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・オカヤドカリが動きません ・餌を食べません ・ひとつの容器で何匹も飼えますか? ・繁殖はしますか? ・砂に潜ったまま出てきません ・オカヤドカリを飼っている人が「オカヤドカリを玩具にするな!」と主張するのは矛盾していませんか? ・オカヤドカリを玩具扱いしている販売業者を教えてください ・オカヤドカリに与える水は海水だけでもいいですか? |
Q. |
オカヤドカリが動きません |
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A. |
買ってきたばかりのオカヤドカリは環境の変化で興奮状態にありますので良く動きますが、しばらくして興奮がおさまると飼育容器の隅などでじっとうずくまっていることが多くなります。 はじめてオカヤドカリを飼われる方は、元気がなくなったようで不安に思われるかもしれませんが、元々オカヤドカリは一日の大半を寝て過ごす生き物ですから心配はいりません。 むしろいつまでも落ち着かずに暴れている方が問題です。 数日間まったく動かないようなら、飼育環境を見直してください。 温度と湿度は適切ですか? 常に人がうろうろする場所に飼育容器を置いていませんか? 芳香剤や殺虫剤などの薬品を使用していませんか? 飼育環境が適切なのにぐったりしているのなら、脱皮の可能性が考えられます。 本来ムラサキオカヤドカリやナキオカヤドカリは砂の中に掘った巣穴で脱皮をするのですが、適切な脱皮環境を用意してやらないと砂上で脱皮準備に入ることがあります。 オカヤドカリにとって脱皮は命がけの作業ですから、下手に触ると致命的なダメージを与えてしまいかねません。 脱皮が疑われる時は、速やかに他の個体を取り出して(脱皮個体は触らないこと)温度と湿度に注意しながら刺激を与えないよう静かに見守ってください。 いずれにしても、オカヤドカリがどういう状態にあるのかを正確に見極めることは困難です。 動かないからといって、安易につまみあげたりすると、取り返しのつかないダメージを与えてしまうことになりかねません。 おかしいなと思っても、(飼育環境が適切なら)最低1週間くらいは触らずに様子をみるようにしてください。 1ヶ月も変化がないようならあきらめた方がいいかもしれません。 ただしオカヤドカリは低温に晒されると仮死状態になることがありますので、低温被曝が疑われる場合は25℃〜30℃くらいに加温した環境で数日様子をみたほうが良いでしょう。 |
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Q. |
餌を食べません |
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A. |
目の前にある餌は残さず食べてしまわないと気がすまないような生き物もいますが、オカヤドカリは生命活動に必要な最低限の餌しか食べません。 輸送中やショップでストックされている間は餌を与えられていないことが多いので、買ってきた当初は旺盛な食欲を見せることがありますが、それが常態ではありませんのであまり食べなくなったからといって過剰に心配する必要はありません。 脱皮直後や大潮の前後は活性が高まりますので餌もよく食べますが、それ以外の時期は給餌というより「お供え物」の感覚に近いと思います。 また同じ物を続けて与えると食べなくなりますが、これは栄養が偏らないようにいろんな食物を摂食する雑食性動物の本能によるものです。 安易な専用フードにこだわらず、できるだけ多くの品目を与えてやることが大切です。 餌についてはこちらに詳しく述べていますのでご一読ください。 関連記事 [餌の話] |
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Q. |
ひとつの容器で何匹も飼えますか? |
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A. |
共食いをする生き物はひとつの容器に1匹ずつ飼育するのが原則です。 オカヤドカリも脱皮直後の個体を襲うことがありますので、本来ならば1匹ずつ飼うのが正しいと思います。 ただオカヤドカリは砂の中に潜って脱皮をしますので、上手く管理すれば共食いはそれほど頻繁にはおこりませんし、複数飼育でも長く無事故で飼っておられる飼育家もおられます。 肉食性の節足動物のように、小型のプラケースやデリカップなどを積み上げて飼育するのもひとつの方法ですが、観察して楽しむには少し物足りないと思います。 オカヤドカリの飼育を楽しむのなら流木やサンゴの骨格を配置したテラリウム飼育がおすすめですし、充分なスペースを持った水槽に数匹のオカヤドカリを同居させる方が楽しいでしょう。 もちろんオカヤドカリ飼育の楽しみ方は飼い主によっても違うでしょうし、そのあたりは個人の好みと常識的な判断におまかせします。 しかし無理な過密飼育で、共食いのリスクを高めるのは感心しません。 前甲長10o前後の中型の個体なら、60p水槽で5匹が限度です。 15mm以上あるような大型個体は、できれば1匹あるいはペアで飼育する方が安全だと思います。 |
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Q. |
繁殖はしますか? |
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A. |
同種のオスとメスを一緒に飼育していると繁殖行動が見られることがあります。 何がきっかけで繁殖行動をおこすのかはよくわかりませんが、我が家ではこの数年毎年産卵していますし、繁殖に挑戦しておられる飼育家も少なからずおられますから、適切に飼育していれば産卵はそれほどまれなことではないと思います。 オカヤドカリの幼生は海中で成長しますので、繁殖には海水が必要になりますが、そう難しく考えることはありません。 中には「繁殖には海が必要」などと大げさなことを書いているサイトもありますが、実際は1リットル程度の容器(タッパーなど)と小型のエアポンプがあれば上陸するまで育てることは充分可能です。 稚ヤドカリに変態させるのは少し難しいのですが、注意深く管理すれば大丈夫です。 詳しい繁殖方法についてはこちらに紹介していますので、参考にしてください。 関連記事 [オカヤドカリの繁殖] |
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Q. |
砂に潜ったまま出てきません |
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A. |
