。R・G・Bの三色すべてを、最も高い彩度と明度で表すと白色になる。このRGB方式のように光の三原色を混合して色を表現する方法を、加法混色という。
RGB方式では、色ごとにビットを割り当てる方式で表現する。2ビットずつでは、合計で6ビットとなり2^6=64色を表すことができ、4ビットずつでは、合計で12ビットを使用することになるので、2^12=4,096色を表し、8ビットずつでは、合計で24ビットの使用で、2^24=16,777,216色を表現できることになる。
通常コンピュータは、ノンインターレース(プログレッシブ)(全画面を一度に描画する)という方式で画面を表示している。一方、テレビはNTSC方式で画面を縦方向に525本の走査線があり、一度に半分ずつ(奇数、偶数ごと1本おき)画面を書き換えているインターレース方式を採用しているため、表示方法が異なる。そのためインタレース方式で収録されているDVD-Video映像などでは、動きの激しい場面で奇数走査線と偶数走査線で生じるタイムラグによりクシ状のノイズ(横縞)が目立つ場合がある。
ディスプレイの種類
- CRT(Cathode Ray Tube)
- ブラウン管を使用
液晶ディスプレイ(Crystal Display)
電圧をかけると分子の向きが変わる液晶の性質を利用。
動画を鮮やかに再生するには明るいディスプレイが良い。パソコン用は200〜300カンデラ/平方メートル(cd/m2)。液晶パネルでは、液晶分子がバックライトの光のオン/オフを制御するシャッターの役割を担うが、電圧をかけて実際にシャッターが閉じるまでにはある程度の時間がかかる。画面切り替えの速度が、パネルに送られてくる映像について来られなければ、残像が残ったり、尾を引く感じに見える。応答速度は16〜40ms程度である。(プログレッシブ方式)
ちなみに液晶テレビの高額製品では、画面変化時に通常より高い電圧をかけることで高速な応答速度を実現する機能(オーバードライブ技術)を組み込んでいる。これによって13〜16msといった、速い応答速度を実現している。(インターレース方式)
AV機能重視のモデルには、色の表現領域を広げた「高色純度液晶(通常の液晶が放送局制作基準の45%程度なのに対し、高色純度液晶は色表示範囲を72%に向上)」や、明るさを高めた「2灯式バックライト」が使われる。携帯ノートでは低消費電力のLEDバックライト採用モデルもある。
- TFT型(Thin Film Transistor liquid crystal)
アクティブマトリックス方式
薄膜トランジスタのことを言い、アクティブ・マトリクス方式により、これを各画素ごとに設けることで、画素1つ1つを制御することが出来、応答速度が速く、均一な色表現が出来る。
- TNパネル(Twisted Nematic ねじれネマティック)
- 一番一般的な液晶パネル。安い液晶ディスプレイはこれ。
量産されており低価格で流通しており、応答速度も速く、低消費電力がメリット。
反面、視野角が狭く、上下・左右によって色合いが暗くなったり、白くなったりする。
ピボットしたり、寝転んで見る、複数人で見るといった方にはあまりオススメできない。
- VAパネル(Virtical Alignment 垂直配向)
- 現在主流のパネル。主に液晶テレビなどで採用されている。
上記TNパネルより視野角、応答速度、発色がよく、特に高コントラストに強い。
一般的には、TNと後述するIPSの中間。
- IPSパネル(In-Plane Switching)
- 高級な液晶テレビやモニターに採用されている。
視野角が広く、色合いの変化も一番少ない方式になる。
反面、暗くなりやすく、コントラストに弱いす。しかし最近では補正を入れることでカバーしている。
また、比較的応答速度が遅いがこちらもオーバードライブでカバーしている。これらも含めて、価格は高価になりやすい
- STN型(Super Twisted Nematic liquid crystal)
単純マトリックス方式
- DSTN型(Dual scan Super Twisted Nematic liquid crystal)
単純マトリックス方式。液晶画面を2層化し、それぞれ独立して表示。
グレア(glare)
「ぎらぎらする光、まぶしい光」という意味であり、グレアパネルとは、モニタの表面につるつるとした処理を施していることを指す。
グレアパネルの特徴は、高いコントラストが上げられる。反面、蛍光灯の写り込みといった問題も抱える。
ノングレア(Nonglare)
モニタの表面に、光を反射しないための処理を施していることを指す。ノングレアパネルは写り込みが少ない分、目に優しい。反面、コントラストが低くなる傾向がある。
プラズマディスプレイ(Plasma Display)
ガス放電による
デジタル画像の綺麗さは「解像度」で決まる。「解像度」は簡単にいうと画像の滑らかさや再現性を示す用語。その画像の解像度が高ければ滑らかできれいに見えるし、多くの情報が表示できる。低ければざらざらとモザイクがかかったように見える。解像度が高いければ表示する文字や画像は小さくなる。
通常「dpi (ドット・パー・インチ) 」という単位で表示される。コンピュータでは文字から絵まで画像はすべて点(画素)の集まりで表現されていて、この点をドットと呼び、dpiは、そのドットが1インチ(2.54センチ)あたり何ピクセル(ドット)並べられるかを示す単位。
- ピクセル(Pixel)
- マッキントッシュでは画像解像度はピクセル/inch=72と決まっている。
- モニターの小さい点の最小単位で1インチを72で割った値
1ピクセル=25.4mm/72=0.353mm
- ウィンドウズは通常の画像解像度はピクセル/inch=96と決まっている。
- モニターの小さい点の最小単位で1インチを96で割った値
1ピクセル=25.4mm/96=0.265mm
最大表示色
表示できる最大の色数のこと。これが大きいほど、正しい色再現力を持っているということを意味する。一部の機種をのぞいて、ほとんどが24bitカラー(約1677万色)に対応している。
応答速度(リフレッシュレート Refresh rate)
一枚一枚の画像が切り替わる速度のことでこれが速ければ速いほど、スムーズに画面の切り替えが行われることになる。逆にこれが遅いと、ムービーやFPSゲームなどの動きの早い画像を表示しているときに、残像が気になつたり、フレームレートの落ち込みでゲームを快適にプレイできなくなったりする。画面の点滅(フリッカー)が人間の目からも感じられるようになる。人間工学的には72フレーム以上がちらつきは少ないとされている。60フレーム/秒で本当に快適に表示するためには、約16ミリ秒が必要だが、25〜35ミリ秒程度であれば、ムービーやゲームでも大きな不満は感じないはず。
輝度
表示の明るさを示す単位のことだ。学位はカンデラ平方メータ(cd/m2〜通常はcdと表示)で、これが大きければ大きいほど、明るくクッキリとした画像を表示できるということになる。200cd程度であれば十分美しい画像を表示できる。
コントラスト
明るい色と暗い色を対比して、どれだけ明度に差があるかを示す数値のことだ。これが高ければ高いほど、画像の表示にメリハリが出る。逆にこれが低いと、微妙な階調性がうまく表示できない。1:200程度であれば十分。
ディスプレイの規格
ディスプレイの解像度が高くなるほど、同じ画面サイズに表示できる量が増える。 したがって、表示する文字や画像は小さくなる。
- VGA(Video Graphics Array)
- 640x480 ドット アスペクト比=4:3
262,144色中16色の表示が可能
- SVGA(Super Video Graphics Array)
- 800x600、1024x768 ドット アスペクト比=4:3
表示色は256色から16,777,216色まで
-
- XGA(eXtended Graphics Array)
1024x768 ドット アスペクト比=4:3
WXGA
1280x800 ドット アスペクト比=8:5
WXGA+(ワイド)
1440x900 ドット アスペクト比=8:5
SXGA
1280x1024 ドット アスペクト比=5:4
SXGA+(ワイド)
1400x1050 ドット アスペクト比=4:3
UXGA