オカヤドカリは砂に潜って脱皮します。 その期間は個体にもよりますが、数週間から長ければ数ヶ月に及ぶこともあります。 脱皮のために砂に潜り込んだ個体を、掘り返してしまうと致命的なダメージを与えてしまいます。 出てこないからといって、砂を掘り返すことは絶対に止めてください。 長い間砂に潜ったままだと、ケージに動きがなくてつまらないでしょうが、オカヤドカリはそういう生き物です。 繰り返しますが、くれぐれも掘り出すことだけは止めてください。 |
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Q. |
オカヤドカリを飼っている人が「オカヤドカリを玩具にするな!」と主張するのは矛盾していませんか? |
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A. |
最初に断っておきますが、私はオカヤドカリ飼育自体を否定するつもりはありません。 むしろオカヤドカリの飼育は健全で楽しい趣味であると認識しています。 生き物を飼うという行為そのものが、生き物を玩具にしていることではないか?と、問われれば、「その通りです」としか答えようがありませんが、それはまた別の話です。 現在ペット用として流通しているオカヤドカリは、すべてWC個体、つまり自然にダメージを与えて採集された「野生動物」です。 野生動物の飼育というのは、その生き物の生息環境を飼い主の居住空間の中で可能な限り再現することが基本だと思います。 そのためには、その生き物が自然下においてどのような環境でどのような暮らしをしていたのかを知ることが必要です。 最も簡単で確実なのは自分自身で飼いたい生き物を採集することです。 生き物を採集するためにはその生き物の生息地に出向かなければなりませんし、生態や習性についてある程度の予備知識がないと見つけることさえ難しいでしょう。 野生動物を飼育するには、まずフィールドに出て自分自身の手で採集することからはじめる・・というのが、私の持論です。 しかしながら国内に生息するオカヤドカリ類は、すべて国定天然記念物に指定されていますので、許可を受けた一部の業者以外は採集が禁じられています。 そのため我々一般の飼育家は許可を受けて採集された個体を販売業者から購入しなければなりません。 この場合、野生動物を販売する業者には、その生き物がどんな環境でどのように暮らしているかを紹介し、それを踏まえた的確な飼育情報を、ユーザーに伝える義務が発生するはずです。 ところが、2004年に株式会社タカラトミー(当時株式会社トミー)が、生きたオカヤドカリを安っぽい飾りや悪趣味なペイント貝などとセットにして、あたかも工場で生産されたプラスチック製品感覚で玩具売り場の店頭に並べるという、とんでもない愚行をはじめました。 大企業の資本力に物をいわせて、「ハーミーズ」という子供騙しのキャラクターを作り、少女タレントにくだらないキャンペーンソングまで歌わせて、全国の「玩具屋」に大量のオカヤドカリを送りこんだのです。 当然生き物に対して何の知識も持たない玩具屋でのオカヤドカリの扱いは悲惨なものでした。 適切な世話を受けることもなく、店によっては輸送用のブリスターケース(玉子のパックみたいなものです)に入れられたまま店頭に放置され、多くのオカヤドカリが子どもたちの目の前で無残な死骸を晒すという酸鼻きわまる惨状が繰り広げられたのです。 さらに株式会社トミーは、「ハーミーズクラブ」発売にあたってある飼育家に情報提供を要請し、断られるとその飼育家のサイト情報を無断で盗用し、都合の良い部分だけ(ポップコーンを食べる・・など、飼育の本筋にはあまり関係にない情報)を歪曲して宣伝に利用するという暴挙に出ました。 とても大手企業の所業とは思えません。 「オカヤドカリを玩具にするな!」とは、このような愚かな企業に対して、全国の飼育家が怒りと悲しみをこめて発信したメッセージなのです。 株式会社タカラトミーは、すでに[ハーミーズクラブ」の販売を終了していますが、大企業の販売戦略に便乗して追随した株式会社マルカンや、他業種から知識や経験をまったく持たないで参入した通販業者などは、現在もオカヤドカリとそれを取り巻く飼育玩具の販売を続けています。 すべてとは言いませんが、それらの業者の多くは株式会社タカラトミーが先鞭をつけた、オカヤドカリを生き物としてではなく玩具として扱うという社会倫理に反した商売方法を踏襲しています。 まったくもって嘆かわしいことです。 繰り返しますが、オカヤドカリは自然にダメージを与えて採集された「野生動物」です。 プラスチックの玩具ではありません。 |
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Q. |
オカヤドカリを玩具扱いしている販売業者を教えてください |
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A. |
オカヤドカリと一緒に、悪趣味なペイント貝や、安っぽいプラスチックの飾りや、「なんとかアイランド」とかいう、いいかげんなヒーターを販売している、すべての販売業者です。 |
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Q. |
オカヤドカリに与える水は海水だけでもいいですか? |
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A. |
真水は必須です。 オカヤドカリは呼吸や脱皮のために宿貝の中へ水を溜めることが知られていますが、海水だけを与えていると蒸発などで塩分濃度が高くなりすぎて脱水をおこす危険があります。 同じ理由で床材(砂)を海水で濡らすのも厳禁です。 反対に真水だけでは必要なミネラルが不足しますので、出来るだけ海水も与えるようにしてください。 ただし濃すぎる海水は非常に危険ですから、人工海水を利用する場合は必ず比重計を使用して正確に比重を調整してください。 スペースの都合などで、どうしても海水が置けない場合は、ペットボトルのキャップなどに料理用の天然塩を固く詰めて入れてやると良いでしょう。 この方法で2匹のムラサキオカヤドカリを長年飼育されている方もおられます。 ただ、ある論文を読んで感じた個人的な意見に過ぎませんが、ナキオカヤドカリについては、固形の塩よりも海水を与えた方が良いのではないかと思っています。 実際の飼育下ではムラサキオカヤドカリのほうが海水をよく利用しますが・・。 |
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