1600x1200 ドット アスペクト比=8:5
WSXGA+(ワイド)
1680x1050 ドット アスペクト比=8:5
HD1080
1920x1080 ドット アスペクト比=16:9
WUXGA+(ワイド)
1920x1200 ドット アスペクト比=8:5
WQHD
2560x1440 ドット アスペクト比=16:9
4K(UHD)
3840x2160 ドット アスペクト比=16:9
入力端子
画像信号を入力するためのコネクタ。2系統の入力端子があれば、2台のパソコンからの映像信号を、1台のディスプレイで処理できる。一般的なD−Sub15ピンコネクタは、アナログ入力をサポートするコネクタ。デジタル入出力コネクタにはDVI、DFPなどの形式が存在するが、現在の主流はDVI
- アナログ
- D−Sub15ピン(凹)
- デジタル専用
- ADC(アップル社)、DVI-D(DOS/V)、DFP(DOS/V)
- アナログ、デジタル共用
- DVI-I(DOS/V)

インクを混色して色を表現する装置では、色の三原色であるC(シアン:赤)、M(マゼンタ:青)、Y(イエロー:黄)を組み合わせて色を作る。どの色をどのくらいの量で組み合わせるかによって、色が決まる。ただし、印刷はインクや紙などに依存するため、モニターで見る色表現とまったく同じにはならない。
理論上は、C・M・Yの三色すべてを等分に混ぜ合わせると黒色になるが、実際には光の吸収率の違いにより完全な黒を出すことができない。そこで印字するときは、発色の良い黒色インクを用いた方がきれいな印字になるため、CMYに黒(K)を加えた、CMYK方式が一般に用いられる。C・M・Yという色の三原色を混合することによって色を表現する方法を、減法混色という。
なお、商業印刷でのカラー印刷の工程においても、まず元の画像をいったんはCMYKの4色に分解(色分解とよばれている)して、それぞれの色だけのフィルム原版を作り、4枚の原版にそれぞれ色を重ねて印刷するという方法を用いる。
プリンターの種類
- ドットインパクトプリンター(Dot Impact printer)
データを点(ドット)の集合で表し,その形に合わせた印字ピンで紙を叩く方式であるため,印字音が大きいという欠点があるが,カーボン式の複写用紙にも印字ができる。
ドットで図形を作るので、漢字はもちろんだが、簡易図形程度は印字が可能である。使用するドット数には、24ドット、32ドット、48ドットなどがある。使用するドット数が多いほど、きめ細かくきれいな文字が印字できる。
- 感熱式プリンター(Thermal printer)
感熱ヘッドで感光紙を発色させる。変色し易いために保存に問題がある。
- 熱転写プリンター
熱で溶ける固体インクを感熱ヘッドで加熱し、溶かしたり昇華させて紙に転写する方式のプリンタで、高精密なカラー印刷が可能である。昇華方式では、昇華度合を調整して印字濃度を制御できるため、写真に近い印字品質を得ることができ、ビデオ静止画像などのフルカラー画像作成に向いている。
- インクジェットプリンター(Ink Jet printer)
専用のインクを細いノズルの先端から微細な液滴として印刷物の形に合わせて吹き出し、これを用紙上に付着させて記録する。インクを用紙に吹き付けて印刷するノンインパクト方式だから、複写はできない。
音が静かで安価なことから、個人向けやオフィスでの小型プリンタの主流となっている。
インクジェットプリンターのインクは、一般的には染料と呼ぶ材料を使う「染料インク」が主流である。
「染料インク」は発色が美しく色がきれいに出るという特徴があり、写真高画質をうたっているプリンターのほとんどが染料インクを採用している。
ただし、染料インクは長時間光にあてると退色しやすく、水に濡れると画像が流れてしまうといった弱点がある。そのため、屋外に掲示するポスターや長期間保存する用途には向いていない。
それに対し、顔料を細かく砕いて溶剤に分散させたのが「顔料インク」で、耐光性が高く、水にも強いという特徴がある。また普通紙に出力した場合にも、染料インクよりもにじみが少なく、顔料インクで出力した文字はシャープで、きれい。そのため、普通紙の文字の出力を実しくするために、黒インクのみ顔料インクを採用しているプリンターもある。
ただし、一般の顔料インクは顔料の粒の形状がでこぽこで粒の大きさも大きいため、画質が悪いという欠点もある。紙の上にインクをのせたときに表面に凹凸ができ、光を乱反射してしまうため発色も悪く、写真画質を出力するのには向いていない。
- レーザープリンター(Rayzer printer)
電子写真方式(コピー機と同じ原理)で、ページプリンタの代表的な方式である。ページ全体のイメージをレーザ光を使って回転するドラム上に感光させて印字するため,印字品質が高く高速である。
印刷するには、感光ドラムを静電気で帯電させて、そこに光を照射する。すると光をあてた部分(その部分だけ静電気が減少する)とあてない部分で電位差が生じ、これでトナーが感光ドラムに付着するので、そのトナーを紙の上に押し当てて転写してから熱と圧力で定着させると印刷できる。モノクロレーザプリンタが黒色1色で印字するのに対して、従来型のカラーレーザプリンターは、CMY3色またはC(シアン)M(マゼンダ)Y(イエロ)K(クロ)4色を重ねて発色させる。
しかし、1つの感光ドラムで4色分の画像を作り、中間転写体などに4色分の画像を重ねてから紙に転写するため、カラー画像を印刷するのにモノクロの約4倍の時間がかかる。
印字時間を短くする方式として、最近増えているのがタンデム方式である。これは、画像を作像する感光ドラムが4本あり、モノクロとほぼ同一のスピードでカラー印字が行える。感光ドラムが4本分となるため本体が大きくなるデメリットはあるが、最近では小型化されたものも製品化されてきている。
|
インクジェットプリンター |
レーザープリンター |
印刷品質 |
普通紙にはにじむことがある |
写真などの印刷には向かない |
速度 |
遅い |
速い |
コスト |
本体価格は安いがインク代が高い |
本体価格は高いがランニングコストは安い |
機能 |
ラベル印刷やスマホ印刷など多機能モデルが多い |
特殊印刷機能は少ない。 |
色補正
写真は基本的にR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)という光の3原色で構成されているが、画像補正を行おうとすれば色相環を頭に入れておくと理論的に考えられる。
つまり、対象カラーの補色を加えてやれば適切な色になる。全体的に黄色っぽく撮れている場合、補色のブルーを加えればいい。
印刷
きれいに印刷するには200〜250dpi が、商業用印刷なら350dpi以上が必要。一般的にデジタル写真を紙に印刷する場合、350dpiで処理するが、200%までの拡大までならクオリティーがあまり落ちないとされている。
印刷サイズ=画像サイズ(横または縦ドット)/解像度x2.54
画像 |
サイズ |
解像度 |
サイズ |
300万画素 |
2048x1536ドット |
200dpi の場合 |
A4サイズまで |
200万画素 |
1600x1200ドット |
200dpi の場合 |
はがきサイズまで |
ある画像を印刷したら、思った以上に小さくなってしまったということがある場合、これはプリンタのdpiとソフトウェアのdpiがうまく一致していないためである。プリンタのdpiが360だとすると、画像自体のdpiも360に変換する必要がある。たいていのグラフィックソフトには印刷サイズを指定する機能があるので、そこで大きさを確認しておいたほうが確実である。
一般的に、インクジェットプリンタで使用される写真用用紙は大きく印画紙タイプと上質紙タイプの2種類に分けられる。
印画紙は、フイルムカメラでもおなじみの写真専用の用紙で、フイルムを焼きつけるための感光乳剤を塗った紙。
上質紙は、一般的な印刷物に利用される紙で、顔料などをコート剤として塗工したものはコート紙と呼ばれている。
印画紙は、上質紙に比べて、発色や耐水性、保存性などが優れているので、市販の写真用用紙の中で高級写真用用紙と呼ばれるものは、おおむね印画紙が利用されている。
スプール設定
大量のデータを印刷する場合、効率を良くするために全データをいったんスプール領域に保存してそれをまとめてプリンタに送る。

